フ ァー ジが泡沫化 す るか しな いか評価 す るための 実験系 を作製 した。具体的 には,次 の 1)∼4)の 生物 分析化学 的 な手法 を組 み合わせ ,泡 沫化 の評価法 を開発 した :1)超 遠 心 分離 法 に よ る リポ タン パ クの調 製 と物性 分析 ,2)マ ク ロ フ ァー ジ初 代培 養 を用 い た細胞調製 ,3)蛍 光 分析 とイメー ジン グに よる コ レ ステ ロー ルエス テ ル蓄積 の分析 ,4)binding assayに よる リガ ン ドー受 容 体相 互 作用 の解 析 。 本 実験 系 を用 い る こ とに よ っ て,あ らゆ る リポ タンパ クに つい てその泡沫化能 の評価 が可能 であ った。 具体例 として ,ア ポ タン パ ク E遺 伝 子破 壊 マ ウ ス の超 低比重 リポ タン パ ク (VLDL)と 中 間比 重 リポ タン パ ク い な い。 清 水幸 樹 氏 (三協 化学 )の 「イオ ン ク ロマ トグ ラ フ (IC)と MSの 複 合化― 接続 のポ イン トと測定例 ― 」 は,陽 イ オ ン ・陰 イオ ン の 分 離 分 析 手 段 で あ る イオ ン ク ロマ トグ ラ フ ィー と定 性 能 の高 い MSを 組 み合 わせ た ユ ニ ー クな 研 究 で あ った。 この方法 に よれば,前 処理 ・後処理 をほ とん ど行 わず に イオンの定性 ・定量 が可能 とな る。 水道 水や河川水の臭素酸 の詳細 な分析 pllが 紹介 されたが,今 後 の発 展 が期待 され る分野 で あ る 。 古 野 正 浩 氏 (ジ ー エ ル サ イ エ ン ス )か らは 「LC/ (LC)/MSの た めのモ ノ リス カ ラ ム /モ ノ リス 合成技 術 を用 い た イン ター フ ェイスの 開発 と応用」 として,モ ノ リスの特徴 を 今 までに知 られて い な い経路 で細胞 内 に取 り込 まれ,泡 沫化 を 活 か した キ ャピラ リー カ ラムや ESI用 ス プ レー の開 発 とそ の 特徴 ・可能性 が紹介 された。 当懇談会 で も関連技術 は何度 か紹 引 き起 こす こ とを 明 らか とした。 マ ウスで見 つ か った この経路 介 されて い るが,そ のたび に性能 向上 ・多様化 し続 けて い る技 は,ヒ トで もその存在 が示 唆 され,現 在 さ らに多 くの研 究 へ と 術分野であ る。 (IDL)の 泡沫化能 に注 目した 。結果 ,apoEko― VLDL/1DLは 展開 されて い る。 後 半 で は,最 先端 の LC一MS装 置 の紹 介 が 行 わ れ た 。 定 性 さ らに,動 脈硬化 には,転 写 因子 を介 して コ レス テ ロー ル 代 謝 と脂肪酸代謝 の調節 にかかわ る コレステ ロー ル の酸化誘導体 (酸化 ステ ロー ル )の 役 害Jも重要 であ る。酸 化 ステ ロー ル は数 用 LC一MSで は,猪 鼻 祐 介氏 (島津製 作所 )が 「QITと TOF の結 合 ∼ 高 精 度 LCMS一 IT一TOFに つ い て 」,松 下 美 由紀 氏 (日立 ハ イテ ク ノ ロ ジ ー ズ )が 「超 低 流 量 (50 nL/min∼) ステムの タン パ ク質解析 へ の応用 」 と題 し,そ れ ぞ れの最新装置 が紹介 された。前者 は,高 プ リカー サ ー分解能 を 十種の分子が知 られてお り,分 子 ご とに異 な る生 物活性 を有 し て い るが,生 体 内の微量の酸化 ステ ロー ル 分子 の生理 機能 を明 LC/MSシ らかにす るには ,超 高感度 な分離定量法 の開発 が必 要 と考 え, 電気化学検 出 HPLCを 用 い た酸 化 ス テ ロー ル 類 の 高感度 分 析 有 す る イオ ン トラ ップ型 MSと ,高 質 量 精 度 と高分 解 能 を特 徴 とす る TOF tt MSを 組 み 合 わ せ た 高 精 度 ・高 分 解 能 LC― 法 も開発 した。 MSで あ り,そ の特徴 が新規 開発技術やア プ リケ ー シ ョン に よ 以上 の ように,袴 田秀樹君 は,薬 学医学領域 に非常 に求め ら り紹 介 された。