Matsumoto Dental University Graduate School of

Matsumoto Dental University
Graduate School of Oral Medicine
1780 Gobara, Hirooka, Shiojiri,
Nagano 399-0781, Japan
第 319 回松本歯科大学大学院セミナー
回松本歯科大学大学院 セミナー
日 時: 201
20 1 5 年 4 月 2 4 日 ( 金 )
17 時 00 分 ~18 時 00 分
場 所: 実習館 2 階 総合歯科医学研究所セミナールーム
総合歯科医学研究所 セミナールーム
演 者: 村上 伸也 氏 ( 大阪大学大学院歯学研究科歯周病分子病態学 ・
教授)
教授 )
タイトル:
タイトル: 歯周組織再生療法の
歯周組織再生療法 の 近未来
歯 周 病 の 発 症 ・ 進 行 の 抑 制 は 細菌 バイオフィルムを
バイオフィルム を 適 切 に 除 去 することにより達
することにより 達 成 される
それだけでは歯
により失
われた歯
りに再
させることはできない
できない。
が 、 それだけでは
歯 周 病 により
失 われた
歯 周 組 織 を 元 通 りに
再 生 させることは
できない
。近
年 、 歯根膜 中 に 、 いわゆる「
いわゆる 「 歯周組織幹細胞 」 が 存在 することが
する ことが明
ことが 明 らかになり
らか になり、
になり 、 この幹細胞
この 幹細胞 を
することにより、
われた歯
することが臨
至 適 に 活 性 化 することにより
、 失 われた
歯 周 組 織 の 再 生 を 誘 導 することが
臨 床 的に可 能 で
あることが明
あることが 明 らかとなった。
らかとなった 。 そして現在
そして 現在 、 ヒト型
ヒト 型 リコンビナントサイトカイン
リコンビナント サイトカインを
サイトカイン を 局所応用 することで
ろうとする試
みが、
として注目
されている
歯周組 織 の 再生 を 図 ろうとする
試 みが
、 次 世代 の 歯周 組織 再生 療法 として
注目 されてい
る。
我 々 の 研 究 室 では、
では 、 強 力 な 血 管 新 生 作 用 と 間 葉 系 細 胞 の 増 殖 誘 導 能 を 有 する塩
する 塩 基 性 線
維芽 細 胞増 殖因 子 (FGF(FGF - 2)を
2) を 歯周 外科 時 に 歯周 組 織 欠 損部 に 局 所投 与 することにより同
することにより 同
組織の
組織 の 再生を
再生 を 誘導・
誘導 ・ 促進しようと
促進 しようとする
しようと する、
する 、 新規 歯周組織再生療法の
歯周組織再生療法 の 開発に
開発 に 取 り 組 んできた
んでき た 。
2001年
よりFGF
FGFびに安
とした第
II相
2001
年 より
FGF
- 2 の 歯 周 組 織 再 生 誘 導 効 果 並 びに
安 全 性 の 検 討 を 目 的 とした
第 II
相臨
床 治 験 ( 探 索 的 試 験 、 用 量 反 応 試 験 ) 、 第 III相
III 相 臨 床 治 験 ( 検 証 的 試 験 ) が 順 次 展 開 され
その結
FGFハイドロキシプロピルセルロース製
た 。 その
結 果 、 0.3% FGF
- 2 含 有 ハイドロキシプロピルセルロース
製 剤 の局 所 投 与 が、9ヶ 月
後 に 有意 な 歯槽骨新生 を 誘導 す ることが確認
ることが 確認 された。
された 。 そして、
そして 、 同治験期間中 には安全性上
には 安全性上
になるような事例
められなかった
れなかった。
また、
本探索的第II
II相臨床治験施行後
問題 になるような
事例 は 認 めら
れなかった
。 また
、 本探索的第
II
相臨床治験施行後 、 約 8 年
間 の 後 ろ 向 き 観察研究を
観察研究 を 行 った結果
った結果 、 0.3% FGFFGF- 2 投与が
投与 が 通常 の フラップ手術単独
フラップ 手術単独と
比較 し
手術単独 と 比較し
再治療等の
イベント発生
までの期間
期間を
て 再治療等
の イベント
発生 までの
期間
を 延長 させることが示
させることが 示 された。
された 。
さらに我
さらに 我 々 の 研究室 では、
では 、 脂肪組 織 から採取
から 採取 された間葉
された 間葉 系幹 細 胞 を 歯周組 織欠 損部 へ
することによる歯
についても検
っている。
そして将
移植 することによる
歯 周組 織 再 生誘 導 の 可 能性 についても
検 討 を 行 っている
。 そして
将来
的 には 、 このような サイトカイン 療 法 と 細 胞 移 植 療 法 を 融 合 させた Periodontal Tissue
期待している
している。
Engineering の 確立 を 期待
している
。
今 回 の 講演 では、
では 、 歯 周 組織 再 生 を 目 指 したサイトカイン
した サイトカイン療法
サイトカイン 療法 ・ 細 胞 移植 療 法 の 現 状 と 近
未来を
未来 を 、 先生方 と 共 に 俯瞰したい
俯瞰 したいと
えている。
したい と 考 えている。
担当:
担当 : 健康増進口腔科学 講座
吉成 伸夫