1静電場(No.3)

(復習)物理におけるベクトルの利用
(1)P→Qの仕事W1 を求めよ.
●仕事の表現:
(2)Q→R,R→Sの仕事,W2,W3を同様に求めよ.
~ 内積の応用
力 F が物体に作用して変位 s を生じさせたとき,
(3)仕事 W を求めよ.
力 F のした仕事 W は,
W =|F |cosθ×|s|= F・s
F
(例解)
F
θ
s
(1)
F1= (2cos30°,2sin30°,0)
[N]
=(√3,1, 0) [N]
s
s1= (4,0,0) [m]
問題 下図の点Pから点Sまで質点を運ぶとき力Fのす
る仕事 W を以下の手順で求めよ.係数は無理数のままで
よい.
|F1|=2N
S2=3m
45 °
°
x
O
(3)W=4√3 - 9√3/2 + 8/√2
[J]
S3=2m
R
z
(2)W2,W3も同様(略;W2は負であることに注意)
Q
S1=4m
y
[J]
|F2|=3N
30°
P
∴ F1・s1=4√3
S
|F3|=4N
一
一般の
場合:
積
積分の
話;(つづ
づき)
点
点Pから
ら点Qま
まで,力
力F (r))で物体
体を運ん
んだ時
時の仕事
事:W
(5)ベ
ベクトル場の
の線積分
分
Q(r2)
ベ
ベクトル
ル場:A(r)
経
経路:P
P→Q
微
微小変位
位ベクトル:dr
Δrr
F(r)
分上の)
(線分
A
A(r)
t(r’ )
Δr
F(r)
t(r)
P(r1)

A(r)
W=
Q

A ・
A(r)
・d r
P
t(r):単
単位接線
線ベクトル
Q
A(rr)・t(rr)ds
=
単位接
接線ベク
クトル))
(t(r):単
P
ΔW=F(r)・Δr
Q
P
Q

F(r)・dr
=
P
Q
=
F(r)・t(r)ds
P
Q
=
P
Ft(r)ds
At(r)dds
=
W
W=Σ F・Δrr
(drr = t(r)ds )
(At(r):A(r)の接線
線成分)
)
1-6
ΔW =F・Δr’
静電ポテンシャル(≡電位)
=FcosΔr ’
静電ポテンシャル(電位)
~
=FΔs 
電気的位置エネルギーの大きさを与えるもの
∴ΔW(A → B)=ΔW(A → C)
(エネルギー=仕事)
=ΔW(A’ → C’)
点電荷 q ’の作る電場の中で点電荷 q を運ぶ仕事
→ 経路によらないことを示そう
P
q’
∴
C’ A’
B
F
経路に寄らない
Δr’
C A
点電荷の作る電場の中で,無限遠から
qE’
位置P(r )まで電荷 q を運ぶ仕事は,
B Δr’
F = -qE’
経路によらずPの位置のみで決まる.
Δs

