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伸縮価格マネタリー・アプローチ
国際金融論
1
伸縮価格マネタリー・アプローチ
と購買力平価




伸縮価格マネタリー・アプローチは、購買力平価
の発展形。
購買力平価は、自国と外国の物価水準の相対
比として為替相場が決まる。
それでは、物価水準はどのように決まるのか?
↓
この問いに答えるのが、伸縮価格マネタリー・ア
プローチである。
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2
一物一価の法則



日本の市場の価格:P円
*
USの市場の価格: P ドル
円/ドル相場:S円/ドル
P  SP
*
国際金融論
3
絶対的購買力平価

絶対的購買力平価
1
*
P
P
S *
1
P
P
⇒絶対的購買力平価は、外国物価に対する自国物
価の相対的比率として表される。
⇒あるいは、自国物価の逆数(自国通貨の価値)に
対する外国物価の逆数(外国物価の価値)の相
対的比率となる。
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4
相対的購買力平価



(一定の)取引費用を考慮に入れる。
絶対的購買力平価を変化率で表現すると、
一定の取引費用を除去できる。
相対的購買力平価
*
S  PP
⇒購買力平価の変化率は、自国のインフレ
率と外国のインフレ率の差である。
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5
伸縮価格マネタリー・モデルの特徴




購買力平価が常に成立する。
物価が伸縮的である。
物価の決定は、貨幣の需給による。
為替相場決定は、貨幣の需給による。
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6
購買力平価とマネタリー・アプローチ

絶対的購買力平価
P
S *
(1)
P
 貨幣市場均衡式
M
 L(Y , i )
P
M*
*
* *

L
(
Y
,i )
*
P
(2)
(3)
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7
伸縮価格マネタリー・モデルにお
ける為替相場決定式

(1)・(2)・(3)式より、
*
*
*
M L (Y , i )
S *
M L(Y , i)

(4)
為替相場は、相対的貨幣供給量と相対的
貨幣需要量によって決定される。
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8
貨幣の需要供給が為替相場を
決める




自国貨幣供給量の増加⇒自国物価上昇
⇒自国通貨減価
外国貨幣供給量の増加⇒外国物価上昇
⇒自国通貨増価
自国貨幣需要量の増加⇒自国物価低下
⇒自国通貨増価
外国貨幣需要量の増加⇒外国物価低下
⇒自国通貨減価
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9
対数表示化したモデル

(1)・(2)・(3)式の対数表示
s  p p
*
(5)
m  p   y  i
(6)
m  p   y  i
*

*
*
*
(7)
但し、  :貨幣需要の所得弾力性、  :貨幣
需要の利子半弾力性(semi-elasticity)
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10
対数表示化したモデルにおける
為替相場決定式

為替相場決定式(対数表示)
s  (m  m* )   ( y  y* )   (i  i* )
①自国貨幣供給成長率⇒同率の自国通貨減価
②外国貨幣供給成長率⇒同率の自国通貨増価
③自国所得成長率⇒倍の自国通貨増価
④外国所得成長率⇒倍の自国通貨減価
⑤自国利子率変化⇒倍の自国通貨減価
⑥外国利子率変化⇒倍の自国通貨増価
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(8)
11
金利差にカバーなし金利平価式を代入

カバーなし金利平価式
i  i  s
*
e
(9)
但し、
s  log S
e
e
t 1,t
 log St 
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e
t 1,t
S
 St
St
12
PPP成立の下での予想為替相場変化率

相対的購買力平価
s  p  p
*

(10a)
予想為替相場変化率
*e
s  p  p
e

e
(10b)
為替相場決定式
s  (m  m )   ( y  y )   (p  p ) (11)
*
*
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e
*e
13
マネタリスト・モデルにおける予想インフレ率

マネタリスト・モデル
M  kPy

予想インフレ率
p   m
e
*e
e
p   m
(12a )
*e
(12b)
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伸縮価格マネタリー・モデルの
為替相場決定式

為替相場決定式
s  (m  m )   ( y  y )   (m  m ) (13)
*
*
e
*e
①自国の予想貨幣成長率の上昇⇒自国名
目利子率上昇⇒自国貨幣需要減少⇒自
国通貨減価
②外国の予想貨幣成長率の上昇⇒外国名
目利子率上昇⇒外国貨幣需要減少⇒自
国通貨増価
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