住友化学工業 農業化学品研究所の安全活動 1.研究所の概要 2.安全成績 3.安全管理方針 4.安全管理活動 2003年6月19日 5.課題と決意 所長 梅村 武明 1 1 住友化学の概要 概 要 設 立 売上高 従業員 1913年 6,372億円(単独;2002年度) 11,111億円(連結; 〃 ) 5,291名 (2002年9月) 事業部門(着色部は農化研関係事業部を示す) 部門別売上構成(2002年度) ○基礎化学 ○石油化学 ○精密化学 ○情報電子化学 ○農業化学 情報電子 化学 精密化学 10% 農業化学 13% 8% 石油化学 41% 基礎化学 28% 2 住友化学の農業化学事業 アグロ事業 生活環境事業 化学農薬 家庭用殺虫剤 生物農薬 防疫用殺虫剤 肥料 等 シロアリ防除剤 等 農材事業 飼料添加物 アニマルへルス用資材 3 農業化学品研究所の概要 主要研究 農薬、家庭防疫薬、高機能肥料 アグリバイオ 敷地面積 宝塚(研究所):4万1千㎡ 加西(農 場):10万1千㎡ 組織人員 従業員数 2003年4月1日現在 188名 平均年齢 38.1 才 4 宝塚地区・組織人員 住友化学社員 農業化学品研究所 関係会社社員 188名 ㈱住化技術情報センター 生物環境科学研究所 37名 アグロ事業部普及部 6名 住化ライフテク㈱ 14名 工務部(宝塚詰) 5名 住友製薬㈱ 48名 236名 西部化成㈱ 10名 従業員数 計 住化テクノサービス㈱ 1名 134名 日本エコアグロ㈱ 6名 ㈱日本グリーンアンドガーデン 5名 日本メジフィジックス㈱ 16名 従業員数 計 合計 234名 470名 5 宝塚地区研究所の主な業務内容 農業化学品研究所 ○ 創薬新技術(ゲノム創薬他)の開拓 ○ 新規生理活性物質の合成と生物評価 ○ 初期製法、工業化 ○ 新規製剤、新規デバイスの開発 ○ 高機能性肥料の開発 ○ 上市品の応用開発、普及支援 生物環境科学研究所(宝塚) ○ 環境影響評価(残留、代謝、水生生物他) 注)毒性試験研究は大阪地区 6 主な研究施設 (1)効力評価試験施設 昆虫飼育室、菌培養室、自動播種装置、自動薬剤散布装置 温室(殺虫剤試験、殺菌剤試験、除草剤試験) ガラスチャンバー、ラージチャンバー、ピートグラディチャンバー実験室 (2)製剤開発施設 粉体実験室、中スケール製剤用機器室 (3)特殊実験施設 自動消化設備付き終夜加熱実験対応設備 組換えDNA実験室 RI/組換えDNA実験室 非密封RI使用施設 7 過去20年間の主要研究成果 1983年 大河内記念賞受賞 農業用ピレスロイド剤スミサイジンの開発」 「 2003年 大河内記念生産賞受賞 「昆虫成長制御剤ピリプロキシフェンの開発」 ・日本農薬学会奨励賞 6回受賞 ・日本農薬学会業績賞 4回受賞 ・日本農芸化学会技術賞 3回受賞 ・日本環境動物昆虫学会研究奨励賞 3回受賞 ・日本化学工業協会技術奨励賞 2回受賞 ・科学技術功労者 科学技術長官賞 受賞 など 8 安全成績の推移 社員の 休業 ・不休業 災害 (ヶ月) 210 休業無災害 203ヶ月 現在継続中 :不休業災害 :休業災害 180 150 件3 2 1 完全無災害継続中 S59 60 61 62 H1 2 3 4 5 6 放 射 線 安 全 管 理 功 労 賞 表 彰 記 録 3 2 1 60 61 62 9 優 良 事 業 所 理 事 長 表 彰 10 無 災 害 事 業 所 確 認 証 受 賞 11 無 災 害 事 業 所 確 認 証 受 賞 西 宮 労 働 基 準 局 優 良 賞 12 13 14 15 無 災 害 事 業 所 確 認 証 受 賞 無 災 害 事 業 所 確 認 証 受 賞 無 災 害 事 業 所 確 認 証 受 賞 日 化 協 安 全 努 力 賞 完全無災害104万時間 (13年)現在継続中 件 S59 8 日 化 協 安 全 努 力 賞 協力会社の 休業 ・不休業 災害 7 120 H1 2 3 4 5 6 完全無災害継続中 