C
力 F で仕事をするとき,経路に寄らなければ
→ 「保存力」
A
Δs
qE’
ΔW =F・Δr’
静電ポテンシャル(電位)
W =Σ ΔW
「一般に,電場の中を基準点から点P(r)まで単位電
荷を運ぶのに必要な仕事の大きさを与える関数」
q 1
qq
1
= ――――
―
― Σ―
―――
―Δr’
4 0
4π
s2
Δ ’→
Δr
→ 0の
の極限をとる
る
積
積分変数
数をq1 からの距離
離sに変
変換
点電荷qの作る電場中の場合:
原点Oにある点電荷 q の作る電場の中で,点電荷 q1 を無
限遠から位置P(r)まで運ぶ仕事を具体的に求めてみよう
変数:
:Δr’= -dds,
qq
q 1
経路に依らない → 直線経路で考えよう
W= ――
―――
4π0
直線経路のとき:
q
O
r
P(r)
s
F
q1 E’
Δr ’
基準
Δr ’
ΔW=F ・Δr’
=FΔr’
(F とΔr’ は同じ向き)
=q1E’Δr’ (F=|F|=q1E’ )
1
qq1
=――― ――――Δr’
s2
4π0
∞
範囲:
(∞,r )
r
1
―
―― (--ds)
∞ s2
∞ 1
qq
q 1
= ――
―――
―
―
―― ds
d
4π
4 0 r s2
qq
q 1
1
∞
= ――
―――
― [ - ―― ]
r
4π
4 0
s
qq
q 1
1
= ――
―――
― ――
―
4π
π0
r
単位電荷を無限遠から位置 r まで運ぶのに必要な仕事の
大きさを与える関数は,q1=1C として,
力 F が「保存
が
存力」のとき,
任
任意の
の閉じた
た経路
路 C について
て
点電荷qの静電ポテンシャル(電位):
q
1
(r )=――― ――
4π0 |r |
Ft (r )ds=
=0
(6.7)
証明:O → Pまで
証
で電荷q
qを運ぶ
ぶ仕事は
は任意経
経路
経路に
について
て
任意経
O
ただし,qは原点
P
Ft (r )ds
W(O→
→P)=
=
O
(1)
経 1),(2
経路(1
2)について,
(2)
P
P
Ft (r )ds
s =
(1
1)
C
Ft (r )d
ds
O
O
P
(2
2)
し
しかるに
に
P
O
Ft (r ))ds=-
O
(2)
(2)
Ft (r )ds +
(1)
電荷q’ (r 0)とq(r )が静止しているとき,2 点の距離は
|r -r 0 |であるから,その状態には
1
qq0
U(r)=―――― ――――
4π0 |r -r 0 |
し
したがっ
って,電場 E につい
いて,
意の閉じ
じた経路
路Cについて
て
任意
~
E (r )・t (r )ds
渦
渦なしの
の法則
→ 静
静電場
場のだい
だいじな
な性質,
質,基本
本法則
則
(2))
静電ポテンシャル(電位)の意味
Ft (r )ds=
=0
Et (r )ds
s =
Ft (r )ds =0
P
O
よ
よって,
任意
意の閉じ
じた経路
路Cについて
て
Ft (r )ds
O
P
∴
P
(6.10
0)
だけのエネルギー(仕事)が蓄えられている.
→
「静電エネルギー」
→ 重力場中の位置エネルギーに対応
一般に,電荷qが静電ポテンシャル(電位)(r )の位
置P(r )にいるときの「静電エネルギー」;U(r)
静
静電場
の基本
本法則
則:
U(r)=q(r )
・ガウ
ウスの
の法則
・渦な
なしの
の法則
(r ) :位置P(r )の電位
電場と電位の
電
の勾配
配
電
電位差
(≡電
電圧)
電位
→
基準点
点に依存
存する
→ 定数不
不定性
2点
点間の
の電位の
の差のみ
みに意
意味があ
ある
電 差 V の意
電位差
意味;
点電荷
荷で一
一次元の
の場合,
d(r )
q
d
1
(―)
- ―
―――
― = - ――
―― ――
―
dr
4π0 dr
r
q
1
= ―
―――
― ――
―
4π0 r 2
電荷qを位
位置 P(r 1)から
ら Q(r 2)まで運
運ぶ仕
仕事:W12
Q(r 2)
W2 =W1 + W12
基準点か
基
からそれぞ
ぞれ P(rr 1),Q(rr 2)
ま
まで運ぶ仕
ぶ仕事は,W1=q
qV(r 1),
W2 =qV
V(r 2)だ
だから
⇔
W2
q(r 2))=q
 (r 1) + W12
W12
∴W12=q((r 2)-
(r 1) )
=qΔV
P(r 1)
W1
O
~ 電位
位差と電
電荷q
qの積
積
一
一方,
電
電荷q
を位置
置 P(r 1)から Q
Q(r 2)まで運
ま 運ぶ仕事
事W12 は
Q
E・dr
W12
-q
1 =-
(6.1)’
P
し
したがっ
って,電位差
差と電場
場の関係
関係とし
して
Q(r2)
(r 2)-
-(r 1)=-
E・dr
(6.8)’
P(r1)
電
電位差は
は,単位
位電荷を運ぶ
ぶのに必
必要な仕
仕事の
の大きさ
さを示す
す
電位と電場の単位
電位差 → 単位電荷を運ぶのに要する仕事と対応
等
等電位
面
(r)=
=0 を満た
たす点
点の集合
合
[仕事]
[電位差]=――――
[電荷]
J
電位差の単位: [――] ≡ [V]
C
電位の単位: [V]
[V]
電場の単位: ―――
[m]
点
点電荷
の等電
電位面
面:
.,n)
(r)=
=0×j(j
j=1,2,..
を満たす
す等電
電位面
→
n個の
の球面
面
等電位面と電
等
電場:
近接
接した2
2点P(r1),Q(r2) → r2 - r1=Δr
Pか
からQま
まで電
電荷qを
を運ぶ
ぶ仕事,
,ΔW
W
Δ =-
ΔW
-qE・Δr = q[(r2)-
(r1)]
Q
参
参考:
(r2)-(r1)=-
-
P
E・dr
r1,r2 が等
等電位面
面内 → 
(r2)=(r1)
∴
E・Δr =0 ⇔ E⊥Δ
Δr
(練習問題)つぎ
ぎの4つ
つの点
点電荷を
を含む
む面内での,
電気
気力線と
と等電
電位面((の断面
面)を描
描きな
なさい.
(電
電荷量は
は同じ
じ.●が
が+,○が-
-とす
する.
)
1)
(1
ベクトルΔr は等
等電位
位面内
ベクトル E は,常
常に等電位面
面と垂
垂直」
∴「電場ベ
2)
(2
●
●
●
○
●
●
○
●
「電気
気力線
線は,常
常に等
等電位面
面と垂
垂直」
Δ
Δr
E
導体のまわりの静電場
例題4
帯電
電した半
半径aの
の導体球の静
静電ポテ
テンシャル
電荷Qは導
導体球表
表面に分
分布,電場は
は球対称
称
静止状態では,
1.導体内部に電場は存在しない(あれば電子が移動)
→ 導体内部に(正味の)電荷は存在しない.
半径rの球
球面にガ
ガウスの
の法則を適用
用
は,
電場は
r > a の時
時;4r 2Eout(r)=Q/0 →
(∵ガウスの法則)
r < a の時
時;4r 2Ein(r)=0
0 →
3.導体内部の電位は一定(∵E=0で仕事は0)
すなわち,表面の電位一定 ~
等電位面
静電ポ
ポテン
ンシャル
ルは,((6.17)から
3.電場は,導体表面に垂直
k1, k2 は積分
分定数
r → ∞でφ
φ → 0,
0 r = a でφが連
連続,の
の条件か
から
k1 = 0,k2 = Q/40a
がって,
したが

