演習 12

代数学基礎演習 XII
1. Z/2Z × Z/2Z の部分群をすべて書きあげよ。
2. アーベル群の同型写像 φ : Z/3752130Z → Z/1086Z × Z/3455Z;
x mod 3752130 7→ (x mod 1086, x mod 3455)
の逆写像 φ−1 を考える。φ−1 ((1, 0)) および φ−1 ((0, 1)) をそれぞれ具体的に求めよ。
3. (i) 位数 24 のアーベル群で互いに同型でないものは全部で何個存在するか。また位数 24
のアーベル群を同型を除いてすべて分類せよ。
(ii) 位数 72 のアーベル群で互いに同型でないものは全部で何個存在するか。
4. 次にあげる Z3 の部分群の基底をそれぞれ求めよ。
(i) (1, 0, −1), (2, −3, 1), (0, 3, 1), (3, 1, 5) で生成される部分群。
(ii) x + 2y + 3z = 0, x + 4y + 9z = 0 を満たす解 (x, y, z) たちがなす部分群。
5. アーベル群 A = ⟨x, y, z⟩ の生成元 x, y, z がつぎの関係式を満たすとき A を巡回群の直
積にあらわせ。
(i) 3x + 2y + 8z = 0, 2x + 4z = 0
(ii) 2x + y = 0, x − y + 3z = 0
(iii) x + y = 0, 2x = 0, 4x + 2z = 0, 4x + 2y + 2z = 0
(iv) 7x + 5y + 2z = 0, 3x + 3y = 0, 13x + 11y + 2z = 0




1
1 −1
0 −1 0




6. 行列 A = −1 −1 −1 と B =  1
1 1 に対してそれぞれ Z3 の部分群
1
3
1
−1 −1 3
Z3 A = {(x, y, z)A | x, y, z ∈ Z} と Z3 B を考える。Z3 /(Z3 A) と Z3 /(Z3 B) は互いに同型で
あるかないか,理由も込めて判定せよ。
7. 次の行列の単因子を求めよ:


−1 2
−6
3


−6
4
−2 2
1 −2 −12 −3
————————————————————————————
⟨ 有限アーベル群の指標群 ⟩
群 G から C1 = { 絶対値 1 の複素数全体 } (乗法群) への群準同型写像
χ : G → C1
を G の指標という。
1
8. χ : G → C1 を指標とする。x, y ∈ G が互いに共役ならば χ(x) = χ(y) であることを示せ。
b = {G の指標全体 } は χ, χ′ ∈ G
b の積 χχ′ を χχ′ (x) := χ(x)χ′ (x) (x ∈ G) で定めて群
9. G
b の単位元,また χ ∈ G
b の逆元はなにか。G
b を G の指標群とよぶ。
となることを示せ。G
b も n 次巡回群と同型であることを示せ。
10. G が n 次巡回群ならば指標群 G
∼ b
bb
b をつくれ (Hint:G
b の指標
11. 有限アーベル群 G に対して自然な群同型写像 G → G
はG
bb
群。準同型 G → G を自然につくり全単射を示す。有限アーベル群の構造定理により巡回群
の場合に帰着)。
b に対して
12. G を有限アーベル群とする。部分群 H < G および Y < G
b | χ(h) = 1, ∀h ∈ H}
H ⊥ := {χ ∈ G
Y ⊥ := {x ∈ G | η(x) = 1, ∀η ∈ Y }
b また Y ⊥ < G であることを示せ。
と定めると,H ⊥ < G
b に対して (H ⊥ )⊥ = H,
13. (i) G を有限アーベル群とする。部分群 H < G および Y < G
(Y ⊥ )⊥ = Y を示せ。
b の部分群全体 } との間には H 7→ H ⊥ および Y 7→ Y ⊥ によっ
(ii) {G の部分群全体 } と {G
て包含関係を逆にする 1 対 1 対応がつくれることを示せ。
c2 → G
c1
14. アーベル群の間の群準同型 φ : G1 → G2 に対して指標群の間の群準同型 φ∗ : G
を自然につくれ。
15. G を有限アーベル群,H < G とするとき自然な同型
∼ b
b ⊥→
G/H
H,
∼
[ →
G/H
H⊥
b→H
b (定義域の制限) の全射性を示し(位
をつくれ (Hint: H → G に対応する群準同型 G
[ →G
b の単射性を示し,さ
数の勘定),さらに kernel を調べよ。G → G/H に対応する G/H
らに image を調べよ)。
16. 6 次巡回群 G = ⟨a | a6 = e⟩ の部分群 H = {e}, ⟨a3 ⟩, ⟨a2 ⟩, G のそれぞれに対して
b = ⟨χ | χ6 = χ0 ⟩ を求めよ (χ0 は自明指標, χ0 : G → {1} < C1 )。
H⊥ < G
b をその指標群とする。このとき等式
17. G を有限アーベル群,G


#G
#G
∑
∑
χ = χ0 のとき
χ(x) =
,
χ(x) =
 0
 0
χ ̸= χ0 のとき
b
χ∈G
x∈G
を示せ。
2
x = e のとき
x ̸= e のとき