KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL Ultrastructural localization and translocation of nitric oxide synthase in the endothelium of the human cerebral artery( Abstract_要旨 ) Fukuda, Shunichi Kyoto University (京都大学) 1999-07-23 http://hdl.handle.net/2433/181234 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University いち 氏 名 遠 島 窟 ( 医 学) 学位( 専攻分野) 博 士 学 位 記 番 号 医 博 学位授与の日付 平 成 1 1年 7 月 2 3日 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当 研 究 科 ・専 攻 医 学 研 究 科 外 科 系 専 攻 学位論文題 目 Ul t r as t r uct ur all ocal i z at i onandt r ans l ocat i onofni t r i coxi des ynt has ei nt he 第 2 1 4 6号 endot hel i um oft hehumancer ebr alar t er y (ヒ ト脳 血 管 内皮 細 胞 にお け る一 酸化 窒素 合成 酵 素 の微 細 局 在 お よ びそ の細 胞 内 移動 に関す る研究) 論 文調 査委 員 芽 ㌔ ) 成 宮 周 論 徹 教 授 北 文 内 容 の 要 教 授 橋 本 信 夫 旨 NO)紘,血管平滑筋を弛緩 させることにより脳血流量を増加 させ,また抗凝固作用を も司る脳血流調節 にお 一酸化窒素 ( いて重要な役割を担 う物質である。 この NOの合成酵素である NOs ynt has e( NOS)は,脳血管内皮細胞内に内皮型 NOS ( e NOS)として常在 している。 しかるに,生体内において実際に e NOSが内皮細胞内にどのように局在 しているかについて MCA) は未だ不明な点が多 く,またヒ ト血管での局在の検討 は全 く報告がない。そこで,免疫電顕法によりヒト中大脳動脈 ( および浅側頭動脈 ( STA)の血管内皮細胞における e NOSの超微細構造的局在について検討を行 った。STA-MCA吻合術時 n-8)および STA ( n-5)に対 し,抗 e NOS抗体 と pr ot e i nAで I abe lした金粒子を用いた免疫 に採取 した ヒトMCA ( i be 卜Pal ade小体および s ubpl a s mal e mma1 染色を行い,電子顕微鏡にて観察 したところ,細胞内小器官である小胞体,We ve s i c l e等の表面や,細胞膜,そ して可溶分画に e NOSの局在が認め られた。しか しなが ら,s ubpl as ma l e mmalve s i c l e内部 NOSの酵素活性 の局在は STA内皮細胞 には認められず,脳血管内皮細胞のみに見 られる特徴 と考え られた。次 に,最近 e の制御機構 として, この酵素が リン酸化を受 けることにより,膜 ・頬粒分画か ら可溶分画へ と細胞内を移動 して不活化 され る可能性のあることが報告 されたことより,生体内で実際に リン酸化によって e NOSがどのように細胞内局在を変化 させる NOSの分子数 に比例することを利用 して検討 を行 った0NOS活性化物質である br adyki ni n のかについて,金粒子数が e ( BK)投与 により NOSを活性化 させた群における細胞内小器官 ・可溶分画 ・細胞膜のそれぞれ 3部位に局在する金粒子数 をc ont r ol群 と比較 したところ,BK投与群では可溶分画での有意な金粒子の増加 と細胞内小器官部での粒子の有意な減少 が認め られたのに対 し ( P< 0 . 0 0 1 ) ,細胞膜部では明 らかな粒子数の変化は見 られなか ったo Lたが って,NOS活性化物質 の投与 によ り,e NOSは,細胞膜か らではな く,細胞内小器官か ら可溶分画へ と細胞内を移動 している可能性が示唆 されたo 独 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 e NOS)の局在は末だ不明な点が多 く,また ヒト血管での検討 は報告が 血管内皮細胞における内皮型一酸化窒素合成酵素 ( ない. そこで申請者 は,抗 e NOS抗体 と pr ot e i nA標識金粒子を用いた免疫電顕法により, ヒト脳血管内皮における e NOS の微小局在 について検討 した。 またアゴニス ト刺激により,e NOSが膜 ・額粒分画か ら可溶分画へ と移動することで活性制 NOSの細胞内移動を, 金粒子数が e NOS分子数 に 御を受 けている可能性が報告 されたことより, NOS活性化物質による e 比例することを利用 して検討 した。e NOSは,細胞膜 ・可溶分画や s ubpl as mal e mmalve s i c l e ,We i be l -Pal a de小体,小胞 体等の細胞内小器官 に局在 していた。c ont r ol群 と比べ NOS活性化物質投与群の粒子数 は,細胞膜部では変化な く,可溶分 NOSは細胞膜か らではな く,細胞内小器官か ら可溶分画へ と 画で増加 し,細胞内小器官郡で減少 していた。このことより e 移動する可能性が示唆された。 -4 8 3- 以上の研究 は, ヒト内皮細胞内 e NOSの微小局在および細胞内移動 による酵素活性制御機構の解明に貢献 し,脳血管の組 織生理学的基礎研究に寄与するところが多い。 したが って,本論文 は博士 ( 医学)の学位論文 として価値あるものと認める。 なお,本学位授与申請者は,平成 1 1年 6月 1 4日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受 け,合格 と認められたもので ある。 -4 8 4-
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