後 者 は,リ エ ア トラ ップ型 MSと TOFtt MS れて い る知見を的確 に引 き出す力量 を もつ分析化学研究者 とし を組 み合 わせ た もの であ るが ,10方 バ ル ブ に よる逐 次溶離 液 て,ま す ます 今後 の活躍 が期待 で きる。 切替 システム に よる再現性 の 高 い ナ ノ LCグ ラジ エ ン ト送液 に 〔東京薬科大学薬学部 楠 文 代〕 ◆ も特徴 が あ る。定量 に関 しては,大 関 由利子氏 (アプ ライ ドバ イ オ シ ス テ ム ジ ャパ ン )か ら,「 ハ イ ス ピ ー ドで 高 感 度 な HPLC一 MS/MS分 第 1 8 4 回液体 クロマ トグラフィー研究懇談会 析」 とい うタイ トル で ,ダ ブル ヒ ー テ ィン グ とデ ー ダポ イン ト細 分化 に よ り,高 流速 (2 mL/min)で も 定量 が可能 な LC一MSシ ステム の紹 介があ った 。 ウハ ウ と新 技 術 」 最 後 に,本 研 究 懇談 会 の 中村 洋 委 員長 (東理 大 薬 )か ら を講演主題 として ,4月 26日 (火)に 東京理 科大学薬 学部 14 号館 におい て 開催 された。本例会 は,様 々な分野 で活躍 され る LC一MSユ ー ザ ー ・メー カー に,そ の ノウハ ウや最新技術 を紹 「総 括 :LC一MSに 求 め られ る もの」 と題 す る講 演 が あ った 。 LCの 長所 ・短所 ,MSの 長 所 ・短所 を簡潔 にま とめて い ただ き,そ れ ぞれ へ の期 待 が 述 べ られ た 。特 に MSの 高分 解 能 ・ 介 い ただ き,有 益 な技術 ち情報 を共有化す る こ とを 目的 として 高感度化 にむけた課 題 に関 す るデ ィスカ ッシ ョンで会場 は盛 り 企画 された。参加者 は 72名 であ り,盛 会 であ った。 オー ガナ イザ ー (報告者 )か らの主題 概説 に引 き続 き,山 田 尚之氏 (味の素 )よ り 「プ ロ テオ ー ム 解 析用 LC一MS構 築 の 上 が った。講演 会終 了後 ,講 師 を囲んだ 懇親会 は,多 くの方 々 標記研 究懇談会 の例会 が ,「LC一MS:ノ に参加 を い ただ き,本 会 は盛 況 の うち に終 了 した。 ための要点」 と題 して,プ ロテオ ー ム 研究 の立場 か ら LC一MS なお,当 日は,関 東化学働,シ グマ アル ドリッチジ ャパ ン働, 働 日立 ハ イテ ク ノロ ジー ズ ,横 河 アナ リテ ィカル シ ステムズ働 のポ イン トや課題 ・要点 に つい て解説 が あ った。 二 次元電気泳 (五十音 順 )に カ タ ロ グ展示 で ご協 力を い ただ い た 。記 して感 動 に よる古典的 プ ロ フ ァ イ リング解析 にお い ては ,高 感度 ,ス ル ー プ ッ ト,堅 牢 性 が LC一MSに 求 め られ るが ,安 定 同位 体 謝 い た します。 を用 い た包括 的相対定量的 プ ロテオ ー ムでは ,高 感度 よ りむ し ろ高分 離能 が要 求 され る との こ と。 演 者 は ,さ らに,最 新 の ︰ . 一 ︸モ 革 震 だ L 毛 モ トップダウンプ ロ テオ ミクスにおけ る LCの 役割 に も言 及 し, 示唆 に富 んだ講演 であ った。木下幸 之助 氏 (グラクソ ・ス ミス 〔味の素働 ラ イフサ イエ ンス研究所 宮 野 博 〕 ◆ 第 327回 高分子分析研究懇談会 「薬 物 動態 ・探 索 におけ る LC一MS前 処 理 」 と 2 0 0 5 年 度総 会 と標 記 例会 が 5 月 1 2 日 ( 木) , 簡 易保 険 会館 題 して,医 薬 品開発 でたびたび 直面 す る問題 ,前 処理 (徐タン 「ゆ うぽ う と」 で開催 され, 6 0 名 以上 の参加者 が あ った。 総 会 で は , 後 藤 幸 孝 委 員 長 ( ダ イヤ 分 析 セ ン タ ー ) か ら クラ イン)は パ ク,固 相抽 出ヵ液液抽 出,直 接 注 入 法),分 析 カ ラム と移 動 相 ,キ ャ リー オー バ ー ,容 器 な どに つい て,分 か りやす い事例 2 0 0 5 年 度活動 計画, 高 分子分析 ハ ン ドブ ック改訂版 ( 2 0 0 6 年 とともに解説 された。