新改善力 加賀谷ゼミ Bチーム 高松真希 辻村美樹 林聡宏 Plamen Radkov 流れ I. 問題意識と投資スタンス II.新改善力とは 1.日本のものづくりを見直そう 2.新しい改善力のモデル III. 投資銘柄の選定 IV. 選定企業 V.ケーススタディ: ダイキン工業 VI.その他18社 VII.まとめ I. 問題意識と投資スタンス 製造業は戦後の日本を支えてきた。 日本・・板ばさみ状態 But! 中国を中心としたアジ ア諸国による技術の キャッチアップ 安価な労働力 独自性をだすことが 困難な状況に! このままでは日本の 製造業は弱体化して しまうのではないだ ろうか? But! アメリカを中心とした欧 米諸国に対しての戦略 面での優位性の欠如 今一度、日本の製造業の原点である「ものづくり」に注目し、 今後ますます過酷になっていくだろう競争の中で成長し、 日本を支えていってくれるような企業に投資していきたい。 II. 新改善力とは… 日本のものづくりを見直そう ① • 日本企業の強さ=改善を重ねて日々進化していく企業文化 以前:コスト優位性の影響大 大規模な生産設備を持ち、製品を作っていればそれが他社と 同質的であってもコスト優位を背景にある程度の利益を生み 出すことができた。 現在:差異性・独自性重視 コスト優位によって他国に競争優位性を持つのが難しくなった今、 企業は横並びをやめ、新製品の開発や新技術の発明や市場の 開拓によって意識的に差異性を生み出す必要がでてきている。 Q.では差異性の源泉となる要素とはなにか? →日本企業がかねてより重視してきた「ヒト」である。 日本のものづくりを見直そう ② 製造業全体の労働生産性とROIHC 製造業全体の労働生産性の分解 2.5 18% 16% 2.0 12 35% 10% 8% 1.0 6% 30% 10 百万円 1.5 25% 8 20% 6 15% 4 10% 4% 2% 従業員一人当たり営業利益(左) 1996 1998 2000 2002 1984 1986 1988 1990 1992 1994 0% 1972 1974 1976 1978 1980 1982 0.0 ROIHC(右) 2 5% 0 0% 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 0.5 1964 1966 1968 1970 百万円 40% 14% 12% • • • • 14 労働装備率(左) 資産生産性(右) 労働生産性:「営業利益/従業員数」 労働装備率:「有形固定資産/従業員数」 資本生産性:「営業利益/有形固定資産」 ROIHC:労務費(売上原価の項目)、人件費(販売費・一般管理費の項目)、福利厚 生費と役員報酬・賞与の合計を各期の人材への投資額とみなしている (なお教育費は開示されていないので加算しない)「営業利益/投下人材資産」 • 70年代までは労働装備率の伸びに従って生産性が上昇しているものの、 80年代以降は上下こそすれほとんど変わっていない • 人への投資効率は下がり続けている 日本のものづくりを見直そう ③ 製造業全体の労働生産性の分解 製造業全体の労働生産性とROIHC 2.5 18% 16% 2.0 14% 1.0 6% 百万円 8% 12 35% 30% 25% 8 20% 6 15% 4 10% 4% 2% 従業員一人当たり営業利益(左) 1996 1998 2000 2002 1984 1986 1988 1990 1992 1994 0% 1972 1974 1976 1978 1980 1982 0.0 ROIHC(右) 2 5% 0 0% 1964 1966 1968 1970 1972 1974 1976 1978 1980 1982 1984 1986 1988 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 0.5 1964 1966 1968 1970 百万円 10% 40% 10 12% 1.5 14 労働装備率(左) 資産生産性(右) • 労働生産性:「営業利益/従業員数」 =労働装備率×資本生産性 =「有形固定資産/従業員数」×「営業利益/有形固定資産」 従業員一人当たりの生産性が伸び悩んでいる →労働装備率の増加と資本生産性の減少が相殺しあっている 日本企業はモノから人へと価値の源泉がシフトしているにも関わらず 人の力を価値に結び付けるといった観点をなおざりにした結果、 資本の効率性を失っているのではないだろうか。 新しい改善力のモデル ① 日本製造業が本当に強くなるためには、 人の力を引き出し、企業価値につなげることが不可欠。 