ヒトの五感 第2章 視覚 聴覚 本能的なおいしさと文化的なおいしさ 感覚中枢 嗅覚 触覚(末梢感覚) 味覚 舌の構造と味覚の仕組み 味蕾 受容体の種類=味の種類 味細胞 甘味 酸味 塩味 旨味 苦味 拡大 味神経 舌表面 現在、確認されている受容体は5種類 拡大 味蕾 呈味物質が結合できる受容体 が存在 受容体に化学物質が結合するとその 刺激が味神経を通して脳の感覚中枢 に伝わる 味は5種類である 受容体の構造と呈味物質との構造には関連性がある (ただし、詳細は解明されていない) 舌の部位と味覚 味覚以外の味 辛味 味蕾(受容体)の多い部位は存在 →味を強く感じる部位がある 渋味 しびれ感覚である 痛覚である 味蕾(受容体)の種構成はどの部位でも同じ →特定の味だけを強く感じる部位はない 1 唐辛子の辛味 お茶の渋味 徐々に強い刺激をもとめがち..... 食べ物の味がマイルドになる理由 茶のカテキン ほっぺたや舌のタンパク質に結合 しびれて麻痺 痛めつけられて喜んでいる 倒錯の世界 感覚や刺激の伝達が鈍る 甘味 甘味は万人に受け入れられる感覚であり、 習慣性がある(脳内エンドルフィンが分泌される) 本来の甘味物質 糖質に対する感覚 エネルギー物質を見分ける ために重要 CHO HCOH HOCH CH2OH HCOH HOCH HCOH HCOH CH2OH HCOH CH2OH キシリトール ブドウ糖 O NH COOH CH2 受容体と化学構造の 関係は謎である CH2 O S O サッカリン H2N-CH-CONH-CH-COOCH3 アスパルテーム 甘いものが嫌いというのは 甘過ぎるものが嫌いという こと エネルギーにならない人工甘味料 万人受けする献立は甘口である 塩味 塩味を示すのは食塩(塩化ナトリウ ム:NaCl)のみ Na+ Na+(ナトリウムイオン)が塩味受容体に 結合することによって得られる感覚 ナトリウムは血液中の主要陽イオン 不足すれば電解質バランスが崩れて死を迎える 海から離れた動物にとっては確保が難しい物質 したがってナトリウムを感知する必要があった ただし、塩味に習慣性はない 2 人工塩味量は存在しない H+ 酸味 酸味は水素イオンH+によって生じる 米酢:酢酸 柑橘類の酸味:クエン酸 漬け物の酸味:乳酸 など 甘いはずのものが酸っぱいとは何を意味するのか...... ナトリウムを求めて汗を吸うチョウ 腐敗を示す注意信号 開発できれば大ヒット商品だが.... 苦味 旨味 苦い物質に共通の構造はない 苦味の閾値はもっとも低い 苦いものは毒である 食 アミノ酸 ペプチド 日本人が確立したダシの味 英語でも UMAMI 人類共通の旨味はタンパク質の分解物であ るペプチド・アミノ酸による タンパク質の存在を意味する 習慣性を伴う味覚 食べてはいけないものを 見分ける重要な感覚 西洋人には感知できないタイプの旨味がある まとめ 本能的な味覚(おいしさ)とは 甘味(エネルギー)と旨味(タンパク質)を好み、 必要に応じて塩味(ナトリウム)を求め、 酸味(腐敗)に注意し、 苦味(有害成分)を回避することになる 彼らは昆布と鰹のダシの中で 昆布ダシしか感知できない (味の素の味だけを感知している) 日本食ブームであるが 西洋人は本当に味わっているだろうか お子様ランチは 本能的おいしさに溢れている 尖った味、変わった食べ物は飽きられる 定番の食べ物は本能的においしいもの これらの旨味は核酸の分解物 幼児期に体験しないと感知できない 3 文化的なおいしさ 甘くない酒を味わうには 知識と経験が必要 私たちはいつから苦いもの酸っぱいものを 受容したのだろうか 万人が好む匂い 欧米人が嫌がる匂い 日本人が苦手な匂い 私たちは舌と鼻の両方で 味わっている 匂いの受容も幼児期に決まる どんなに臭くても….. シュールストレミング 4 食感(食品の物性)を決める要素 硬さ 壊れやすさ 粘り 料理は目でも楽しみます 付着性 滑らかさ どちらのタラコがおいしそうに見えますか 温度 食パンの好みには東西差がある サクサク、カりカり 基本は6枚切り もちもち、フワフワ お 70 い し い 60 ト ー 言葉を調べることで どのような食感が 好まれているかを 明らかにできる ス ト の 食 感 表 現 で あ る と し た ヒ ト の 割 合 関西では5枚切りが人気 ( % 50 40 30 20 10 ) 0 関東 近畿 関東は薄いトースト 関西は厚めのトースト 図2-3.おいしいトーストの食感表現に関する地域差 関東では8枚切りも好まれる 文化的なおいしさ 文化的なおいしさ チーズの匂い 辛味 本能的なおいしさ 苦味 果物の香り 照り焼きの香り 甘味 旨味 食感渋味 形状 色 脂っこさ 適度な塩味 納豆の匂い 本能的なおいしさ さわやかな酸味 アルコールの刺激 刺激的な酸味 5
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