平成19年度 線形代数学 IA 試験問題@松本 (12/18 実施)

平成 19 年度 線形代数学 IA 試験問題@松本 (12/18 実施)
以下の問に答えよ。 結果だけではなく導出過程も簡明に述べること。単に解答の数値のみが書かれて
いる答案はその正誤に関わらず0点とするので必ず説明を付けること。
なお、以下の問題において、特に断りのない限り、行列、ベクトルの成分は全て実数であると考えて
よい。解答の順番は問わないが、どの問題の解答であるかが明確に分かるようにすること。
1. 以下の問 (a)∼(d) に答えよ。(配点 40 点、各小問 10 点)
⎛ ⎞
⎛
⎞
3
1
⎜ ⎟
⎜
⎟
(a) 3 次元空間中の点 ⎝ 2 ⎠ を通り、方向はベクトル ⎝ −1 ⎠ で与えられる直線と、平面 x+2y+3z =
1
1
0 の交点の座標を求めよ。
⎛
⎞
1
⎜
⎟
(b) 3 次元空間中の点 x が与えられたとき、この点を通り、方向ベクトル ⎝ −1 ⎠ である直線と、
1
平面 x + 2y + 3z = 0 の交点 y を対応させる変換は線形変換である。この変換を表す行列(す
なわち、y = Ax とする行列 A)を求めよ。
(c) 次の行列式の値を求めよ。
1
1
1
0
1
1
1
1
1
0
0
1
1
1
1
1
0
1
1
1
1
1
0
1
1
(d) 次の行列が正則かどうか答え、正則である場合はその逆行列を求めよ。
⎛
1
⎜1
⎜
⎜
⎝1
0
0
1
1
1
1
0
1
1
⎞
1
1⎟
⎟
⎟
0⎠
1
2. 以下は正しいか誤りか答え、なぜ正しい/誤りかその理由を述べよ。誤りの場合は、正しい式を与
えよ。(配点:60 点、各小問 10 点)
(a) A は n 次正則行列であるとき det(A−1 ) =
1
det A
である。
(b) A が n 次正方行列であるとき det(−A) = − det A
(c) A は n 次正則行列であり、A の余因子行列を adj A とおく。このとき det(adj A) = 1 である。
(注:Cramer の公式より A−1 =
1
det A adjA
である)
(d) どんな n 次正方行列 A も、B T = B が成り立つ行列 (対称行列) と C T = −C が成り立つ行列
の和の形で表すことができる。
(e) A が正則かつ対称な行列であれば A−1 も対称な行列である。
(f) どんな正則行列も基本行列の積の形で表すことができる。
(ヒント:基本行列の逆行列も基本行列であること、及び任意の正則行列は左基本変形で階
数標準形に変形できることに注意)