まとめ §1.まとめ 全ての電場 ◆ F = qE ◆ U = qV (基準点からのクーロン力による位置エネルギー:U 電位:V) ◆ W = qV (クーロン力もしくは外力が電荷にする仕事:W 電位差:V) 一様な電場 ◆ V = Ed (電位差:V 2 つの電位の間隔:d ) ◆ W = Fd (∵qV = W , qE = F クーロン力もしくは外力:F) 点電荷の周りの電場 𝑸 ◆ 𝑬 = 𝒌 𝒓𝟐 (Q[C]の点電荷のまわりの電場:E) 𝒒𝑸 ◆ 𝑭 = 𝒌 𝒓𝟐 (q[C]の電荷が電場から受けるクーロン力:F) ◆ 𝑽=𝒌 𝑸 ◆ 𝑼=𝒌 𝒒𝑸 𝒓 𝒓 (Q[C]の点電荷のまわりのクーロン力における電位:V) (q[C]の電荷がもつクーロン力による位置エネルギー:U) Points ◆複数の電荷による電場やクーロン力の和はベクトル和。複数の電荷による電位の和は代数和 ◆電位差があるところには、その勾配の量の電場が存在する。 ◆電場の向きは高電位から低電位へ向かう方向 ◆クーロン力がする仕事は経路に依らない → 位置だけで決まるエネルギー(位置エネルギー)を電位と定義 ◆電場の単位は[N/C]と[V/m]学んだ。電位の単位は[V]と[J/C]と学んだ。 つまり、電場は単位電荷当たりの静電気力もしくは電位の勾配である。そして電位は単位電荷当たりの位置エ ネルギー(静電気力のする仕事)である。位置エネルギーの基準点は無限遠にすると、下記の計算式において非 常に楽に計算できる。 𝑬=− 𝒅𝑽 𝒅𝒓 , 𝒓∞ 𝑽 = ∫ 𝑬𝒅𝒓 𝒓 ◆ラインマークした箇所を理解するだけで、上記の式は一切覚える必要はない。非常に重要なポイントなので、 積分を学習していない生徒でも理解できるように言葉で説明する。 クーロン力は保存力である1ことから、位置のみに依存するエネルギーを電場でも導入した。具体的には、 +1[C]の正電荷を基準点までに運ぶために静電気力がした仕事(静電気力による単位電荷当たりの位置エネル ギー)を電位と定義した。基準点は点電荷の場合は無限遠方。 電場は単位電荷当たりのクーロン力ともいえる。そのため電場を、電場の基準点へ向かう方向成分と、基準 点までの距離を掛け合わせたものが電位になる。これがまさに電位の積分形だ。 一方、電場は電位の勾配ということなので、電位‐距離グラフにおける接線の傾きともいえる。つまり微分 を用いて電場を記述できるのだが、接線の傾きと電場の向きが逆になるという関係があるのでマイナス倍をし なくてはいけない。 1 詳しい説明は次のページ 1/2 まとめ §2.クーロン力が保存力であることの説明 電位とは、単位電荷あたりのクーロン力がする仕事(位置エネルギー)であった。また、等電位面おいては電位 差がない。電位差がないということは位置エネルギーの変化もないため、等電位に沿った経路の場合クーロン力 は仕事をしない2のだ。このことから、経路に沿った力が仕事をしないということは、経路の向きを表すベクト ルと力の方宇高を表すベクトルは直交している。つまり等電位面と電気力線は直交しているのだ。 以上からクーロン力が保存力であることは容易に想像できる。 たとえば右図のように、電場の様子と電位差を一定に保った等 電位面を図示する。青色の経路は緑色の経路と同様に 3 マス分 しか、クーロン力は仕事をしない。A→B の最短経路でも、C を 経由しても、電位差はどちらも同じため仕事は変わらない。 §4.電場と電位の関係のまとめ 点電荷や一様な電場の問題においては、電気力線 を描く癖をつけたい。電気力線がわかれば、等電位 面も描けるため、静電気力のした仕事や外力がした 仕事などをイメージしやすくなる。右図のように、 緑色に沿った経路には、力が存在しないため仕事はしないのだ。しかし、仕事が 0 だからといって𝑚𝑔ℎ や𝐸𝑑 や𝑘 𝑞 𝑟 などの位置エネルギー(電位)は存在しないわけではない。斜面(電位差)がないから、力が働かないのだ。これはま 𝑑𝑉 さに𝐸 = − 𝑑𝑥 の式の説明ともいえる。 2 𝐸=− 𝑑𝑉 𝑑𝑟 の式からも明らかである。分かりやすくたとえるなら、水平な地面を鉄球がいくら転がっても、重力 は仕事をしない(重力場による位置エネルギーは変化しない)ということだ。 2/2
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