30SamlOS ダイオ キシン母体曝露 が ラ ッ ト胎 児の副 腎ステ ロイ ド合成 系 に及 ぼす影響 と性差 友紀子 1,武 田 知起 1,藤井 美彩紀 1,田浦 順樹 1,石井 祐次 1, 山田 英之 l 九大院薬 ) ○服部 1 ( 【目的】当教室では、2, 3, 7, 8 t e t r a c hl o r odi be nz opdi o xi n( TCDD)母体曝露 によ り雄 児精巣 において s t e r oi doge ni ca c ut e r e g ul a t o r ypr o t e i n( St AR)や c yt oc h r omeP45 01 7 ( CYP1 7 )等 の性 ステ ロイ ド合成 系タンパ ク質の発現が周産期特異的に低下 し、性 行動障害等の性未成熟 を惹起す ることを実証 している。一方、雌児卵巣では S t AR 等の変化 は観察 されず、TCDD が児のステ ロイ ド合成系に及 ぼす影響 に性差が存 在す ることも明 らかになってい る。 しか し、 この性差の機構や意義 は全 く不明で ある。本研究では、生殖腺以外の主要なステ ロイ ド産生組織である副腎に注 目し、 TCDD 母体曝露 による胎児副腎ステ ロイ ド合成系-の影響 な らび に性差の有無 を 検討 した。 【 方法】妊娠 1 5 日目 ( GD1 5 )の Wi s t a rラッ トに 1い ′ g / kgTCDD を経 口投与 し、 GD1 6-20 の胎児 よ り臓器 と血液 を採取 した。mRNA 発現量は r e a トt i me RTPCR 法、血清ホルモ ン濃度 は EI A 法 を用いて解析 した。【 結果 ・ 考察 】 TCDD 母 l Bl 体曝露 によ り、雄児副腎において糖質 ・鉱質 コルチ コイ ド合成 に必須の CYPl の発現が有意 に増加 し、S t AR 等の他 の合成系タンパ ク質 も増加傾 向が観察 された。 一方、雌児副腎では、いずれの発現 も変動 は認 め られなかった。これ らの結果 は、 周産期児 の生殖腺 に対す る影響 の性差 と合致 し、TCDD による胎児副腎ステ ロイ ド合成系-の影響 も、雄 に特異的であることが明 らかになった。雄児副腎にお け る誘導機構 を解析す るため、副 腎ステ ロイ ド合成 の上位制御 因子である脳 下垂体 の副腎皮質刺激 ホルモ ン ( ACTH)の発現お よび血 中濃度 を解析 したが、TCDD に l Bl等の誘導は上位制御 因子の変動では説 明できない よる変化 は見 られず、CYPl ことが示唆 された。以上の よ うに、TCDD の妊娠期曝露 は、周産期 の雄児特異的 に生殖腺 のみな らず副腎ステ ロイ ド合成系を撹乱 しうる可能性 が見出 された。
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