参 加者 に極 めて 有用 な情報 であ った に違 発 行 ) の 編 集 状 況 , 第 1 0 回 高分 子分 析討論 会 ( 1 1 月 2 7 ・2 8 ぶんせ き 2005 日,工 学 院大 学 )で 第 9回 までの議 演要 旨集 を CD― ROM化 して討論会参加者 に配 布 す る こ とな どが報告 ・提案 され,承 認 され た。 例 会 で は ,講 演 2題 とワ ー クシ ョップ 2題 ,計 4件 の発 表 と活 発 な質疑応答 が行 われた。 ◆ 分析化学用語 ( 基礎部門) 」の改正 JIS K 0211「 版の発行 講演 の 1件 目は,昨 年 11月 の第 9回 高分子 分析討論 会 で参 加者 の注 目を集 めた,小 池 亮 氏 (花王 )の 「コロ イ ドプ ロー 会 が 改 正 原 案 作 成 に 取 り組 ん だ JIS K 0211「 分 析 化 学 用 語 ブ原子 間力顕微鏡 に よる表面 力預J定」 と題 した講演 であ った。 (基礎部 門)」の改 正版 が 本年 5月 20日 に発行 され た 。 この規 は じめ に,表 面 力の概説 ,従 来 の淑」 定法 と問 題 点 に つい て説 明 格 は 1983年 に制定 された 後 ,1987年 に改正 された。 その 後 , があ った。 次 に,AFM探 1997年 に確 認 が 行 われた が ,委 員会 の設 置 に よる改 正 原 案 作 岡 日本規格協 会 の平成 14年 度委 託事業 として 日本分析化学 針部 に真球粒 子 を取 り付 け,真 球粒 子 と基板表面 の相互 作用 を渡」 定 す る コロ イ ドプ ロー ブ原子間 力 成 がなか った ものであ る。 この 間,国 内的 に も国際的 に も分析 顕微鏡 に よる界面活性剤 の荷電状 態 と吸着状態 の解析 ,セ メン 化学 用語 をめ ぐる環境 の変化 は大 きい ものがあ った。特 に 国際 トの高分子分散剤 の分子構造 と作用 機構解析 へ の応用711が 紹介 標準 であ る ISOと の整 合化 は必 須 の こ ととして,JISの 変身 と された。 この方法 は,簡 便 か つ迅速 に表面 力 を淑」 定 す る こ とが も言 うべ き事態 も生 じた 。 SI単 位 の適用 の徹底 化 ,IS0 9000 や 14000の 認 証 , ト レー サ ビ リテ ィー 体 系 の構 築 ,等 々国 内 で き,界 面 で生 じる複 雑 な現象の解 明 が期待 され る。 ワ ー クシ ョップ 1件 目は,高 橋 則 子 氏 (東洋紡 )の 「IR分 析法 に よるフ ィルム薄 コー ト層 の分析」 の発表 であ った。 ポ リ の対応 は枚挙 に い とまがな い。 そ こで ,当 学 会 内 に 3名 の先 生 方 を 中心 とした準 備委 員 会 エス テル フ ィルムの 易接着性 や帯電防止 のための コー ト層 に つ を設 け ,改 正 の骨 子 を 1年 間 かけ て 検 討 した 後 ,改 正 原案 作 に よる差 スペ ク トル,物 理 的 に剣 ざ取 って顕 微 IR測 定 す る方 法 を駆使 す る こ とに よって約 10 nmの コー ト層 成委 員会 にお い て,本 格 的 に 1年 間 ,延 べ 16回 にわた る審議 まで検 出 した711が 紹 介 され た。 ー ワ クシ ョップ 2件 目は ,長 田文 美 氏 (東芝 ナ ノア ナ リシ ス )の 「オン ラ イン濃 縮 HPLCに よるビス フ ェノー ル Aの 簡 0215「 分析化学 用語 (分析機器部 門)」の改正作業 が 日本 分析 易分析」 で あ った。 イン ジ ェクター の ル ー プ部 に濃縮 カラムを 接 続 し,通 常 の サ ン プ ル と 入 操 作 で 1000倍 濃 縮 を可 能 に し 検 討 にあた って は,従 来 ,用 語 を 8分 野 に分 けて いた が,9 番 目として 「新分野」 と仮題 を して,九 つ のグル ー プに分 け, た 。 また ,蛍 光検 出器 の検 出波長 に長 波長 光 を用 い る こ とに ワー キン ググル ー プを設 けて作業 を進 めた。 グル ー プ間での用 よって,選 択性 を向上 させた。 この方法 を,プ ラ スチ ックか ら 語 の出入 りを含めて,取 捨選択 ,定 義 に関す る議論 を経 て ,最 の溶 出試 験 液 の分 析 に適 用 し,0.3 pptのビス フ ェノー ル Aを 終 的 には用 語 の分 類 を,1)一 いて ,ATR法 検 出す る こ とがで きた。 