【制御工学第二・同演習】現代制御 3 回目問題 A クラス:2014/10/15(水) 出題 ⇒ 2014/10/22(水) 提出 B クラス:2014/10/27(月) 出題 ⇒ 2014/11/05(水) 提出 問題【1】(05): 右図の系について以下の問いに答えよ.ただし,端点 の速度 u(t) = q(t) ˙ を入力とし,端点から見た質点の変位 y(t) = p(t) − q(t) を出力とする.また,p(t) = q(t) = 0, p(t) ˙ = 0,u(t) = 0 のとき,系は平衡状態にあるとする. また,K ,M ,B ,D はすべて正の定数とする. [1] この系の状態方程式と出力方程式はそれぞれ適切な行 バネ K 質点 M B ダッシュ ポット1 端点 D ダッシュ ポット2 変位 p(t) 列 A,B ,C とベクトル x(t) を用いて 変位 q(t) ˙ x(t) = Ax(t) + Bu(t), y(t) = Cx(t) という形で表現できる.このときの行列 A,B ,C ,およびベクトル x(t) を求めよ. [2] この系の可制御性を調べよ.その際,判別方法を明確に説明せよ. 問題【2】(08): 右図のシステムについて下記の問いに答えよ. (1) の状態方程式を書け.ただし入力を u,出力 を θ とする. (2) θ,θ˙,および u が十分に小さいとする.この µ とき,(1) のシステムを線型近似した線型の L M 状態方程式を書け. ᳓ᐔജu ㊀ജMg 問題【3】(06): 0 1 A= とする.系 x˙ = Ax が漸近安定となる a の範囲を求めよ. −2 a 問題【4】(80): 次式で表されるシステムに対して,下記の問いに答えよ.ここで,a および b は実数とする. a 0 1 x˙ = x+ u, y = 0 1 x 1 b 0 [1] この系の伝達関数を求めよ. [2] この系が安定になるために a と b が満たすべき条件を求めよ. (最も単純な形で表現するように. ) 【制御工学第二・同演習】現代制御 3 回目の問題の略解 A クラス:2014/10/15(水) 出題 ⇒ 2014/10/22(水) 提出 B クラス:2014/10/27(月) 出題 ⇒ 2014/11/05(水) 提出 問題【1】(05): [解答例] [1] この系の運動方程式は M p¨ + B p˙ + Kp = D(q˙ − p) ˙ と書ける.これを変形すると, B+D D K p− p˙ + q˙ M M M となる.出力が y = q − p であるので,状態方程式は ⎤⎡ ⎤ ⎡ D ⎤ ⎡ ⎤ ⎡ B+D K −M 0 p˙ p¨ − M M ⎥⎢ ⎥ ⎢ ⎢ ⎥ ⎢ ⎥ 1 0 0 ⎦ ⎣ p ⎦ + ⎣ 0 ⎦ u, y = 0 1 ⎣ p˙ ⎦ = ⎣ 0 0 0 q q˙ 1 p¨ = − となる.すなわち, ⎡ ⎤ p˙ ⎢ ⎥ x = ⎣ p ⎦, q ⎡ − B+D M ⎢ A=⎣ 1 0 K −M 0 0 ⎤ 0 ⎥ 0 ⎦, 0 ⎡ D M −1 ⎤ ⎥ ⎢ B = ⎣ 0 ⎦, 1 C= 0 ⎡ p˙ ⎤ ⎢ ⎥ ⎣ p ⎦ q 1 −1 である. [2] この系の可制御性行列は ⎡ D/M ⎢ UC = ⎣ 0 1 −D(B + D)/M 2 D(B + D)2 /M 3 − DK/M 2 D/M −D(B + D)/M 2 0 0 ⎤ ⎥ ⎦ である. 2 D (B + D)2 D2 (B + D)2 D2 K D2 K − − = 0 = 4 4 3 M M M M3 より,rankUC = 3 である.よって,この系は可制御である. det(UC ) = 問題【2】(08): [(1) の解答例] 運動方程式は下式のようになる. M Lθ¨ = (−M g sin θ − u cos θ) u g cos θ ⇐⇒ θ¨ = − sin θ − L ML したがって状態方程式は下記のようになる. θ˙ θ˙ = θ¨ − g sin θ − u cos θ L y = θ [別の書き方] (1) ML (2) 状態方程式は下記のようになる. x˙ = f (x, u), y = h(x) ˙ であり,関数 f および h はそれぞれ下記で定義される関数である. ただし,x = [θ, θ] x1 x2 x1 f ,u = , h = x1 x1 x1 x2 − g sin − u cos x2 L ML (3) [追記] 非線形の状態方程式と出力方程式の書き方については特に決まりはないが,自分と読み手に とって,何が出力で何が状態量なのかが明確に分かるような書き方をするように.出力方程式の左辺 は必ず単一の変数になり,それが出力量を意味する. (左辺には a + b のような複数の変数の演算が含 まれることは絶対にない. θ [(2) の解答例] 式 (3) で定義された関数 f および h を用いる.x = であり,θ,θ˙ ,および θ˙ 0 0 0 u が小さいので,x = ,u = 0 の近傍での線形化になる.なお,f ,0 = より, 0 0 0 0 x= ,u = 0 は平衡点である. 0 関数 f および h の偏微分は 0 1 0 1 ∂f = = θ θ ∂x x=[ 0 ],u=0 − g cos − Lg 0 + u sin 0 x= 0 ,u=0 L L 0 [0] 0 0 ∂f = = θ 1 0 ∂u x=[ 0 ],u=0 − cos − ML ML 0 x=[ 0 ],u=0 ∂h = = 1 0 1 0 ∂x x=[ 0 ] x=[ 00 ] 0 となる.したがって,線形化された状態方程式は下記である. 0 1 0 x˙ = u, y = x + 1 1 − Lg 0 − ML 0 x (4) 問題【3】(06): [解答例] 系 x˙ = Ax が漸近安定となるには,A の特性多項式 det(sI − A) の根の実部がすべて負で あればよい. s − 0 −1 det(sI − A) = = s2 − as + 2 2 s−a より,その根は s = a 2 ± √ a2 −8 √2 である. √ √ a i) a − 8 < 0 のとき (−2 2 < a < 2 2 のとき ),実部 が負であればよいから −2 2 < a < 0. 2 √ √ √ a a2 − 8 ii) a2 − 8 ≥ 0 のとき (a ≤ −2 2,2 2 ≤ a のとき),実部 ± が負であればよい. 2 2√ √ √ a a2 − 8 √ a a2 − 8 a a2 − 8 < 0 および − < 0 が成立する. より,a ≤ −2 2 であれば + > 2 2 2 2 2 2 2 よって,系 x˙ = Ax は漸近安定となるのは a < 0 のときである. [補足] 系 x˙ = Ax が漸近安定となるとき, 「行列 A は安定である」,あるいは「行列 A はフルビッ ツ(Hurwitz)である」などという. 問題【4】(80): [1] 0 1 s 1 0 0 1 − a 1 0 b −1 1 0 = = 0 1 s−b 0 1 s−a (s − a)(s − b) 1 0 1 (s − a)(s − b) [2] このシステムの極は a および b であるので,これらがともに負であればよい.すなわち,a < 0 ∧ b < 0.
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