授業科目名 構造物性学 (Crystal Structure Scien ce) 必修の区分

授業科目名
構造物性学 (Crystal Structure Scien
ce)
必修の区分
※
単位数
2.0
開講年次
1
講師名
鳥海 幸四郎
所属
物質理学研究科
オフィスアワー・場所
※
連絡先
※
講義目的及び到達目標
物質の示す種々の物理的・化学的性質を理解する上で、結晶中の分子や原子の配列に
関する情報は重要である。X線回折法に基づく結晶構造解析法について解説し、分子
構造や結晶構造の観点から物性を理解し研究する能力を養うことを講義目的とする。
さらに、学術論文に記載されている結晶構造に関する情報を容易に理解し、利用でき
るようになることを目標とする。
講義内容・授業計画
講義内容
分子の反応性や物性を理解する上で分子の立体構造や結合距離に関する情報は極めて
重要である。最近、2次元検出器を搭載したX線回折計の普及により、短時間に高精
度なX線構造解析が可能になってきた。さらに、SPring-8からの高輝度X線の利用によ
り、動的な構造変化の解析が可能となってきた。本講義では、まず結晶構造解析と放
射光の基礎について述べ、次に最近の話題、光励起分子の構造解析などについて解説
する。
授業計画
1∼9回目:結晶解析の基礎
1-1 序論:結晶構造解析ー見ているものは何か?
何故X線を使うか、実際の構造と結晶解析結果との違い
1-2 結晶の対称性と三次元周期構造について
単位格子と空間格子、対称性と晶系、ラウエ群、空間群
1-3 結晶構造を描く:結晶中の分子のパッキングの理解
対称要素と等価点、原子間距離・角度、実験誤差
1-4 X線の散乱と回折
X線の散乱、回折、ラウエ関数、原子散乱因子
1-5 回折X線強度と回折条件
反射球、逆格子、結晶構造因子、温度因子
1-6 回折X線強度を計算する:反射強度と構造との関係
NaClの構造因子、和と差の反射、消滅則
1-7 国際結晶学会のwebサイトの利用について
10∼12回目:放射光回折実験の基礎と応用
2-1 放射光とは何か、その特徴と利用法
2-2 結晶構造解析への応用
微小結晶構造解析、散漫散乱の測定、光励起構造解析
13∼15回目:放射光X線構造解析の最近の話題
3-1 低次元金属錯体の物性と原子価秩序配列の解析
3-2 光励起構造解析、光誘起反応活性種の構造解析
テキスト
プリントを配布
参考文献
「X線構造解析」大場茂・矢野重信編著、朝倉書店(図書館に所蔵)。
成績評価の基準
レポートおよび講義内での発表・討論などを点数化して評価
履修上の注意・履修要件
レポート作成を通した実習を重視した講義である。出席日数やレポート提出が不足の
場合は評価対象外とする。
地域に関する学修
該当しない
備考