線形代数学Ⅱ 演習問題

線形代数学Ⅱ 演習問題 2
2016 年度後期
工学部・未来科学部 1 年
担当: 原 隆 (未来科学部数学系列・助教)
Report Problems レポート課題
※ レポートは 自由提出 です。レポートを提出したい人は、以下の注意点を守って提出して下さい。
(ⅰ) 必ず分かるところに 学籍番号、学科、氏名 を書いて下さい。
(ⅱ) A4 の紙を用いて、複数枚になる場合はホチキスや針無しステープラーで綴じて下さい。
(ⅲ) ∗ 印の付いた問題はチャレンジ問題 (ちょっと難しめの問題) です。勿論これらの問題を解かないでレ
ポート提出しても構いませんが、腕に自信のある人は是非チャレンジしてみて下さい。
(ⅳ) 提出期限は 11/10 (木), 11/11 (金) の講義時 とします。レポートボックスは設けませんので、講義
開始時に教卓へ 提出して下さい。
(ⅴ) If you are not good at writing Japanese sentences, you can draw up the report in English.
問題 2-1. (ラプラスの余因子展開)
なるべく ラプラスの余因子展開を用いて 以下の行列式を計算しなさい*1 。
)
3 −2
(1) det
3 −2
(
(
(
128 130
24
(4) det 25
397 400
5 3
(2) det
−2 1
−2
1
−3

1
0
(5) det 
0
0
)
)
0
2
0
0
0
−4
3
0

3
0
0
4
1
0
2
0
0
1
−1
−2
(
1
(3) det 2
0

2
0
(6) det 
3
0
)
3
0
3
0
2
1
7
0
0
0
0
−1
0
1

1
0
0
−1
問題 2-2. (余因子行列と逆行列)
正方行列
(
A=
4
−7
)
−2
,
4
(
B=

)
2
1 5 2
1
3 1 −1 , C = 
0
−1 2 1
3

2
−1
,
−3
15

1
0

D = 2
0
3
0
1
0
2
0
2
0
1
0
2
0
2
0
1
0

3
0

2
0
1
について以下の設問に答えなさい。
(1) 行列式 det A, det B, det C, det D の値をそれぞれ求めなさい。
e B,
e C,
e D
e を求めなさい。また、(1) の結果も用いて A, B,
(2) 行列 A, B, C, D の余因子行列 A,
C, D の行列の逆行列 A−1 , B −1 , C −1 , D−1 を計算しなさい。
(3) [研究課題: 余力があったらチャレンジして下さい]
夏学期の『線形代数学Ⅰ』で学んだ
『n 行 2n 列行列
)
(
A
In
−1
という方法を用いて逆行列 A
を行基本変形によって
,B
−1
,C
−1
,D
−1
(
In
A−1
)
に変形する』
を求め、(2) で求めたものと一致すること
を確認しなさい。
*1
本問の行列式は演習問題 1-2. で扱ったものと全く同じものです。ラプラスの余因子展開を用いて計算し直せ、という
こと。
問題 2-3. (余因子行列と行列式)∗
n を 2 以上の自然数とする。(実数係数 の) n 次正方行列 A = (aij )1≤i,j≤n の余 因子行列
e = (ãij )1≤i,j≤n について以下の設問に答えなさい*2 。
A
(1) 以下の空欄部に当て嵌まる数式を答えなさい。
e に対して、一般に AA
e = AA
e =
『余因子行列 A
が成り立つ。』
e が正則でないことが同値であることを示しなさい。
(2) 行列 A が正則でないことと A
] = k n−1 A
e が成り立つことを示しなさい。
(3) 実数 k に対して (kA)
e は det(A)n−1 と等しいことを示しなさい。
(4) 余因子行列の行列式 det(A)
e
e の余因子行列 A
e を A を用いて表しな
(5) ∗ n 次正方行列 A が 正則 であるとき、余因子行列 A
e
e = A が成り立つときに det(A) が取り得る値を全て答えなさい。
さい。また、A
【ヒント】
(1) 講義で扱った通り。これは 確実に記憶しておくこと!
(2) (1) の等式と背理法を用いて証明しよう。
(3) 余因子行列の定義を思い出そう。
(4) (1) から直ちに従うが、det A = 0 のとき は場合分けが必要。
e
e を用いて A
e を表すことを試みよう。
(5) 先ずは A
*2
本講義の学期末考査の選択問題の過去問です。