適 用 時 期 お よ び 適 用 初 年 度 の 留 意

特集 平成28年3月期から適用可能
るものとみることもできると考えら
差異とほぼ同時期に同額で解消され
る 企 業 を 含 む )に お い て も 回 収 可 能
れるため、「将来年度の収益力に基づ
3に該当するものとして取り扱われ
時差異に係る繰延税金資産は、すべ
性があるものとするとされている
負債認識において生じる将来減算一
て将来の税金負担額を軽減する効果
号
「貸借対照表の純資産の部の表示
ここで、企業会計基準適用指針8
区分③及び④のただし書きの会社に
示区分①及び②の会社に加え、例示
回収可能性を判断する場合には、例
く課税所得によって繰延税金資産の
(回収可能性適用指針
から、退職給付に係る調整額を相手
に 関 す る 会 計 基 準 等 の 適 用 指 針 」で
ついても回収可能性があると判断で
項)。
を有さなくなったと考えられること
勘定として取崩しを行うとされてい
は、繰延ヘッジ損失に係る将来減算
き る も の と し た。」と さ れ て い た が、
項)
。
一時差異については、ヘッジ有効性
回収可能性適用指針においては、こ
る
(回収可能性適用指針
を考慮すれば、通常、ヘッジ対象に
の取扱いを踏襲しているとされてい
繰延ヘッジ損益に
係る将来減算一時
差異の取扱い
繰延ヘッジ損益に係る一時差異
は、繰延ヘッジ損失と繰延ヘッジ利
益とに区分し、繰延ヘッジ損失に係
る将来減算一時差異については、回
収可能性適用指針6項に従って回収
可能性を判断したうえで繰延税金資
産を計上し、繰延ヘッジ利益に係る
将来加算一時差異については繰延税
金負債を計上するとされている。
なお、繰延ヘッジ損失に係る将来
項から
減算一時差異に関する繰延税金資産
は、回収可能性適用指針
る(回収可能性適用指針 項)。
田中 圭
は筆者の私見であることをあらかじ
る。なお、本文の意見にわたる部分
の期首から適用することとされてい
始する連結会計年度および事業年度
項⑴)
。
る(回収可能性適用指針
適用時期
めお断りする。
有限責任監査法人トーマツ
公認会計士
適用時期および
適用初年度の留意点
はじめに
企業会計基準委員会から、企業会
計基準適用指針
項 に 従 っ て 判 断 し た 分 類 に 応 じ て、
分類1に該当する企業および分類2
の回収可能性に関する適用指針」(以
号「 繰 延 税 金 資 産
に該当する企業
(回収可能性適用指
下、「回収可能性適用指針」という)が
針
月
日 )か ら 適 用 開 始 ま で の
回 収 可 能 性 適 用 指 針 の 確 定( 平 成
年
期間が短くなっているが、繰延税金
資産の回収可能性は決算処理におい
て判断する事項であり、財務諸表作
成者において大規模なシステム対応
⑴ 原則的な適用時期
回 収 可 能 性 適 用 指 針 に つ い て は、
日付けで公表され
た。本稿では、回収可能性適用指針
月
49
に 加 え、 分 類 3 に 該 当 す る 企 業
(回
年
28
の必要性は低いと考えられることか
平成
12
原則として平成 年4月1日以後開
のとして取り扱われる企業を含む)
115
待鳥 益男
(まちどり・ますお)
有限責任監査法人トーマツ
テクニカルセンター
マネージャー 公認会計士
2007年監査法人トーマツ
(現有限責任
監査法人トーマツ)
入社。
主に小売業、
製
造業および物流業の会計監査業務に従
事。IFRS導入支援業務の経験も有して
いる。
会計方針の変更として取り扱う項目を限定
係る評価差益に関する将来加算一時
46
のうち、適用時期等について解説す
28
項に従って分類
12
27
32
項に従って分類2に該当するも
26
114
15
Ⅳ
27
28
収可能性適用指針
経理情報●2016.2.10(No.1437)
27
回収可能性適用指針の概要と実務
29
28