日本企業は従業員に 長期雇用を通じて安心感を与え 会社の中だけを見る内向的な姿勢で 人材育成・生産プロセスの改善 今後はCSRと市場の評価を 通じた外向きの姿勢が必要 なぜ市場の評価やCSR活動が大切なのか ・市場の評価:・市場に評価される(企業活動を将来的に価値に結びつける) という客観的目的で社内のベクトルを統一 ・市場の評価を意識することによる規律 ・M&A対策 ・CSR活動:顧客や投資家のためだけではなく、従業員にも関係がある! CSR活動を通して、企業と従業員のつながりを強めることが でき、人の改善意識は高まる。 ①従業員重視 ②従業員教育 ③環境活動、社会貢献 CSRや市場の評価を意識することが、 従業員の規律を促し、外部に目を向けさせることになる →顧客のニーズをよりよく把握することができ、そのニー ズに合わせた新製品を提供できるようになる。同時に、さ らなる改善意識が生まれ、生産プロセスへの改善にもつ ながり、企業価値の向上、新しい価値創造につながる。 新しい改善力のモデル ② 新しい改善 人重視 + 外向きの姿勢 市場の評価 CSR 人の成長 CSRポイント 旧来の改善 人重視 +内向 き 売上高成長率 従業員一人当たりMVA成長率 生産プロセスの改善 売上原価削減率 (売上高総利益率の成長) III. 投資銘柄の選定 ① 選定プロセス 第1ステージ 生産プロセスの改善 が行われている企業 第3ステージ 新改善力がある企業 ①売上高総利益率の 成長性(売上高原価 率の削減) ②売上高成長率 ①従業員一人当たり MVA成長率 ②CSR 投資銘柄 決定! 第2ステージ 従業員重視の企業 従業員数増加率 長期的に改善を進める企業を探すので、選定指標も長期的に過去10年間(1994 年度から2003年度まで)を見る。 第一ステージ 【生産プロセスの改善が行われている企業】 ① 売上高総利益率の成長性(売上高原価率の削減) 改善の基本的な意味は生産プロセスでの無駄な部分や作業を改良す ることによって生産効率を上げることである。コスト・ダウン意識のもとで、 生産活動において改善を推し進めている企業は、結果として原価が削減 され売上高総利益率が上昇していると考えられる。 過去10年間で売上高総利益率を上げた企業、つまり売上高総利益率の 改善が2%以上の企業を抜き出した。→263社選出 ② 売上高成長率 改善を推し進めてコストだけを削減していても、将来の成長は見込めな い。将来的にも成長し続ける企業は、創造的な生産活動を行い、売り上 げを増加させる必要があると考える。上の263社のうち、売上高成長率 が年間平均2%以上成長の企業を選出。→143社 第二ステージ【従業員重視の企業】 従業員数増加率 改善の姿勢を維持し、人の成長を促すためには長期の雇用関係をもち、安易 な人員削減を行わないことが必要。そのため、著しい従業員数の減少が起きてい る企業は選定対象から外すことにした。(従業員数の増加が0以上の企業を抜き 出す)→85社 第三ステージ【新改善力がある企業】 ① 従業員一人当たりMVA成長率 従業員の価値を見るために従業員一人当たりMVA見る。改善や人の 力が市場に評価されるものであるならば従業員一人当たりのMVAが高 くなると予測されるからだ。従業員一人当たりのMVA成長率を見ること で人材の改善が進んでいるかがわかると考えた。各社のMVAは各年度 3月の平均株価に発行済み株式数をかけたものを時価総額とし、そこか ら株主資本を引くことでもとめた。10年間で従業員一人当たりMVA成長 率が年平均2%以上成長している会社を選出。→30社 第三ステージ【新改善力がある企業】 ②CSR(従業員の視点からCSRを評価) 2.1 企業理念が明確に打ち出されており、それが内部に浸透しているか。 • (社員に自社のミッションやビジョン、価値観を理解させ、これらを納 得させられる企業文化があるか。) • ・経営理念や経営方針を文書化し、公開しているか。(ホームページ、 報告書)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1点 ・人材教育に力を入れているか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2点 ・従業員のモチベーションを高く維持する制度は整っているか・・2点 (待遇、報奨、成果主義など) 2.2 環境対策について ・ISOを取得しているか・・・・・・・・・・・・1点 ・環境報告書があるか・・・・・・・・・・・・・1点 2.3 コーポレートガバナンス・・・・・・・・・・・・・・1点 2.4 その他のCSR、地域貢献、海外援助 (ア)CSR報告書があるか・・・・・・・・・・・1点 (イ)その他の社会貢献をしているか・・・1点 この結果より30社から19社を選出した。 