Document

当たり前のことが
何故出来ないのか?
全国社会保険協会連合会
社会保険相模野病院
内野直樹
2009.4.25
社会保険病院グループ
全国社会保険協会連合会(全社連)が
運営する公的病院グループ
49社会保険病院 3厚生年金病院
15000床 職員 23000人
社会保険相模野病院
神奈川県相模原市 許可病床数 170床
産婦人科、周産期に特化 NICU 20床
分娩 1300例 産婦人科手術 750例
全社連 有害事象対応指針
ハーバードマニュアルをベースに新規作成
52の病院で一斉に実施中
(2008.7.1~)
相模野病院の憲法
真実説明の宣言
(2007.10.1)
1. 事故、失敗は隠蔽せず
患者が気がつく前に話す
2. 過誤があれば謝罪する
3. 病院は個人を徹底して守るが
隠蔽した場合は許さない
4. 必ず具体的対策を講じ公表する
患者への約束
(2007.10.1)
1. 全ての事象に正確な情報公開をします。
2. 事故防止のシステムを確立し
常に改善努力を怠りません。
3. 事故が発生した場合、必ず真実を話します。
4. 原因を究明し、判明した事実、対策は
速やかに公表します。
真実説明実施後
インシデントレポートは
訴訟件数は
インシデントレポート
提出数の変化
350
300
250
200
150
100
50
0
2002年度 2004年度 2006年度 2008年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2002 年
2003 年
2004 年
2005 年
2006 年
2007 年
2008 年
訴訟などの
トラブル件数
訴訟
1
1
0
0
0
0
0
話し合い
2
2
1
1
2
0
2
真実説明実施前後の
職員の不安は何か
病院は本当に職員を守るのか
管理職は? 上司は?
基幹職員アンケート
2008年4月 2009年2月実施
回答率 67/75(89%) 45/75(60%)
方針を理解しているか
していない
している
2008
2009
実行できているか
出来ていない
多少
出来た
完璧
2008
2009
辛かったか
とても
多少
あまり
全く
2008
2009
指導できているか
出来ない
出来た
2008
2009
部署のルールはあるか
ない
ある
2008
2009
患者は怒ったか
怒った
怒らなかった
2008
2009
まだ不安があるか
ある
わからない
ない
部下を守れるか
継続するべきか
やめるべき
継続するべき
2008
2009
真実説明=クレーマー対策
職員保護
普通の人をモンスターにさせない努力
モンスター、クレーマー対策
職員に必要以上の負担をかけない
→組織として対応
導入への障壁は何か
何が邪魔になるのか?
8
7
6
5
4
3
2
1
0
統一方針
個人の資質
実地を知らない
組織の統一方針はあるか
患者も医療従事者も
不信 不安 不満
何故こんな事故が起こったのか 真実を知りたい
何か隠していないか 説明がない 謝罪がない
真実を話したい 謝罪したい でもそうしたら
病院は 上司は 守ってくれるか 切り捨てないか
やりたいけど やらせてくれない やりかたがわからない
病院の統一方針を公開
個人の資質はどうか
心の問題
正直に言おう
言いたくないな
嘘の連鎖を避ける
小さな嘘から始まって
中くらいの嘘
大きな嘘
くれない族を追放する
医師が協力してくれない
病院が動いてくれない
委員会に出席してくれない
セミナーに参加してくれない
実地を知っているのか
院内W.G.による指針の改定
時系列での分類
第1段階
役割分担 対応、治療 事実確認 報告
第2段階
説明(謝罪) 補償、サポート 職員へのサポート
第3段階
事故調(必要に応じて) 対策
誰が 何を 何処で 誰に
病院の統一見解
事象発生
現場、RM
レベル分類
GRM、管理者
レベルに応じた対応
レベルによる分類
役割分担
対応、観察
実害あり
事実確認
報告
実害なし
説明、謝罪
報告
治療、観察
説明、謝罪
対策、事故調
補償、サポート
職員へのサポート
レベル 1(無害事象)の対応
エラー発生
対応、観察
事実確認
報告
説明、謝罪
報告
対策
患者へのサポート
職員へのサポート
ま と め
1. 職員保護を徹底し、職員の不安や
不信を解消すれば、真実説明の
現場定着は容易である。
2. 職員の価値観共有には、トップの
リーダーシップが必要である。
3. 患者さんは必ず見ていてくれる。