マイナンバーは公平・公正な社会を実現する21世紀型のインフラ

公益社団法人
日本経済研究センター
Japan Center for Economic Research
2015 年 1 月 7 日
マイナンバーは公平・公正な社会を実現する 21 世紀型のインフラ
-準備は来年が勝負、変革は 2016 年から-
日本経済研究センター
研究本部
2014 年 12 月 15 日(月)に第 3 回会合を開き、ICT を活用したビジネスインフラを
どう作っていくのか議論した。例えば、2016 年 1 月にスタートするマイナンバー制度
は、従来の様々なしがらみを解消し、公平・公正を実現する重要な 21 世紀型社会イン
フラだが、企業実務面への影響を含め著しく認知度が低い。順調にその本来のインパ
クトを発揮させるためには来年1年が勝負だ。議論の要旨は下記の通り。
1. 80 年代のグリーンカード構想はプライバシーへの懸念から挫折したが、「消えた年
金」などの問題が、旧態然とした行政システムを変革する機運となった。マイナン
バー制度は、個人レベルで生涯の負担と受益を統合して議論を行うことを可能とし、
公平・公正を実現する重要な 21 世紀型の社会インフラ。中途半端は失敗に繋がる。
徹底的にやるべきだ。
2. マイナンバーとレセプトデータを組み合わせて分析すれば、社会保障を効率的・抑
制的に運用することが可能となる。また、制度導入を成功させることができれば、
民間の利活用も検討できるはずだ。政府は周知広報を企業に丸投げせず、着実に準
備すべきだ。政府の構想どおり、個人番号カードに健康保険機能を集約すれば、2020
年頃には全国民の 2/3 が個人番号カードを保有するだろう。全員が持てば社会が変
わる。そしてその意図は十分に感じられる。
3. 例えば、自治体の仕事はスリム化され、手続処理から相談へと大きく変化するだろ
う。人口減によってレガシーな仕組は早く畳むことが必要であり、制度の定着と地
方消滅のどちらが早いかは時間との競争になる。安全安心の分野も変わる。リコー
ル対象の顧客の特定も容易になる。取引番号とともに、金融システムへ取り込まれ
れば、ファクタリングが活性化するだろう。
4. ICT は地方創生の文脈でも重要なビジネスインフラ。グローバル企業のバックオフ
ィスやオペレーションなどは ICT を活用して中国にアウトソースしたが、今やコス
ト高。こうした非製造分野の業務を地方に引き戻すことも可能だ。地方の注意各都
市において、通勤時間 20~30 分で、職住近接 4 人家族共働きで収入 600 万円とい
った生活環境を実現すべきだ。
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日本経済研究センター
情報通信技術が変える経済社会研究会
情報通信技術が変える経済社会研究会
座長
メンバー
岩田
一政
公益社団法人日本経済研究センター理事長
浅見
徹
東京大学大学院情報理工学系研究科教授
奥和田久美
科学技術振興機構シニアフェロー
実積
寿也
九州大学経済学研究院教授
篠崎
彰彦
九州大学経済学研究院教授
有識者
経済団体
日本経済団体連合会
エレクトロニクス、自動車関連、IT、小売、流通など会員
企業等 10 社
企業
オブザーバー
アドバイザー
NHK、総務省
鈴木達治郎
日本経済研究センター特任研究員/長崎大学
教授
高地
圭輔
日本経済研究センター主任研究員
小林
辰男
事務局
同
上
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