19社のCSRポイント 企業名 企業理念 環境 モチベーション 環境報告書 CSR CG ISO CSR報告書 合計 経営理念 人材教育 その他 トヨタ 1 2 2 1 1 1 1 1 10 トプコン 1 1 1 1 1 1 0 0 6 スタンレー電気 1 2 1 1 1 1 0 0 7 中国塗料 1 0 0 1 1 1 0 1 5 ダイキン工業 1 2 2 1 1 1 0.5 1 9.5 オーエスジー 1 0 0 1 1 0 0 0 3 スズキ 1 1 1 1 1 1 0 1 7 ノーリツ鋼機 1 2 1.5 1 1 1 0 1 8.5 本田技研工業 1 2 2 1 1 1 0 1 9 イーグル工業 1 1 0 0 1 1 0 0 4 アイカ工業 1 1 2 1 1 1 0.5 1 8.5 ソディック 1 1 0 0 0 1 0 1 4 キヤノン 1 2 2 1 1 1 1 1 10 リコー 1 2 2 1 1 1 1 1 10 有沢製作所 1 1 1 0 0 1 0 0 4 アルプス電気 1 1 1 1 1 1 0 1 7 日立建機 1 1 1 0 1 1 0 1 6 ヤマハ発動機 1 2 2 1 1 1 0.5 1 9.5 共立 1 2 0 0 1 1 0 0 5 投資比率の決定 ポイント コード 会社名 総利益率 の増加 1人当MV A成長率 比率 CSR 総利益率 活動 一人当MV A成長率 CSR活動 総合 投資額 比率 (千円) 7751 キヤノン(株) 6.19% 19.54% 10 0.066 0.096 0.075 7.92% 396 5208 (株)有沢製作所 2.78% 35.78% 4 0.03 0.177 0.03 7.88% 394 7203 トヨタ自動車(株) 8.59% 9.45% 10 0.092 0.047 0.075 7.12% 356 7752 (株)リコー 3.66% 18.50% 10 0.039 0.091 0.075 6.85% 343 6367 ダイキン工業(株) 5.41% 12.63% 9.5 0.058 0.062 0.071 6.38% 319 7267 本田技研工業(株) 4.52% 14.11% 9 0.048 0.07 0.068 6.18% 309 6923 スタンレー電気(株) 6.72% 11.25% 7 0.072 0.056 0.053 5.99% 300 6486 イーグル工業(株) 4.80% 19.90% 4 0.051 0.098 0.03 5.98% 299 7744 ノーリツ鋼機(株) 5.65% 7.41% 8.5 0.06 0.037 0.064 5.36% 268 4206 アイカ工業(株) 4.54% 9.70% 8.5 0.048 0.048 0.064 5.34% 267 4617 中国塗料(株) 5.72% 7.49% 5 0.061 0.037 0.038 4.52% 226 7272 ヤマハ発動機(株) 3.83% 3.75% 9.5 0.041 0.019 0.071 4.36% 218 6305 日立建機(株) 3.71% 9.20% 6 0.04 0.045 0.045 4.34% 217 7732 (株)トプコン 6.55% 2.58% 6 0.07 0.013 0.045 4.26% 213 7269 スズキ(株) 4.82% 4.15% 7 0.051 0.02 0.053 4.15% 208 6770 アルプス電気(株) 3.36% 4.45% 7 0.036 0.022 0.053 3.68% 184 6136 オーエスジー(株) 5.77% 4.39% 3 0.062 0.022 0.023 3.53% 176 6143 (株)ソディック 5.01% 2.20% 4 0.053 0.011 0.03 3.15% 157 6313 (株)共立 2.10% 6.22% 5 0.022 0.031 0.038 3.02% 151 93.73% 202.64% 133 1 1 1 100.00% 5,000 合計 従来の改善と最も直接な関係にある「総利益率の増加」、そして新改善力を測る「一人当たりMVA成長率」と「CSR活動の 点数」を1:1:1 の比率で使う。それぞれの指標で会社の相対的な比率を計算し、三つの比率の平均は総合比率となってい る。 IV. 