肥満研究2013

「肥満研究」Vol。 19 No。 3 2013<第 34回 日本肥満学会学術総会記録 >
:::墨 :::」
墓
二盤彗
:量 藝
盤 :菫醐墨
鐵祓⑮財さ
彗
:醐驚 欄 聯 柵 1111111
栄養素 とエネルギー代謝
Nutrients and Their E」 圧ects on]Energy Metabolism
座 長〉
〈
河田 照雄 (京 都大学),植 木浩二郎 (東 京大学)
発表・討論者〉
〈
高橋
信之 (京 都大学),岡 松
岡本
士毅
優子 (北 海道大学),
(自 然科学研究機構 生理学研究所
),益 崎 裕章 (琉 球大学),山 田
悟
(北 里大学)
近年 ,肥 満 の形成 には 白色脂肪細胞
へ の エネルギー蓄積 とUCP-1を 介 す る
③馴 PKに よる食物嗜好性 の調節機構
て,低 炭水化物食 が脂 質摂取量 が増加
:岡 本士毅),④ 玄米有
す るにもかかわ らず ,脂 肪制限 による
褐色脂肪細胞様 の エネルギー燃焼 のバ
効成分 による食事嗜好性 の調節機構 と
総 カロリーの抑制 に比 して,体 重減少
ランスが大 きく関係 してい ることが 明
医療応用 (琉 球大学 :益 崎裕章 ),⑤
糖質制限・ カロリー制限による肥満治
や血糖 上昇抑制効果 に優 れてお り,実
療法 として効果 を上 げてい ることが報
助長あ るい は抑制す ること,摂 取 エネ
療 の有効性 と問題点 (北 里大学 :山 田
悟),に ついて最新 の研究成果が発表
ルギーが 同 じであつて も栄養素の違 い
討論 された
らか となって きた.ま た,特 定 の栄養
素が ,食 物 の嗜好 や食欲 を変 え肥 満 を
(生 理学研究所
0
際 自施設 におい て も糖尿病患者の食事
告 された
.
本 シンポジウムで 明 らか に された と
.
によつて肥満 に与 える影響 が異 なる こ
高橋氏 は,抗 炎症作用 を持 つ食品が
とも示唆 されてい る.し たが って,特
白色脂肪細胞 のUCP-1を 誘導す ること
胞 な い しはBeige/Brite細 胞 の 増 加 ・
定 の 食 品 に よる褐 色脂 肪細胞 な い し
を述べ た.さ らに,岡 松氏 は辛 み成分
は褐色脂肪細胞様細胞 (Beige/Brite細
胞 )の 増加 ・誘導法や,ど の よ うな栄
で あ るカプシノイ ドが褐色脂肪細胞 な
活性化 は,有 力 な手段 と考 え られ る
が ,ヒ トにお い て寒冷刺激 ・辛 みな ど
い しはBeige/Brite細 胞 のUCP-1の 発
の食品 0運 動 な どで増加 ・活性化す る
養素 が健康的な食事 の嗜好 を促進 しま
現誘導 のみならず ,細 胞数 を増加 させ
のが 褐色脂 肪細胞 な のかBeige/Brite
たエネルギー代謝 を克進 させ るのか を
ることを報告 した。岡本氏か らは,室
明 らかにで きれば,新 たな抗肥満療法
へ の道が拓 かれ ることが期待 される。
傍核 のAMPK活 性 が炭水化物嗜好性 を
制御 してい るが,肥 満 ・過栄養状態 で
細胞 を明 らかに し,ま たその分子 メカ
ニズム を解 明 して,有 効性 の高 い食品
そ こで本 シンポジウムで は,褐 色脂肪
はこれが抑制 される ことによつて脂肪
た同様 に,誓 歯類 で認 め られる高脂肪
細 胞 やBeige/Brite細 胞 の 調 節 メカニ
嗜好性 が高 ま リー層肥満 を助 長す る可
の過食 による脂肪嗜好性 の増加 ・肥満
ズム,食 欲 や食物 の嗜好制御機構 ,さ
能性 が報 告 された。 また,益 崎氏 は
の増悪が ヒ トで も同様 の メカニズムで
らにそれ らの抗肥満療法へ の応 用 の可
玄米 に含 まれ る γ― オリザノールが視
能性 と実践 につい て 5名 の エキスパー
トか ら,① 白色脂肪組織 におけるエネ
床下部 の小胞体 ス トレス を抑制す るこ
とによつて,高 脂肪食へ の嗜好性 を抑
起 きるのか,さ らに γ― オリザノール
等 の食品成分が ヒ トで も視床下部 の小
ルギー代謝障害 と食品成分 (京 都大学
制す る ことや,そ の臨床応用 に関 して
化 させ体重減少 をもた らすのかを検証
報告 した.最 後 に,山 田氏か らは,ヒ
す る必要がある.実 際 に,山 田氏が示
:
高橋信之),② 食品成分 カプシノイ ドの
抗肥満作用 (北 海道大学 :岡 松優子 ),
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,
トにお い て は多 くの 臨床 試験 にお い
お り,肥 満症治療 にお い て褐色脂肪細
成分 を同定す ることが重 要 で あ る.ま
胞体 ス トレス を制御 し食 事嗜好性 を変
した よ うに, ヒ トでは少 な くとも数年
第34回 日本肥満学会学術総会記録
の単位 においては炭水化物 の比率 を減
らす方が,体 重減少 につ なが る ことは
る可能性 もあ る.一 方 で,長 期的 に低
炭水化物 ・高脂肪食 が カロリー制限 の
確 か らしく,食 欲 や エネルギー代謝 に
与 える脂肪 の影響 が誓歯類 とでは異 な
ように寿命 の延長 につ ながるのか どう
な研究成果 をもとに した長期 にわたる
臨床研究 が必要 である
.
か も不明であ り,今 後 は上記 の基礎的
´
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