最後 の講演 は,高 野敦志 氏 (名古屋大学)に よる 「環状高分 子 お よび ブ ロ ック共重 合体 の HPLCに よる精 密 分 析 」 で あ っ た 。環状 高分子 は末 端 を持 たな い特殊 な高分子 であ り,高 分子 を行 った 。特 に,1年 先行 して,関 連 のあ る規格 で あ る 」IS K 機器 工 業会 内で行 われた ため,本 委 員会 では,」IS K 0215原 案作成委員会 か らの協 力を い ただけ る態勢 を作 った。 ン プ リン グ,3) 分 析方 法 (試料 量 ,用 途 ,原 理 ,滴 定 ),4)現 象 ・特 性 (反 般 共 通 ,2)サ 応 ,現 象 ,特 性 ),5)試 薬 (標準物 質 ,指 示薬 ,一 般試 薬), 6)装 置 ・器 具 ,7)操 作 ,8)測 定 の信頼 性 ,9)ノ ミイオ テ ク ノ ロジ ー 及 びその他 に分 けた。 なお,括 孤 内はそれぞれ を更 に 物性 に つい ての 有用な モ デ ル 高分子 として考 え られ るが,そ の 定 は行 われて い な い。 相互作用 ク ロマ トグ ラフ ィー で溶 純度 淑」 細分化 した 内容 であ る。 媒組成 ,温 度 な ど適切 な条件 を選択 す る と分子量 で 分離 しな い a)こ の規格 と他 の分析化学 用語規格 との区分領域 :基 礎 用語 臨 界 吸 着 条 件 が あ り,臨 界 吸着 条件 を利 用 した 1lquid chro々 審議 中に問題 とな った事項 とその処理 は,以 下の ようであ る。 であれば重複 はやむ を得 な い とした 。 matography at the chromatographic critical condition(LCCC) b)改 正 JIS K 0215「 分 析化学用語 (分析機器部 門)」 との整 に よって,ブ ロ ック ・グラフ ト共重 合体 ,末 端構造 の異 な る高 合 :整 合 を図 った。 分子の分離 な どに利 用 されて い る。 LCCC適 用例 として,環 状 ポ リスチ レン ァ ポ リスチ レン ーポ リ(2-ビニ ル ピ リジン)ブ ロ ッ c)SI単 位 の尊重 :ISOの 翻訳 規格 JIS Z 8202-0に 対 す る整 ク共重合体 のキ ャラ クタ リゼ ー シ ョン例 が紹 介 され た。後者 の d)計 量法の尊 重 :改 正計量法 を反 映 させた。 e)ミ ク ロ ス ケ ー ル 分析法 の用語 の採択 :採 択 す る こ とを検討 臨 界 吸 着 条件 の探 索 には 3年 か か った な ど,条 件 検 討 が 容 易 で は な い こ とが 印象 的 であ った 。 高 分 子 合成 技 術 の進 歩 に伴 い ,星 型 ポ リマ ー ,環 状 ポ リマ ー が 絡 み合 った カ テナ ン な ど 様 々な ポ リマ ー が 合成 され て お り,HPLCに 速 なキ ャラクタ リゼ ー シ ョンが期待 され る。 よる厳 密 か つ 迅 例会終 了後 には寺 町信哉氏 (工学 院大学)の 乾 杯 で懇親 会 が 始 ま り,講 師 を囲 んで例会で時 間の足 りなか った議論 の続 きを した り,会 員相 互 の情報交換 を行 った り,和 や かな雰 囲気 で親 陸 を深 め るこ とがで きた。 〔豊 田合成株式会社 渡 辺健市〕 合 を 図 った。 したが,数 も多 くはな く,機 が熟 した とは言 えな い と半J断さ れた。 見直 しは,多 くの規格 ,参 考文献 を参照 し,多 角的 な議論 を 基 に行 われ た 。 以下 に,1)∼ 9)の 分野 ご とに主 な改正 点 を列 挙 す る。 1)一 般 共 通 :“加 成性 ",“ 語 を旧規格 か ら削除 した。 ぶんせ き 2005 7 ",“ ル な ど使 わ れ ",“ サロ なが ら定義 され て こなか った もの,“毒性等 (当)量 ",“ ",“ マ トリックス MSDS"な ど,最 近 出現 した もの ゲー ト ",“ ",“ ル 測定方法 確認 な ど 8 な ど 30語 を追 加 し,“温度補正 分析種 含 有率
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