選定企業 19社の一人当たりMVA平均と日経平均の推移 19社のROIHC 16 7 14 5 8 4 15% 3 10% 6 百万円 20% 10 百万円 23,000 21,000 19,000 17,000 15,000 13,000 11,000 9,000 7,000 5,000 6 12 MVA Nikkei 25% 4 2 一人当たり営業利益 ROIHC 日本の株式市場が低迷しているなか、人 をリストラせずに一人当たりMVAが上がっ てきた19社は、市場から高く評価され、過 去10年にわたって企業の価値を伸ばした。 更に、日本の製造業全体の傾向と違って、 19社のROIHCは過去10年間で上昇して おり、人材資産への投資効率が上がって いる上に利益が上がっていることが上図 から明らかになる。 0 5% 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 1993年度 0% 1992年度 2004年3月 2003年3月 1 2002年3月 2001年3月 2000年3月 1999年3月 1998年3月 1997年3月 1996年3月 1995年3月 Nikkei ROIHCと一人当たりMVA上昇 新改善力があることの証拠 Ⅴ.ケーススタディ:ダイキン工業 ダイキン工業の概要 ダイキン工業 (単位:10億円) 700 60 600 50 500 40 営 業 30 利 益 売 400 上 高 300 20 200 売上高 営業利益 100 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 1993年度 1992年度 0 1991年度 0 10 ダイキン工業は現在業 務用エアコンにおいて 40%のシェア、家庭用 エアコンにおいて18% のシェアを持つエアコン 業界のトップ企業。 これまでの家庭用エア コンの常識を超える新 商品(うるるとさらら)や 空気清浄機を生み出し 業績を伸ばし続ける しかし、10年前(1993年 度)には経営危機に 陥っていた。 なぜダイキン工業は経常赤字に 陥っていたのか? 直接的な原因→ バブル期に大幅な設備投資を行ったが、業務用エアコン市場が不況に陥り売上が追 いつかず減価償却費などの固定費が利益を圧迫。 売上高・有形固定資産・減価償却費の推移 (単位:百万) 30,000 700,000 25,000 600,000 500,000 20,000 400,000 15,000 300,000 10,000 200,000 5,000 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 1993年度 1992年度 1991年度 0 100,000 有形固定資産合計 0 (右軸) 売上高(右軸) 減価償却費(左軸) しかし背後には・・・ 内向きの組織文化 ・従業員を重視していたものの単なる重視に終わっていた ・当時はトップダウン方式で現場の意見が会社の方針に反映さ れず従業員の不満が高かった ・明確な経営理念が打ち出されていなかったため、従業員への 理念の浸透度も低く、外部評価や外部の目を意識することもな かった 社内での自浄作用・規律機能が働かず、トップの言うま まに無謀な設備投資に走ってしまうことに・・・ 旧改善から新改善へ 1994年、現在の会長である井 上礼之が社長に就任。不明確 だった経営理念を作り直し内向 きの組織文化を変えるべく経営 改革を行う。 人をリストラせずに財務体質の 改善、グローバル化の加速、 時価総額の上昇など外部評価 を高めることを目標。明確な経 営理念を作り上げ従業員に浸 透させる。人種・年齢を問わず 適材を活用し、全社員が一つ の目標に向かって進む人を機 軸とした経営を実行。 ⇒外を意識した新改善への意 識を醸成 ダイキン工業社是 明朗な人の和 最高の信用 進取の経営 理念を明確にし て従業員に浸 透 ダイキン工業のグループ経営理念: 1.「次の欲しい」を先取りし、新たな価値を創造する 2.世界をリードする技術で、社会に貢献する 3.企業価値を高め、新たな夢を実現する 4.地球規模で考え、行動する 5.柔らかで活力に満ちたグループ 6.環境社会をリードする 7.社会との関係を見つめ、行動し、信頼される 8.働く一人ひとりの誇りと喜びがグループを動かす力 9.世界に誇る「フラット&スピード」の人と組織の運営 10.自由な雰囲気、野性味、ベストプラクティス・マイウェイ 新改善力をつけるために① フラット&スピード 従業員のモチベーションを上げるため、素早い意思決定と行動を実現する ため組織運営の方向性を変更。 6階層あった組織構造を2階層に簡素化。さらに要素技術・製品などのテー マごとにプロジェクトチームが編成され若手にもリーダーを積極的にまかせ る。結果、最前線でのアイディアを迅速に商品化するための素早い意思決 定が行われている 評価制度 実力主義を導入。