7 8 9 10 休 業 無 災 害 記 録 (万Hr) 100 50 11 12 13 14 15 9 安全管理の体系 「品質、安全環境に関する経営基本方針」 ≪社長≫ 「全社レスポンシブル・ケア活動方針」 ≪レスポンシブル・ケア委員会≫ 研究所レスポンシブル・ケア 活動方針 各職場レスポンシブル・ケア活動方針 10 宝塚地区研究所RC活動方針 ①2003 年度管理方針 「事故、災害の未然防止および環境保全の推進」 ②基本理念 ○無事故・無災害による安全の確保 「安全をすべてに優先させる」 ○環境負荷低減による地域社会との共生 ○健康の確保と快適職場の形成 ③全社統一スローガン 「感受性 高めて見抜け 危険個所 明日へつなぐ 今日の安全」 11 安全衛生管理体制 宝塚地区研究所安全衛生管理機構図 総括安全衛生管理者(所長) システム各級管理者 専任安全管理者 RC委員会 RC事務局 グループ総括安全管理者(GM) 専任衛生管理者 産業医 安全衛生技術指導員 安全衛生推進員 安全衛生管理者(TL) GM:グループマネージャー 従業員 TL:チームリーダー 12 諸規則、緊急時マニュアルの整備 緊急事態とは、労働災害発生等の急迫した危険がある状態 事故・災害 地震 台風・大雨 ガス流出 火災 緊急事態 緊急時措置規則 夜間・休日緊急時措置要領 緊急時駆付要員運営要領 宿(日)直者勤務要領 職場防災隊運営要領 台風対策実施要領 停電時措置規則 地震発生時行動基準 危機管理指針 等 13 危険・有害要因の特定・実施事項の特定 VDT作業 作業場所 作業方法 作業行動 換気 爆発性物質 危険・有害要 因の特定 生体試料 高低温 実験動物 発火性物質 有害性物質 機械・器具 粉塵 放射線 インフラ ユーティリティー 引火性物質 照明 技術指導員 排水 廃棄物 バイオハザード 超音波 振動 異常気圧 TL 推進員 GM 従業員 排気 有毒ガス 騒音 臭気 管理職 安全衛生会議 どんな時・・・ 設備の新設・増設 マニュアル・作業条件 4M変更 実施事項 の特定 どんな方法で・・・ ヒヤリハット活動 改善提案活動 災害報告書 安全衛生パトロール 14 重大ヒヤリ内容解析 切れ・こすれ 6件 ⑦その他 4件 ⑥転落 0件 ②はさまれ・巻き込 まれ 0件 ⑤高温物 4件 ③転倒 0件 ④有害物 7件 15 安全衛生管理目標・計画の設定 ■ 宝塚地区研究所の目標・計画 原案作成 RC事務局 検討・審議 安全衛生技術指導員 会議 安全衛生委員会 RC委員会 年度末に作成 承認 総括安全衛生 管理者(所長) 変更 ■ グループ・チームの目標・計画 原案作成 安全衛生 技術指導員 推進員 検討・審議 グループ・チーム 安全衛生会議 承認 ライン管理者 GM・TL 変更 16 安全衛生管理計画の実施・運用 実施状況の点検、問題点の把握・改善 実施・運用に必要な事項の周知 各G/Tから報告 自主RC監査 意見聴取 協力会社 協力会社連絡会 RC事務局 安全衛生委員会 安全衛生技術指導員会議 グループ・チーム 計画の具体的進め方、日程 担当者、遵守・留意事項 活動実績記録 意見聴取 GM・TL 従業員 職場安全衛生会議 職場ミーティング 文書説明 回覧、掲示 17 RC活動の枠組み C:効果の確認 全社RC監査、研究所 内自主RC監査、自職 場での期別進捗管理 等による評価 D:実践活動 A:アクション 月次テーマに基 づく活動重点項 目の実施 日常的改善 次年度への 展開 P:計画 RC活動に基づき各 職場の年間活動計 画を作成 18 完 全 無 事 故 ・ 無 災 害 に よ る 安 全 の 確 保 18 【監査、査察制度(安全パトロール含む)】 【RC 内部監査】 ・宝塚地区研究所 3 年に 1 回(2001 年 実施) ・RC 内部監査は以下の 2 部構成 1)全体監査 ・レスポンシブル・ケア全般(環境、安全、品質・製造物 責任)に係るマネジメントシステムの整備状況ならびに パフォーマンスの状況を対象とする監査 ・RC 委員会委員長の委嘱を受けた監査団員が経営的視点 から実施 2)専門監査 ・環境、安全、および製造物責任の各分野に関する監査 ・RC 委員会委員長の委嘱を受けた監査員等から成る 専門監査チームが各分野の専門的視点から実施。 