フルディジタル無線＆変復調実験室

連載
高速 A−D/FPGA/DSP/DDS 搭載基板を
動かしながらしくみを学ぶ
フルディジタル無線＆
変復調実験室
三角関数や対数の計算が得意なCORDICアルゴリズム
西村芳一
1
K
Y
≒0.60725
0
0.65
（初期値）
cos0.65
≒0.79608
sin0.65
≒0.60518
x
y
z
Yoshikazu Nishimura
z 角度，−
π
π
≦z ≦
に対して，sin z とcos z を計算
2
2
1
0
p1
pn ＝（0.79608，
i ：ループ・
0.60518）
カウンタ
CORDIC
1回目で求まる近似値
X
cos z
0
Y
sin z
z
Z
0
K
m ＝1，z →0
半径1の円
定数
sin/cos計算
p3
yes
p2
x ＝1/K
y ＝0
i ＝0
K ＝1.6467602
no
z ≧0
u ＝ x − y 2− i
y ＝ y ＋ x 2− i
z ＝ z −tan−12−i
u ＝ x ＋ y 2− i
y ＝ y − x 2− i
z ＝ z ＋tan−12−i
x ＝u
x ＝u
2回目で求まる
近似値
0
x
θn ＝ z 0＝0.65
z
yes
z は角度誤差
z 0＝0.65
z2
i ＝ i ＋1
p 0＝（0.60725，0）
i＜n
no
回数を増やすほど誤差が減る
z3
0
zn ＝0
n ビットまで処理
cos z＝x
sin z＝y
回数 i
z1
終わり
（a）sin/cosの解を求めていくようす
（b）計算フロー
図 1 sin/cos を計算する CORDIC のアルゴリズム
● 無線の信号処理にピッタリな計算アルゴリズム
「CORDIC」
フルディジタル無線機では，次の四つの信号処理を
実行する際に関数を利用して計算を実行します．
（1）ミキシング：sin と cos
（2）FFT：sin と cos
190
（3）局座標変換：tan − 1 と平方根
（4）信号強度測定：対数
（5）AGC
（Auto Gain Control）
：対数と指数
なかでも三角関数や対数の計算を多用します．今回
紹介するのは，これらの計算にピッタリな計算アルゴ
リズム「CORDIC
（COrdinate Rotation DIgital Computer）
2015 年 2 月号

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