「 相 互 協 議 の 効 果 的 実 施 」の 要 点

る見込みである。
企業はこうした各国税制の動向も
行動
みながら、十分な準備期間をもって、
移転価格文書の作成を進める必要が
⑴ 相互協議に係る条約上の
誠実な履行と、相互協議事案
の迅速な解決
条の相
ある。
また、権限ある当局の業績評価とし
て更 正 処 分 金 額の歩 留まり などを 使
用 すべきではないとしている。 適切な
業績指標としては、
合意件数、
類似ケー
スでの一貫性、解決までの期間
(事案の
複雑性、権限ある当局の監督外の事項
による影響を配慮)
が含まれるとして
いる。 また、人材、相互協議のための
予算、研修等の十分なリソース確保の
重要性も挙げられている。
調査上で事案の解決がなされた場
合でも納税者の相互協議へのアクセ
スを妨げるべきでないとするととも
に、納税者の申出が不適切とみられ
る場合においても、相手国へ適切に
国が負う不可欠で重要な部分を形成
互協議条項は、租税条約において各
議手法の透明性の確保、明瞭簡潔な
のための手 法の確 保 として、 相 互 協
租税条約上の紛争防止、適時解決
T A で の 研 修、 2 国 間 事 前 確 認( バ
ラクティスとして、手法の公開、F
こ れ ら の 実 現 の た め の ベ ス ト・ プ
通知すべきであるとしている。
表された「実効的な相互協議手法マニュ
していることから、同条を誠実に全
イ ラ テ ラ ル A P A )の 実 施 な ど が 提
OECDモデル租税条約
ア ル
( MANUAL ON EFFECTIVE
用 語 を 使 用 した 手 続 規 定のウェブで
)
」および
PROCEDURES (MEMAP)
2014年 月 日の討議草案に沿っ
面的に実行すべきものと提言してい
⑵ 租税条約に関連する紛争
の予防および迅速な解決を
促進するための行政手法の
実施
「相互協議の効果的実施」
の
要点
行 動 の最 終 報 告 書は、基 本 的に
最終報告書の概要
14
は、2007年2月にOECDから公
14
MUTUAL AGREEMENT
25
Ⅲ
下の3つの最低限実施すべき措置
(ミニ
ことが必須であるとの認識のもと、以
協議手法をより 実効的なものとする
関連 する紛争を解決 するための相互
たものだが、各国の実情と租税条約に
約の改正)を提言している。さらに、
対 応 的 調 整 条 項 の 挿 入( 現 行 租 税 条
ら、 ベ ス ト・ プ ラ ク テ ィ ス と し て、
1の目的を阻む可能性があることか
二重課税の排除という租税条約の第
的調整条項」のない現行租税条約は、
る。 ま た、 同 条 約 9 条 に あ る「 対 応
確 保 することの必 要 性 を 提 言 すると
の承認や指示を不要とする裁量権を
権限移譲、合意にあたっての課税当局
す るためには、 相 互 協 議 担 当 者への
条 約に適 合しない課 税 を 迅 速に解 決
ム
(FTA)
で開 発されることとなる。
の様 式については、税 務 行 政フォーラ
の公 開 が 挙 げ られてお り、そのため
と各国税務当局に対して実務経験や
であり、またより厳格なルール実施
ることは、条約の義務に関する事項
納税者に相互協議の機会を保証す
言されている。
24
⑶ 納税者に対する相互協議
の機会の保証
マム・スタンダード)
および実施される
各国は、相互協議事案の迅速な解決
ことが望ましいとされる措置
(ベスト・
新たな租税条約および移転価格の
にコミットし、事案の解決が平均
ともに、権 限 ある当 局が将 来の条 約
プラクティス)
という観点から内容をと
カ月以内になされるように努めるべ
ルールの理解の共有を求めていくこ
りまとめたものであり、強く政治的に
きである、とされている。
改 正 という 政 策 面の影 響 を 受 けるべ
コミットしたものとなっている。
と で、 B E P S 作 業 の 結 果 と し て、
18
きではないことも提言している。
12
22
経理情報●2015.12.20(No.1433)