2004年度期末試験

「量子化学」
1、 と をエルミート演算子とした時、 もエルミート演算子となる事を示せ。
A
B
AB + BA
2、1次元の箱の中に閉じ込められた自由粒子の量子力学的
エネルギー準位と波動関数は、右のように与えられる。
この時、次の問に答えよ。
n2 h2
8mL2
2 sin n π x
Ψn x =
L
L
n = 1, 2, 3,
En =
m
0
(1)基底状態における粒子の位置(x)の期待値を求めよ。
x
L
(2)次の演算子のうち、固有関数がこのモデル系における波動関数 ψn(x)となるものはどれか。(同時固有関数)
∂
∂x
x=x
p = -ih
(a) 位置演算子 (b) 運動量演算子 (3)運動量2乗演算子
p2 = -h
2
∂2
∂x2
学籍番号
名前
(3)、箱の中に図のようなポテンシャルエネルギーが存在したとする。 この時、井戸に閉じ込められた質量mの粒子の基底状態のエネルギーを
一次の摂動法により求めよ。 (ただし、 δ<<1とする。)
2 V0
V0
0
δ 2δ
3、分子軌道法の中には、様々な概念や近似法が導入されている。以下に示す概念や近似法を説明せよ。
(1)変分原理
(2)軌道近似
(3)LCAO-MO (Linear Combination of Atomic Orbital - Molecular Orbital )
(4)Born-Oppenheimer近似
(裏に続く)
L
4、A,B の どちらか1問を回答せよ。
(この問題については、試験前に告知済み)
A.シクロブタジエンはベンゼンに比べ著しく不安定な化合物である。この理由を分子軌道の立場から考察せよ。
H
H
H
H
H
シクロブタジエン( C 4 H4 )
ベンゼン( C 6H 6 )
H
H
H
H
H
B.図のような1次元の箱に フェルミ粒子の性質をもつ 質量mの粒子が2個が入っていたとする。このモデル系に
おける基底状態のエネルギーと波動関数を求めよ。なお2個の粒子の間には、クーロン力や万有引力等の相
互作用は存在しないとする。
m
m
0
x
L