レポート IV 問題と解答 米山淳 問題 1.1 つぎのシステムを考える。 0 1 = 1 −1 1 1 = 1 0 1 x˙ y 2 0 2 x+ 1 u 0 −1 x (i) システムの極を −1, −1 ± 2j に配置する状態フィードバックを求めよ。 (ii) 誤差システムの極が −1, −2, −3 になるようにオブザーバを設計せよ。 問題 1.2 システム x˙ = 0 1 0 0 に対し、状態フィードバック制御則 u=− x+ 1 λ 0 1 u x を施した閉ループシステムを考える。このとき、閉ループシステムが安定となるような λ を、リアプノフの定理を利用 して求めよ。 解答 問題 1.1 (i) まず、システムを可制御正準形にする。 s −1 |sI − A| = −1 s + 1 −1 −1 −2 −2 = s2 (s + 1) − 2 − 2 − 2(s + 1) − s − 2s = s3 + s2 − 5s − 6 s であるから、 T = b Ab T −1 = A2 b −2 1 1 2 −2 2 −4 2 α1 α2 1 1 −2 α2 1 0 −1 0 = 1 −3 0 −1 1 1 0 −1 −5 4 1 −4 1 1 1 −2 −1 1 0 = −4 0 0 2 となる。したがって、 0 1 A¯ = T −1 AT = 0 0 6 5 0 0 1 , ¯b = T −1 b = 0 , c¯ = cT = −1 1 1 0 −1 −1 −2 1 , 0 −1 0 0 である。ゆえに、 0 0 0 0 1 x¯ + 0 u 1 6 5 −1 0 −1 −1 x¯ x ¯˙ = y 0 1 = となる。極を −1, −1 ± 2j に配置するので、 |sI − (A¯ + ¯bf¯)| = (s + 1)(s + 1 + 2j)(s + 1 − 2j) = s3 + 3s2 + 7s + 5 となればよい。u = f¯x ¯ = [f¯1 f¯2 f¯3 ]¯ x をすると、 0 x ¯˙ = (A¯ + ¯bf¯)¯ x= 0 6 + f¯1 1 0 5 + f¯2 0 ¯ 1 x ¯ −1 + f3 であるから、閉ループ系の特性多項式は ¯ = s3 + (1 − f¯3 )s2 + (−5 − f¯2 )s + (−6 − f¯1 ) = s3 + 5s2 + 9s + 5 |sI − (A¯ + ¯bf)| となるべきである。係数を比較することにより、 f¯ = [−11 − 12 − 2] となる。したがって、 ¯ −1 = 1 6 f = fT 2 9 13 となる。 (ii) まず、システムを可観測正準形にする。 T −1 T より、 α1 α2 1 = α2 1 0 1 0 0 −2 3 1 = −1 3 3 2 −3 −5 1 1 1 0 c cA = 1 1 0 1 2 1 0 0 4 1 cA2 −3 −6 6 0 0 −1 ¯ A = T AT = 1 0 0 1 である。ゆえに、 1 0 2 = 2 6 1 6 0 5 , ¯b = T −1 b = −1 , c¯ = cT = 0 −1 −1 x¯˙ y 0 0 6 0 = 1 0 5 x ¯ + −1 u −1 0 1 −1 = 0 0 1 x¯ となる。誤差システムの極を −1, −2, −3 に配置するので、 ¯c)| = (s + 1)(s + 2)(s + 3) = s3 + 6s2 + 11s + 6 |sI − (A¯ − k¯ 2 3 3 2 3 , 0 1 0 1 k¯1 ¯ となればよい。k¯ = k 2 をすると、 k¯3 6 − k¯ 5 − k¯2 −1 − k¯3 0 0 ¯ ¯ (A + k¯ c) = 1 0 0 1 であるから、特性多項式は ¯c)| = s3 + (1 + k¯3 )s2 + (−5 + k¯2 )s + (−6 + k¯1 ) = s3 + 6s2 + 11s + 6 |sI − (A¯ − k¯ となるべきである。係数を比較することにより、 となる。したがって、 12 k¯ = 16 5 3 k = T k¯ = 2 2 となる。 問題 1.2 閉ループシステムは x˙ = 0 1 −1 −λ x となる。したがって、リアプノフの方程式は、Q = 2I とすると、 0 −1 p11 p12 p11 p12 0 + p12 p22 p12 p22 1 −λ −1 1 −λ + 2 0 0 2 =0 となる。したがって、λ = 0 のとき、 −2p12 + 2 = p11 − λp12 − p22 = 0, 0, 2p12 − 2λp22 + 2 = 0. 2 λ+ λ =⇒ P = 1 1 2 > 0. λ (λ = 0 のとき、解なし。)を得る。リアプノフの定理より、閉ループシステムが漸近安定になるためには、P > 0 が必 要である。ゆえに、 p11 = λ + 2 > 0, λ 2 2 2 (λ + ) − 1 = 1 + 2 > 0 λ λ λ を得る。(2) は常に成り立つ。λ > 0 の時、(1) より |P | = (1) (2) λ2 + 2 > 0 となり、いかなる λ > 0 に対しても成り立つことがわかる。λ < 0 の時は、 λ2 + 2 < 0 を得るが、この不等式が成り立つ λ < 0 はない。したがって、λ > 0 であれば、閉ループシステムは漸近安定である。 3
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