「固定給+ベースアップ」だったものを全て評価主義制度に 刷新。数字による分析評価ではなく、直属の上司、またはその上の上司によ る人の目から見た評価。結果、従業員の志向を短期的な志向に陥れさせるこ となく長期的な視点にシフトさせる。 新改善力をつけるために② 人材教育 国内では経験できない幅広い業務経験や異文化体験を積み、グローバルに通 じる逞しい人材を育成することを目的とした「海外拠点実践研修」や製造業に必 須の技能を持つエキスパートを「マイスター」に任命し、後進の育成を任せるこ とで卓越技能を伝承する「マイスター制度」など多様な人材プログラムを整備。 個人にスキルアップを任せるのではなく社内を通じてそれを支援する体制を持 ち得られた知識を共有していく仕組みをもっている 環境対策 環境負荷軽減のためのビジネス活動を積極的に展開。オゾン層に影響を与え ない冷媒を用いた空調機をいち早く開発。 2002年度に制定した「ダイキングループ環境基本方針」では「環境社会をリード する」をスローガンに掲げ、地球温暖化の抑制に貢献する省エネルギー技術・ 製品開発や生産プロセスでの徹底した温室効果ガス削減を世界規模で推進し ている。 その結果・・・ ダイキン工業の収益性の改善 % ダイキン工業一人当たりMVA 40 30 25 30 百万円 20 20 15 10 10 5 従業員と会社が求める人材が一致。 従業員が環境と社会を意識しながら活動するようになる。 従業員が活動的になりチャレンジをする風土の醸成。 業績の大幅回復・一人当たり MVAの伸長 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 1999年度 売上高営業利益率 0 1993年度 売上高総利益率 1998年度 1997年度 1996年度 1995年度 1994年度 1993年度 1992年度 0 他社の無視してきた顧客ニーズに応え 画期的な機能やデザインを備えたエア コン作りに成功。(例:世界初の無給水 加湿方式で湿度調節可能なうるるとさら ら)また効率化を図るハイサイクル生産 方式も導入。 ダイキン工業からの考察 人の力を引き出して価値に結びつけるためには・・・ 経営理念を社内に浸透させ、さらに浸透させるだけでなくそれを 実際に実現するような仕組みを作ることが重要。 その際重要な要素は・・・ ①「価値観・文化と戦略が一致している」 ②「社員への投資に積極的」 ③「知識の共有が行われ、成長を促進させている」 ④「報酬と評価が適正」 ⑤「CSR・市場に対する意識が高い」 ダイキン工業は、経営理念と一貫した形で組織を作り、結果従業 員一人一人の力が引き出され、MVA成長率が高いものとなった。 VII. その他18社 ① トヨタ自動車 「ものづくりは人づくり」 会社のグローバル化 90年代 地域社会、環境、株式市場の意識 トヨタ基本理念改定、社会的視点 を投入 危機感 「トヨタウェイ2001」 顧客・社会を意識し、活用 できるような人づくり 新改善力 人間性尊重 知恵と改善 社員として共有す べき価値観と行動 指針 人材育成を全社 重点実施事項に 掲げ 、強化させる ② リコー 環境経営 経済的価値 創造 教育・能力上昇プログラム 社員の社会貢献・環境保護意識上昇 Development Program for Innovative Leaders Professional Development Program , etc. モチベーション、能力上昇 チャレンジできる環境づくり 社内公募制度 発明を促進する仕組み 新改善力 KAIZEN活動実践交流会 ③ 有沢製作所 化学材料メーカ: FPC(フレキシブル配線基盤)材料、光学用材料(レンズシート、スクリーン)、など B2Bの会社にもかかわらず、最新技術を 提供することによって社会・経済の進歩に 貢献すると考える。 市場ニーズの把握 人材教育 TQM 成果主義 社員にモチベーションを与え、 能力を最大限に引き出す 新製品比率: 2002年度-45%、2003年度-47% 売上高成長率: 2002年度-33%、2003年度-31% 新改善力 技術貢献賞制度 VII. まとめ 新改善力をつけるために… 長期雇用 人材教育 人重視 人成長 企業理念の浸透 CSR活動 市場を意識 モチベート ・理念をサポートする仕組み作り ・理念を実行 人価値 上昇 企業価値 上昇 ・企業価値上昇による 従業員の士気向上 ・長期雇用も維持できる ・企業価値が創造され資 金的余裕により従業員に 積極的投資が可能 ご清聴ありがとうございました 4月に加賀谷ゼミでお会いしましょう!
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