物 理 科 学 習 指 導 案

物 理 科 学 習 指 導 案
教室名
指 導 日
対 象 生
科
目
使 用 教 科
1
単
元
名
時
徒
名
書
平成
年
月
日( )
普通 科 2 年
人(内訳
物理Ⅰ B
啓林館 高等学校物理Ⅰ B 改訂版
指導者
限目
人)
電界と電位
2
単元のねらい
・電荷に働く力やコンデンサーの性質など,電界と電位に関する物理現象に関心や探求心を持たせ,
科学的に探求する態度を養う。(関心・意欲・態度)
・電界と電位に関するいろいろな現象について,観察や実験などの手法も利用しながら現象を科学
的に探求,分析,判断させる。(思考・判断)
・電界と電位に関するいろいろな現象について,観察や実験の技能を習得させるとともに,現象を
科学的に探求する方法を身に付けさせる。また観察や実験の過程を考察し,導かれた結果を的確
に表現させる。(観察・実験の技能・表現)
・電界や電位,電荷の法則性を理解させ,コンデンサーの性質に見られるような電界と電位に関す
るいろいろな現象を,諸法則を用いて理解,記述させる。(知識・理解)
3
指導に当たって
(1)教材観
中学校理科では電圧や電流,オームの法則などを学んでいる。本単元で高校物理では初め
て電気についての学習を行う。
これから学ぶ電界と電位の単元は電気分野の導入である。中学校では未習,あるいはほと
んど触れられていない電子や電荷についてまず学習する。その後,電界や電位,コンデンサ
ーについて学習する。電界,電位といった物理量はイメージしにくい抽象概念である。これ
までの力学,熱力学,波動に比べて,物理量がベクトル量かスカラー量かといった数学的な
理解も重要になってくる。本単元での学習を基礎として,物理Ⅰ B の電気分野では抵抗回路
や,電子や原子について,また物理Ⅱでは磁気分野を含めた学習を展開していく。
(2)生徒観
物理と生物の選択クラスであり,物理選択者だけの少人数授業であることもあって,発問
に対する反応もよい。理数科目が得意な生徒が多く,授業中に質問があっ
たりと活発な印象を受ける。
これまで力学分野と熱力学分野,波動分野を学習してきた。今回は4番目の分野である電
磁気学の学習である。前単元の波動の学習で,生徒は初めて力学以外の物理を本格的に学ん
できた。新しい概念や法則を用いた探求に興味を持つと同時に,力学との視点の違いに戸惑
いを感じた生徒も多い。
(3)指導観
電気の学習では,実験や観察を用いて興味・関心を高め,抽象的な概念の物理的なイメージ
を持ちやすいよう展開を工夫したい。本単元での学習は電磁気学の学習の第一歩である。電
磁気学は力学とともに物理学を支える柱である。電磁気学の学習で物理的な探求心を養うの
はもちろん,将来,高校で学んだ電磁気学を基礎として学習を続けるものも少なくないであ
ろう。こうした理由から本単元の学習では,時間をかけて基礎基本をしっかり身につけさせ
たい。また疑問に思ったことや,理解できなかったことを放置せず学習に取り組むよう指導
したい。
4
単元の指導計画(総時数20時間)
第一次( 2時間)電荷と電気力
第二次( 6時間)電界と電位
第三次(12時間)コンデンサーとその性質
1,2時:コンデンサーとは
3,4,5,6時:物理量の移り変わり
7,8時:コンデンサーの接続
9,10時:コンデンサーのエネルギー
5 本時の学習(第 1 次 第 1 時)
(1)コンデンサーとは
(2)本時のねらい
1.コンデンサーがどこでどんな目的で用いられているかを知り,コンデンサーの性質に関心
を持つ。(関心・意欲・態度)
2.コンデンサーについて,蓄えられる電荷や電気容量がどのような物理量によって定まるか
を判断する。(思考・判断)
(3)準備・資料等 特になし
(4)本時の展開
時間
学
習
活
動(学習内容)
学習指導上の留意点
評価規準(観点、方法)
・前時までの復習をする。
・クーロン力,電場,電位などの
式を確認する。
5 ・コンデンサーについて関心を ・実際のコンデンサーを見せ,・学習に興味がある。(関心
持ち,回路記号を知る。
どんな目的でどこに使われて ・意欲・態度,観察)
いるかを知らせる。
・コンデンサーの記号を提示
する。抵抗,コイルを含めて
電気回路の御三家であると知
らせる。
15 ・コンデンサーとは何かを知る
・2枚の金属板(極板という)
を平行に並べたものがコンデ
ンサーであると板書する。
コンデンサーに電流は流れるのだろうか
・電流が流れるか流れないかを ・コンデンサーに電池をつな
答える。
いだ図を板書し,電流が流れ
るかを尋ねる。
・コンデンサーの基本性質を知 ・電流がしばらく流れ,極板
る。
に電荷Q[ C]が蓄えられるこ
とを板書する。
どうして電荷が蓄えられるのだろう
・コンデンサーに電荷が蓄えら ・クーロン力で引き合うこと ・学習に興味がある。(関心
れる理由を知る。
によることを伝える。
・意欲・態度,観察)
15 ・充電されたコンデンサーにつ
いて詳しく知る。
Q=CV
[C] [F][V]
(蓄えられる電荷)=(電気容量)
×(電位差)
・詳しい図を板書する。
・電源 ,電荷 ,電位差 ,電場 ,極板
間隔の順で板書し,Q=CV,
電気容量C ,単位[ F]を解説す
る。(C:コンデンサーがどれ
だけ電荷をためることが出来
るかを表す)
電気容量Cは何によって決まるんだろう
10 ・電気容量が何によって決まる
かを知る。
C=ε ・S/d
2
[F][F/m][m ]/[m]
・C と単位の[C]に注意。
・左の公式,コンデンサーの
図を板書し,極板が広いほど,
極板間隔がせまいほど,誘電 ・電気容量と他の物理量の
率が大きいほどCはどうなる 関数関係が判断できる。(思
かをノートに書くよう指示し,考・判断,机間指導で観察)
机間指導で答を確認する。
5 ・次の授業の予告を聞き,結果 ・充電されたコンデンサーか
を予想する。
ら電池を取り外した際,電荷
はどうなるかを問い,次回の
学習の予告をする。(電荷はそ
のままという答だけ伝える)