有 価 証 券 の 評 価 の ポ イ ン ト

株価下落で減損の検討が必要に?
⑶ 子会社株式および関連会
社株式
項、
子会社株式および関連会社株式
は、取得原価をもって貸借対照表価
有価証券の評価のポイント
項)
。
額 と す る( 金 融 商 品 会 計 基 準
項、
法に定義する有価証券に基づく。ま
の範囲は原則として、金融商品取引
類し、それぞれ貸借対照表価額を定
券を保有目的に応じて次のように分
る場合が想定される。そこで有価証
もって貸借対照表価額とする
(金融
その他有価証券は原則として時価を
て、保有目的が明確に認められない
⑷ その他有価証券
た、金融商品取引法上の有価証券に
めている。
価証券の性質および企業の保有意図
況によって異なるため、会計上も有
り、それを保有する意図は企業の状
有価証券にはさまざまな種類があ
引法上の有価証券であっても企業会
るとされている。一方、金融商品取
のについても有価証券の範囲に含め
取り扱うことが適当と認められるも
証券は、時価をもって貸借対照表価
を目的として保有する売買目的有価
時価の変動により利益を得ること
融商品会計基準注7、
価 と す る 方 法 も 認 め ら れ て い る( 金
て算定された価額をもって期末の時
前1カ月の市場価格の平均に基づい
75
項)。
項)
。
に応じて有価証券の評価方法を定め
計上の有価証券として取り扱うこと
額とする。また、その評価差額は当
項、
ている。そこで本稿では有価証券の
が適当と認められないものについて
期 の 損 益 と し て 処 理 さ れ る( 金 融 商
項 ⑴、
的としていると認められる満期保有
企業が満期まで保有することを目
柄の評価差額は損益計算書に計上す
計上し、時価が取得原価を下回る銘
回る銘柄の評価差額は純資産の部に
項、
項⑵、 項)。
目 的 の 債 券( 社 債 そ の 他 の 債 券 )は、
項)。
額 と す る( 金 融 商 品 会 計 基 準
定された価額をもって貸借対照表価
る
(金融商品会計基準
項 )。 ま た は、 時 価 が 取 得 原 価 を 上
す る( 金 融 商 品 会 計 基 準
果を調整のうえ、純資産の部に記載
その他有価証券の評価差額は税効
項、
評価について概括的に確認してい
は、有価証券としては取り扱わない
商品会計基準
く。
なお、文中の意見にわたる部分は、
筆者の私見であり、有限責任監査法
18
原則として償却原価法に基づいて算
⑵ 満期保有目的の債券
70
76
80
人トーマツの見解ではないことをあ
有価証券の分類お
よび貸借対照表価
額の決定
79
15
76
18
18
らかじめお断りしておく。
有価証券の範囲
有価証券は企業の保有目的によっ
て、実質的に価格変動リスクを認め
号
「金融商品に関
する会計基準」(以下、「金融商品会計
る必要がない場合や売買が制約され
16
企業会計基準
基準」
という)
の対象となる有価証券
71
10
準注1─2)。
品会計基準 項、 項)。
前記⑴~⑶以外の有価証券であっ
類似し企業会計上の有価証券として
17
ただし継続適用を条件として、期末
加藤 亜紀子
74
⑴ 売買目的有価証券
有限責任監査法人トーマツ
公認会計士
73
こ と と さ れ て い る( 金 融 商 品 会 計 基
はじめに
Ⅴ
36
経理情報●2016.3.20(No.1441)