19 2003年度・安全管理活動(1) 【具体的取り組み】 (1)ガラス器具の安全取扱いの推進 ・平成 15 年 2 月に「ガラス器具取扱いの手引き」改訂、職場で活用 (2)ヒヤリハット報告活動 ・想定ヒヤリハット報告書で職場の潜在危険の洗い出し ・体験ヒヤリハット報告書を水平展開し、事例学習に活用 ・ 「ヒヤリハットガイドライン」制定 (3)災害報告書の水平展開による事例学習 および類似災害防止を目的とした職場点検 (4)自主 RC 監査の計画的実施 ・平成 14 年度は、3グループの職場実施 (ケミカルハザード、RIハザード、バイオハザードの管理等) ・監査結果の職場への折り返し、職場改善計画のチェック と職場改善の実施 20 安全管理活動(2) (5)「職場に役立つリスクアセスメント指針」の活用 ・指針の冊子を職場の安全衛生スタッフに配布(平成 14 年 7 月) ・安全衛生大会で指針の説明会を開催(平成 14 年 10 月) (6)心身の健康保持増進のマインド醸成と推進 ・定期健康診断の結果をふまえた産業医との連携による健康指導 ・安全衛生大会でメンタルヘルス・ケア講演会の開催(平成 14 年 10 月) (7)快適な職場環境の推進 ・共通設備の老朽化に対応して、環境整備と補修工事を優先順位 に基づいて計画的かつ効果的に実施。 (8)「ヒューマンエラー防止対策指針」を制定(平成 14 年 4 月) (9)「安全衛生管理マニュアル」を制定 ・安全衛生マネジメントシステムを構築(平成 15 年 4 月より開始) 21 教育訓練活動(1) (1)管理社員 ・マネジメント研修(1 回) ・新任ライン管理者研修(1 回) ・法務研修(専門職の希望者を含む) (1 回) ・新任管理社員研修(RC 教育、消火器操法訓練を 含む) ・新任(転入者)宿日直研修(1 回) ・新任(転入者)宿日直緊急時初期行動訓練(2 回) (2)専門職 ・新入社員教育(RC 教育を含む)(1 回) 22 教育訓練活動(2) (3)基幹職 ・基幹職フレッシュアップ研修(RC 教育を含む)(1 回) (4)共通 ・産業医による健康講話(1 回) ・外部講師による講演「職場に役立つメンタルヘルス」(1 回) ・総合防災訓練(避難通報訓練、消火栓操法訓練、消火器操法訓練) (宝塚地区、加西地区それぞれ 1 回) ・救急救命心肺蘇生法訓練(1 回) ・事業所化学品安全教育(1 回) (5)各専門分野、各部署担当 ・ECD ガスクロ取扱者教育(1 回) ・放射線業務集合教育(1 回) ・規制貨物取扱い教育(各部署:1 回) ・安全ミーティングにおける RC 教育(各部署) 23 定期健康診断の実施(1回/年) ・定期健康診断:受診率 97% ・特殊健康診断:受診率 100% ・有所見者に対しては、産業医(診療医)から個別健康指導を実施。 (その1)病類内訳 (各種病類/全有所見) 有所見率推移(%) (※有所見率=3Z以上の医師所見/受診者) 100% 1998年度 28 30 1999年度 2000年度 2001年度 25 80% 高血圧 2002年度 20 16 15 肝臓疾患 60% 13 16 13 高脂血症 40% その他 糖尿病 貧血症 心臓疾患 泌尿器疾患 高血圧 肝臓疾患 高脂血症 10 20% 5 0 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 0% 1998年度 1999年度 2000年度 2001年度 2002年度 24 健康管理活動 (1)作業環境測定 労働安全衛生法に基づき 2回/年 実施(6、12月 実施) (2)分煙化活動 ・ 分煙化への取組み。 (3)VDT作業に関する実態調査 ・ 作業状況(作業区分)調査の実施 ⇒ 対象者 250 名 ・ VDT健診項目の確認 ⇒ 必須項目1項目( 近見視力検査 ) ・ 検診受診対象人数把握 ⇒ 7 名/250 名( 要 受診 ) 88 名/250 名( 産業医との問診結果から受診判断) 25 「心と身体の健康づくり」への支援 「心と身体の健康づくり」のための支援プログラムの実施 心と身体の健康管理について、従業員の自助努力を基本としつつ、 会社として必要なサポートを行っていく視点から、本年度以降、健康 支援プログラムをスタートした。 ⅰ心の健康管理 ・早期発見・ケア体制の仕組みの検討、ライン管理者研修の実施、外 部講師による講演会等を通じた意識啓発 ⅱ身体の健康管理 ・従業員参画型の健康増進メニュー提供(各人が目標を持って気軽に 運動に取組む) ・高脂血症の改善にターゲットを絞った取組み 26 交通事故防止活動の取組み (1)交通災害発生状況 平成 14 年 平成 13 年 平成 12 年 平成 11 年 平成 10 年 平成 09 年 平成 08 年 通勤途上災害 自動車 その 他 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 私傷交通災害 自動車 その他 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 0 0 0 合計 加害 2 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 (2)交通事故防止活動 研究所立地環境 ・最寄駅から当研究所への通勤路は交通量が多いため、 交通災害のポテンシャルが高い。 ・加西農場への移動(高速道路で約1時間)に 社用車を利用する機会が多い。 27 交通事故防止活動の取組み ・宝塚警察署講師による交通安全講習会の開催 宝塚地区と加西地区を併せて 3 回実施(200 名参加) ・交通安全キャンペーンを実施 交通安全啓発ビラを作成し配布 ・通勤ルートの交通安全ヒヤリマップを作成 全国安全週間の重点項目として、交通災害撲滅のための KY 活動を企画し、各職場で交通安全ヒヤリマップを作成 ・交通事故後の初期行動マニュアルを作成 交通事故発生時の連絡先等を盛込んだ初期行動マニュアルを 携帯カード形式で職場毎に作成し、活用した。 ・社用車運行管理要領の改正 社用車運転者の登録制、交通安全講習の義務化 28 安全管理活動今後の課題 レスポンシブル・ケア活動の具体的推進 ・RC活動 ・安全衛生・健康つくり ・化学品安全 ・保安防災 ・環境保全 4Mの観点から潜在危険の排除 29 安全管理活動今後の課題 4Mの観点から潜在危険対策の徹底実施 ①Machine:設備老朽化対策、新規設備類の安全対策 ②Man ・作業環境の改善、技術の伝承 ・ヒューマンエラーの積極発掘,原因解析、対策立案実施 ③Material:化学品安全対策 ・取扱物質の安全情報の把握 ・化学物質の総合安全管理水準の向上 ④Method:作業の安全化、マニュアルの整備 30 安全管理活動今後の課題 【安全衛生】 ①OSHMS(労働安全衛生管理システム)運用 とシステム監査の実施 ②ヒューマンファクターに起因するトラブルの防止対策の推進 ③化学物質暴露防止等作業環境の維持・向上 ④心身の健康保持増進のマインド醸成と実践 ⑤協力会社・グループ会社の安全衛生管理・活動への支援 組織的な安全衛生活動の推進 によるゼロ災の継続 31 基本理念実行5原則 1.あらゆる業務において安全衛生の確保を優先する 2.安全衛生上の問題を現地で摘出し改善する 3.ルールおよび指示を遵守する 4.勤務時間の内外を問わず24時間安全人として行動する 5.協力会社を含む全ての関係者と協力して安全衛生を確保する ご安全に! 住友化学工業(株) 農業化学品研究所 32 32
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