数理統計学 西 山 前回までの要点 ランダムにとったサンプルの平 均値は正規分布に従います。 その正規分布の特徴は定理8に つきます。 他方、サンプルの分散は下方バ イアスをもっています。 第4章では不偏分散が大事です。 平均と分散の標本分布 母集団は、μ=170、σ2=102、データ数は5個で反復 標本分散の分布 標本平均の分布 700 600 500 400 300 200 100 0 最大値 最小値 平均値 分散 歪み度 尖り度 25 -5 0 75 -1 00 12 515 0 17 520 0 22 525 0 27 530 0 32 535 0 37 540 0 42 545 0 47 550 0 <= 33 7. 89 カイ二乗分布の形 3.8 9- 18 3. 46 データの分散の値 18 18 0.4 6- 18 0. 02 17 7.0 2- 18 7. 59 17 3.5 9- 17 3. 15 17 0.1 5- 17 0. 72 16 6.7 2- 17 6. 28 16 3.2 8- 16 3. 85 16 9. 15 9.8 5- 15 1- 6.4 15 15 2.9 8- 15 6. 41 0 頻度 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 187.33 152.9773 169.9806 20.43845 0.007936 0.042042 最大値 最小値 平均値 分散 歪み度 尖り度 477.6252 0.448268 79.85362 3114.514 1.367639 2.805332 S2は母集団分散に対してバイアスあり! 式で書くと ES 2 n 1 2 n いまの例で言うと ES 2 4 2 10 80 5 データから分散を計 算すると、実際には 100でも80前後の値 になる・・・ バイアスが生じる理由 母集団です 簡単な計算で確認できます 5 X i 1 170 2 i 真の偏差二乗和 X i 1 5 X i 1 X 5 X X 170 i X 5 X 170 2 2 2 X X i 170 5 X 170 2 i i 5 i 1 偽の偏差二乗和 5 2 2 i 1 2 10 2 E偏差二乗和 5 10 5 4 10 5 2 不偏分散の利用目的 教科書127ページ 言葉の定義どおりだと 1 2 S N X N i 1 X 2 i 母集団の分散を知りたいなら N 1 2 2 ˆ X i X N 1 i 1 E ˆ 2 2 不偏分散、と呼んで います 【例題1】 二つの分散の違い ランダムに5個のデータをとると 1,2,3,4,5 ★ このデータの分散は 二乗偏差の合計 10 S 2 データ 数 5 2 ★ このデータはどんな分散をもつ母集団からとられたか 二乗偏差の合計 10 ˆ 2.5 データ 数-1 4 2 「カイ二乗」の意味とイメージ 2個のサイコロを振って出た目を 二乗する 2 6 二乗の合計に着目します 22+62 = 40 自由度は2 カイ二乗値の定義 2枚の札をとりだします。それから 二乗して加えます。 Z Z 2 1 0.2 2 2 ー0.7 0.22+(-0.7)2 = 0.53 自由度が2のカイ二乗値 カイ二乗値の確率分布 → カイ二乗分布 ここまで 6/9 V 2 自由度 E 自由度 2 何個の二乗を足す かによります 2 Karl Pearson カイ二乗値 Kは自由度。教科書123頁 その他の正規分布ではどうするか 2個のサンプルをとりだします。そ れから標準化して二乗和をとりま す。 平均: μ=170 標準偏差: σ=10 1 X 170 X 170 X 170 10 10 100 2 2 2 1 2 2 i 1 2個のZの二乗和 自由度が2のカイ二乗値 i カイ二乗分布応用の鍵:定理14 平均値にとっての定理8に該当 母集団 (正規) サンプル: μ=170 σ2=100 X1, X 2, ..., X n Z2が1個少ない 1 n 2 X i X 100 i 1 n21 教科書124~125頁 μ=170 前にやった計算です・・・① n X i 1 2 i σ2=100 データをn個とって、真の偏差二乗和 2 X i X X n i 1 2 X i X 2 X i X X n X n n i 1 2 i 1 2 ゼロになります X i X n X n 2 i 1 X 2 n i 1 i 2 X X i n X n i 1 2 これが大事 μ=170 前のつづき 1 2 X 2 n i 1 σ2=100 i X Xi 1 2 X i 1 i n 2 X 2 は標準値 Zになっている X X 2 n 2 n 2 n 2 2 これも1個の標準値 Z2の個数はn個でなく、n-1個になる → 自由度n-1のカイ二乗 サンプル分散S2の期待値と分散は? S μ=170 2 1 2 X i X n i 1 n σ2=100 標準値でみる 2 1 n 2 平均の分布 X i X 2 n i 1 カイ二乗値でみる 2 n 分散の分布 2 X X n i i 1 2 n n21 教科書126~127頁 【実力問題】前のスライドを参考に次の 問に答えなさい サンプル分散S2の期待値を求めてください。 ES 2 サンプル分散S2の分散を求めてください。 VS 2 教科書126~127ページ
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