1-8
コンデンサー
電気容量(静電容量)
半径aの導体球の電荷Qと静電ポテンシャル(例題4)
Q=4π0a
Qを2Q
→
(6.20)”
は2 (重ね合わせの原理)
この比例関係は導体の形によらない.
Q=C
(8.1)
C: 電気容量
or
静電容量
[C] = [Q]/[] =C/V
1C/V≡1F(ファラッド)
例:半径aの導体球:
C=4π0a
地球の電気容量=0.00071
F
10-6 F = 1 μF(マイクロファラッド)
10-9 F = 1 nF(ナノファラッド)
10-12 F = 1 pF(ピコファラッド)
練習問題 人間の電気容量が半径 0.5mの導体球と同じ
と仮定して,その電気容量を求めよ.
コンデンサー
平行板コ
平
コンデ
デンサー
ー:
孤立導体の容量は小さい
面積:S
→ 電位が高くなるから
極板間
間:d
2個の導体にそれぞれ±Qの電荷
極板の
の電荷
荷量:Q
Q
2個一体で考えれば電荷0(遠くから見れば)
→
面電荷
荷密度:σ=
=Q/S
S
ポテンシャルが低い
電場
場は極板間に
にできる
る.
余分な仕事を必要とせず,電荷を蓄えられる
→
A
コンデンサー(キャパシター,蓄電器)
極板
板間の電場は
は,
B
σ
E
電位差(A―B)はQに比例
→ 比例係数を1/C
+Q
―Q
VA
V=A-B=Q/C
ΔV
C:電気容量(コンデンサーの)
VB
∴
3)
(8.3
コ
コンデン
ンサー
ーに蓄え
えられる
るエネルギー
ー:U
電
電場のエ
エネル
ルギー
コンデン
ンサーの
の電気容
容量:C
平
平行板コ
コンデ
デンサー
ーを例に
にして;
一方
方の電
電極から
らもう一
一方へ電荷を
を運んで
で±Qにする
る.
A
B
面
面積:S
S
±qまで
で運んだ
だ
極
極板間:d
→ 導体間の
の電位差
差:V=
=q/C
C
極
極板の電
電荷量:Q
さら
らにΔqを運
運ぶには
は,
+q
VA
電
電気容量
量:C=
=0S/
/d
―
―q
V
はどこ
コンデン
ンサーに
に蓄えられた
たエネル
ルギーは
こへ?
VB
qを
を0から
らQにす
するまでに必
必要な仕
仕事
→
(9.6))
ンサー
コ
コンデ
ーに蓄え
えられた仕事
事
を
を用いて
て,
(9.8))
(9.3
3)
す
すなわち
ち,単
単位体積
積あたり
り
4)&(9.5
5)
(9.4
(9.9))’