生化学Ⅰ 第 3 回小テスト 2014.1.30 問題 1. i.「タンパク質の一次構造」とは,タンパク質の何を指しますか?答えなさい。 ii.以下のタンパク質二次構造について,その構造の特徴をできる限り詳しく説明しなさい。 a) αヘリックス b)βシート iii. タンパク質の三次構造は,ポリペプチド鎖上のアミノ酸が持つ側鎖の相互作用が構造の 安定化に必要ですが,各々のアミノ酸が発揮する相互作用の性質は異なります。 生物でタンパク質を構成する 20 種類の天然アミノ酸の中からタンパク質の三次構造 において「水から隔離された分子内部」「水とふれあう分子表面」で頻繁に見かけるこ とができるアミノ酸の例をそれぞれ2つずつ挙げ,そのアミノ酸の 3 文字略語表記で答 えなさい。 問題 2. 右に掲載した構造式は「Dグルコピラノース」という糖 CH2OH の構造式です。この構造式を参考にして糖に関する以下の O H OH 問いに答えなさい。 H i.「糖」の化学的定義を答えなさい。 H OH ii. 右図で用いている構造表示法の名前を答えなさい。 H iii. 図のDグルコピラノースはどちらのアノマー体です OH か?答えなさい。 H OH iv. D-グルコースの直鎖状構造を図示しなさい。なお,以後 の直鎖状構造を問う問題では,C1 が分子上部に,C6 が分子底部に配置されるフィッシ ャー投影法を利用すること。 v. 図のDグルコピラノースの「アキシアル椅子型コンフォメーション」を書きなさい。 vi. DガラクトースはDグルコースの4位炭素の立体配置が逆になった糖の異性体です。 Dガラクトースの直線構造を図示しなさい。また,DガラクトースとDグルコース の異性体関係をなんと呼ぶか,答えなさい。 vii. Lグルコースの直鎖状構造を図示しなさい。 viii. DフルクトースはDグルコースと3,4,5位の炭素の立体配置が同じである六炭 糖の「ケトース」である。αDフルクトフラノースの構造を上図と同じ表示法を用い て図示しなさい。 ix.「OβDガラクトピラノシル(1→4)αDグルコピラノース」の構造式を図 示しなさい。この糖に還元末端はありますか?もしあれば,その場所を矢印で示しなさ い。 <裏に続く> 13Seika1-3 問題 3.(問題 2 に記したDグルコピラノースの構造式を参考にしなさい) i. アミロースとセルロースの基本構成単位を例にならってそれぞれ図示しなさい。 <多糖の「基本構成単位」表示法の例;回答では X, Y に正しい官能基を代入のこと> Y X O Y Y Y X O Y O X X X Y Y Y X X X n ii. アミロースとアミロペクチンの構造の違いを説明しなさい。 iii. セルロースとキチンの構造の違いを説明しなさい。 13Seika1-3 解答用紙 問題 1. i. 5 点 所属 学籍番号 氏名 アミノ酸配列 ii. a.αヘリックス 右巻きのらせん構造である。らせん1巻きに3.6個のアミノ酸 残基が含まれる(らせん5回転で18残基)。らせん1回転で長軸方向に5.4オン グストローム伸びる。n 番目のアミノ酸残基の主鎖 C=O が(n+4)番目のアミノ酸残基 の主鎖 N-H と水素結合を形成する。(8 点) b. βシート 主鎖が伸びきった構造である。2本以上のポリペプチド鎖βストラン ド構造が主鎖の水素結合を経由して会合する。このとき水素結合はアミノ酸配列上遠 く離れた残基同士でも形成される。アミノ酸側鎖は主鎖が形成する紙のような平面構 造に対し垂直に交互に突き出る。ポリペプチド鎖の配向に従って「並行型(配向が一 緒)」「逆並行型(配向が逆)」の2通りの構造がある。(8 点) 2 点 x2 Ile, Ala, Gly など iii.水から隔離 例 Val, Phe 水と触れる 例 Asp, Glu, Lys, Arg, Gln, Asn, His, など 2 点 x2 問題 2. i. 4 点 3個以上の炭素①からなる直鎖状②のポリヒドロキシ③アルデヒドまたはケトン④ ii. 5点 ハース式(Haworth 式) iv. 5 点 H C O H C OH HO C H H C OH H C OH CH2OH iii. 5点 β体 v. 5 点 vi. 5 点 H OH H CH2OH OH O H H H H OH OH C O H C OH HO C H HO C H H C OH CH2OH vi. 異性体関係 5 点 エピマー <裏に続く> 13Seika1-3 問題 2.(続) vii. 5 点 O viii. 5 点 H C HO C H H C OH CH2OH O CH2OH H OH HO C H H HO C H OH OH H CH2OH ix. 8 点 CH2OH CH2OH O OH H OH H OH OH H 問題 3. i. アミロース 5 点 H H H O OH 5点 CH2OH CH2OH O OH セルロース CH2OH H H H H H OH H OH O H H H O H O H OH H OH H CH2OH O H H H O H O H OH H H H OH n H OH H H OH n ii.アミロースはα(1→4)グリコシド結合で形成される直鎖状分子であるのに対し, アミロペクチンは 20∼30 個のグルコース分子ごとにα(1→6)グリコシド結合の枝 分かれが形成されている高分子多糖である。5 点 iii. セルロースはグルコースが高分子の合成単位であるのに対しキチンは N-アセチ ルグルコサミンが構成単位である。分子の結合様式は似ており,ともに直線上の伸び きった分子を形成する。4 点 13Seika1-3
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