演習12 学籍番号 氏名 (1) 教科書 98 ページ演習問題(2)の図のように,無限に長い直線状の導線と同一平面内に,2 辺の長さが 2 m と 10 cm の長方形のコイルを距離 5 cm 離して置く。直線導線に I = I 0 sin ω t の電流を流すとき,長方形コイルを貫く磁束の最大値と誘導起電力の最大値 をそれぞれ計算しなさい。ただし, I 0 = 10 A ,振動数 ν = ω 2π = 50 s −1 とする。なお, 誘導電流のつくる磁場は無視してよい。また log 3 = 1.1 とし,有効数字は2桁で計算すれ ばよい。 直線導線を流れる電流がつくる磁場については,教科書 60 ページ(5.5)の第2式のように,導線から距離 R の位置に おける磁束密度 B が次式で表される。 B= µ0 I 2π R = 4π × 10 −7 I 2π R = 2 × 10 −7 I R (1) コイルに囲まれた面を導線に平行な幅 ΔR の短冊に区切 ると,導線から距離 R の位置にある短冊を貫く磁束は, ΔΦ = 2 × 10 −7 I R 2ΔR = 4 × 10 −7 × I ΔR R (2) したがって,コイルを貫く全磁束は次式で表され, Φ == 4 × 10 −7 × I ∫ 0.15 0.05 dR R = 4 × 10 −7 × log 3 × I 0 sin ω t = 4.4 × 10 −6 × sin ω t (3) 磁束の最大値は, 4.4 × 10 −6 Wb となる。 誘導起電力は, − dΦ dt = −4.4 × 10 −6 × ω cos ω t = −440π × 10 −6 × cos ω t (4) であり,その最大値は, 1.4 m V となる。 (2) 上の実験で直線導線に流す交流電流を,商用電源から直接に供給するものとする。装置 を東京から大阪に移し移し, I 0 = 10 A で同じ実験を行うと,長方形コイルを貫く磁束と誘 導起電力の最大値は,それぞれ何倍になるか。簡単な理由を添えて説明しなさい。 電流の周波数 50Hz は,東京の商用電源周波数に一致している。大阪の商用電源周波数は 60Hz であり,東京の 1.2 倍である。全磁束は(3)式で表されるから,その最大値は,同じく 4.4 × 10 −6 Wb であるが,(4)式の誘導起電力は,電流の角振動数 ω に比例する。したがっ て,誘導起電力の最大値は 1.2 倍となって, 1.7 mV となる。 TA 記入欄 ◎:大変よい ○:よい △:少し誤りがある ×:かなり誤りがある
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