高分子化学Ⅱ 平常テスト⑧(H26.06.05)標準解答 1 次のポリマー合成

高分子化学Ⅱ
平常テスト⑧(H26.06.05)標準解答
1 次のポリマー合成について、①反応式を(物質収支や必要な触媒、試薬など)正確に示し、②出
来上がりポリマーの IUPAC 英名を示せ。
(1) 1,4-ジクロロベンゼンと硫化ナトリウムの重縮合[①と②]
-φ-を p-フェニレン基とする。
nCl-φ-Cl + nNa2S → −[φ-S]n− + (2n-1)NaCl poly(thio-p-phenylene)
(2) ピロメリット酸二無水物と、ビス(4-アミノフェニル)エーテルを重付加させ、加熱脱水した[①]
-R-を-φ-O-φ-とする。
OC
CO
OC
COOH
Δ
nH2N-R-NH2 + n O
O
HN-φ-NH
OC
CO
HOOC
CO
n
OC
φ-N
OC
CO
N
CO
+ (2n-1)H2O
第一段目は重付加(開環付加反応)
第二段目は分子内環化脱水縮合
n
出来上がりは polyimide
(3) ビスフェノール-A と 2 当量のエピクロルヒドリンを 2 当量の KOH 存在下に反応させて得た
中間物を、ビスフェノール-A と重付加させた[①]
-R-を-φ-C(CH3)2-φ-とする。
2nClCH2CH-CH2 + n HO-R-OH → n ClCH2CH(OH)CH2-O-R-O-CH2CH(OH)CH2Cl
O
−(+2nKOH)→ n CH2-CHCH2-O-R-O-CH2CH-CH2 ―(+n HO-R-OH)→
O +2nKCl+2nH2O
O
―[CH2CH(OH)CH2-O-R-O-CH2CH(OH)CH2-O-R-O]n― ≡ ―[CH2CH(OH)CH2-O-R-O]2n―
2 フェノール/フォルムアルデヒド樹脂について答えよ。
(1) 塩基性下で得られる樹脂の一般英名と典型的な構造式を示せ。末端基、繰り返し単位数など注
意。
OH
OH
And
OH
ゴメン。黒板に resol と書いてしまった
記憶がある。Resole が正しい。
(CH2OH)n m(HOCH2)
(CH2OH)m’
resole
メチロールおよびメチレンの置換位置は、-OH の o-または p-位。nは 2~3,m,m’は 1~2
オリゴマーであるから、n,m,m’の数値範囲特定は必須。(n≒3,m,m’≒2 でもよい)
(2) 酸性下で得られる樹脂の一般英名と典型的な構造式を示せ。末端基、繰り返し単位数など注意。
OH
OH
novolak または novolac
CH2
(CH2OH)m メチロールおよびメチレンの置換位置は、-OH の o-また
は
n
p-位。n=1~8(教科書,しかし 21 くらいまでは可能)、
m=0.1~0.3(m≒0 でも良い)
(3) 酸性下の反応に関して、各成分の双極共鳴式を用いて反応部位を特定し、いずれかの反応部位
を選んでフェノールが2核構造になるまでの反応式を示せ。(裏ページに書きなさい)
OH
+OH
+OH
+OH
−
−
o-または p-位が負となり、+CH2OH(H+が付加した
−
フォルムアルデヒド中間体)の攻撃を受けやすい。
o-位で反応した場合について示す、
+OH
−
+OH
+ +CH2OH
H
CH2OH
HCHO+H+ ⇌ CH2=O+H
OH
PhOH
CH2+
+ H 2O
+OH
−
OH
CH2OH
CH2O+H2
+ H+
OH
H
+OH
OH
CH2
OH
CH2
+ H+