コンクリート構造学

2012年度(平成24年度)シラバス
コンクリート構造学
Structural Concrete Engineering
3学年前期 土木工学コース必修・社会デザインコース選択・建築工学コース選択2単位
担当教員:阿波 稔
土木建築工学専門棟:C318室
Tel:0178-25-8058
E-mail:[email protected]
オフィスアワー:在室時いつでも可
【授業の到達目標・テーマ】
(1)鉄筋コンクリートの基本概念および構成材料の力学的性質に関する知識と学力を身につける。
(2)鉄筋コンクリートの力学的な挙動と相互作用について知識を深める。
(3)鉄筋コンクリート部材の使用性照査、安全性照査、疲労に対する性能照査に関する知識と学力を身につける。
【授業の概要】
コンクリートは経済性に優れた建設材料の一つである。しかし、圧縮力に対しては強い抵抗力を示すが、引張力、せん断力に対しては十分な強さを示さず、さらに乾
燥や温度変化などによるひび割れを生じ易い性質を有している。この欠点を補うためコンクリート中に鋼材を配した複合材料が鉄筋コンクリート(RC)であり、現
在、鉄筋コンクリートを用い多種多様な構造物を作ることが可能になっている。
本講義では、鉄筋コンクリートの概念や成立理由、コンクリートおよび鋼材それぞれの基本的な力学特性の学習から始める。次に、曲げ、曲げと軸方向力およびせん
断力に対するコンクリート部材の抵抗のメカニズムを明らかにし、鉄筋コンクリートの挙動・相互作用に対する理解を深める。そして、限界状態設計法に基づく使用
性および安全性の照査について説明するとともに、実構造物設計の具体的手法について基本的な学習を行う。本科目は、鉄筋コンクリート構造設計の素地を養うこと
を目的としているため、土木工学コースの必修の位置付けとなっている。
【教育目標・時間】
学科の学習・教育目標との対応は次のとおりであり、計22.5時間の授業を行う。
目標(D)21.0時間:(D-2)土木専門基幹科目の基礎学力と応用展開能力◎、(D-7)専門分野の実務能力〇
目標(E)1.5時間:(E-2)継続学習能力と資格取得力△
【授業計画】
第1回 ガイダンス:授業計画、成績評価方法の説明
鉄筋コンクリートの概念:定義、成立理由、長所、短所、鉄筋コンクリートの歴史
第2回 コンクリートおよび鉄筋(鋼材)の力学的性質と設計用値
第3回 曲げおよび曲げと軸方向力を受ける鉄筋コンクリートの挙動:応力とひび割れ挙動
第4回 せん断力を受ける鉄筋コンクリートの挙動:せん断応力、主応力とひび割れ挙動
第5回 鉄筋コンクリートの相互作用:応力再分配、ひび割れ、付着・定着
第6回 コンクリート・鉄筋の力学的性質、鉄筋コンクリートの挙動・相互作用に関する演習
第7回 鉄筋コンクリートの設計法:許容応力度法と限界状態設計法、使用性・安全性の照査方法
第8回 構造物の使用性照査(1):曲げを受ける部材の基本仮定と応力度の算定
第9回 構造物の使用性照査(2):ひび割れ・変形に対する検討
第10回 鉄筋コンクリートの基礎および使用性照査に関する授業内容の総括
第11回 構造物の安全性照査(1):曲げモーメントに対する安全性の検討
第12回 構造物の安全性照査(2):せん断に対する安全性の検討
第13回 安全性照査に関する演習①
第14回 安全性照査に関する演習②
第15回 安全性照査に関する授業内容の総括
【準備学習の内容】
予習:教科書の該当箇所や配布したプリントを読んでおくこと。
復習:授業時間に作成した講義ノートを読んでおくこと。また、指定された演習問題を解くこと。
【テキスト】
【参考書・参考資料】
教科書は大塚、庄谷、外門、原共著「鉄筋コンクリート工学」(技報堂出版、
図書館にある土木学会コンクリート標準示方書「施工編」や「設計編」、鉄筋コン
3,045円)を使用する。同教科書はコンクリート工学設計・演習(3年・後期)でも クリート工学関連図書を参考にすること。
使用するので必ず購入すること。
【成績評価の基準・方法】
【その他】
成績は、中間試験および定期試験の総合成績で評価され、60点以上を合格のライン 教科書および講義ノートを中心に講義形式で行う。本科目は、コンクリート工学設
とする。なお、それぞれの重みは50%および50%である。中間試験は、主に、「鉄 計・演習(3年・後期)、構造物のメンテナンス(3学年・後期)と内容上密接な関
筋コンクリートの基本概念および構成材料の力学的性質」、「鉄筋コンクリートの 係があり、重要な学習事項が多く含まれている。
挙動・相互作用」および「使用性照査」について理解度を評価する。また、定期試
験は「安全性照査」について理解度を評価する。再試験および再々試験も行うが、
合格は総合成績でそれぞれ65点以上および70点以上とする。
授業コード:9051903001
【地球温暖化対策・環境・エネルギー関連科目】