Cn - 3 2 2

じゃんけんの確率
確率の分野でよく出題される問題の一つに「じゃんけんの問題」がある。実際に,身近にあ
るテーマであるじゃんけんを題材にした身近な問題には,生徒も興味深いようである。そこで,
教科書にあるような問題だけでなく,次のような問題で興味・関心と思考力と高めるのもよい
と思われる。
[問題1]
n 人で1回じゃんけんをするとき,あいこになる確率を求めよ。
(解答1)
【勝利者数で場合分けして考える方法】
余事象を考える。
1人勝つ確率は, n 人の中から勝利者を1人選ぶ方法が n C1 通り,どの手で勝つかは3
3 n C1
となる。
3n
3 C
3 C
同様に,2人勝つ確率は n n 2 ,3人勝つ確率は n n 3 ,……, (n  1) 人勝つ確率は
3
3
3 n C n 1
。
3n
通りあるので,
よって,勝負がつく確率は,
3 n C1 3 n C2 3 n C3
3 C
C  C  C   n C n 1


   n n n 1  n 1 n 2 n n31
……①
n
n
n
3
3
3
3
3
n
ここで,二項定理を用いると, n C 0  n C1  n C 2   n C n 1  n C n  2 より,
n
n C1  n C 2   n C n 1  2  2 であるので,①=
したがって,あいこになる確率は, 1 
(解答2)
2n  2
となる。
3 n 1
2n  2
3 n1
【勝敗がつく手の出し方のパターンを考える方法】
余事象を考える。
n 人で1回じゃんけんをして勝負がつくのは,n 人の出す手がちょうど2種類になると
きである。
2種類の手の選び方は 3 C 2 通り,n 人が2種類の手
を 出 す出 し 方 は 2  2 通 り あ る の で, 勝 負 が つく
n


C2 2 n  2 2 n  2
 n1 となる。
3n
3
2n  2
よって,あいこになる確率は 1  n 1
3
確率は,
3
【参考】 n の値を増やしていくと,あいこになる確率は
n の値
あいこになる確率
3
1
(33.3%)
3
4
13
(48.1%)
27
5
17
(63.0%)
27
右の表のようになる。
…
…
- 1 -
10
18661
(94.8%)
19683
[問題2]
n 人でじゃんけんをするとき,勝利者が1人以上出る(つまりあいこにならない
場合)までの回数の期待値を求めよ。
(解答)
[問題1]より, n 人で1回じゃんけんをして勝敗がつく確率を p ,あいこになる
2n  2
2n  2
確率を q とおくと, p  n 1 , q  1  n 1 。
3
3
求める期待値を E A n  とおくと,
勝者が出る回数
確率
1
2
3
・・・
k
・・・
p
qp
q2 p
・・・
q k 1 p
・・・
より

E A n    kq k 1 p となる。
k 1
ここで, S 
n
 kq
k 1
p とおく。
k 1
S  p  2qp  3q 2 p  4q 3 p    nq n 1 p
…①
qS 
qp  2q 2 p  3q 3 p    n  1q n 1 p  nq n p
…②
①-②より,
1  q S  p  qp  q 2 p  q 3 p    q n1 p  nq n p


p 1 qn

 nq n p
1 q
よって, S 

p 1  qn
1  q 
2
  nq
n
p
1 q
したがって, E A n   lim S 
n 
【参考】
となる。
p
1  q 2
p
1
3 n1
 2   n
p 2 2
p
n の値を増やしていくと,勝利者が1人以上出
るまでの回数の期待値は右の表のようになる。
勝利者が1人以上出る
までの回数
3
3
(1.5 回)
2
4
27
(1.93 回)
14
5
27
(2.7 回)
10
…
…
- 2 -
n の値
10
19683
(19.3 回)
1022
[問題3]
(解答)
n 人で1回じゃんけんをするとき,勝利者数の期待値を求めよ。
n 人で1回じゃんけんをして k 人勝つ確率を Pn, k  とおくと,
3 C
C
Pn, k   n n k  n n 1k ( 1  k  n  1 )となる。
3
3
求める期待値を E B n  とおくと,
E B n  
n 1

k P n, k  
k 1
n 1

k n Ck
3 n1
k 1
1

3 n 1
n 1

k n Ck 
k 1
n
3 n 1
n 1

n 1 C k 1
K 1
(  k n C k n n 1 C k 1 )
よって,
3 n 1
E B n  n1 C 0  n 1 C1  n1 C 2   n 1 C n 2  2 n 1  1
n
n 1
(  二項定理より n 1 C 0  n 1 C1  n 1 C 2   n1 C n 2  n 1 C n 1  2 )
したがって, E B n  
【補足】 k n C k n n 1 C k 1
[証明]


n 2 n1  1
3 n 1
についての説明
(左辺)= k n C k  k
n!
n  1!
n
n C =(右辺)
k !n  k !
k  1!n  1  k  1! n1 k 1
感覚的な説明ではあるが,
ア
(左辺)は, n 人の中から k 人の委員を選び,その k 人の委員の中から1人の委員長を
決める場合の数
イ
(右辺)は, n 人の中から委員長を1人選び,残りの n  1 人の中から k  1 人の委員
を決める場合の数
アとイは同じ操作だから,k n C k n n 1 C k 1 である,と説明すると生徒も理解しやすいだろう。
- 3 -