4. 大国マンデル=フレミングモ デル 国際金融論Ⅱ 1 概要 1. 2. 3. 4. 5. 6. 今回のねらい 大国マンデル=フレミング・モデル 政策効果 政策効果シミュレーション分析 国際マクロ経済政策協調 例題 国際金融論Ⅱ 2 1. 今回のねらい • 相互依存関係にある国同士の政策協調の 問題について理解する。 • 大国マンデル=フレミング・モデルにおけ る政策効果を理解する。 • 大国の政策効果の国際波及に関する実証 を概観する。 • 政策協調の話題に触れる。 国際金融論Ⅱ 3 2. 大国マンデル=フレミング・モデル • 前期に学んだMFモデルは であり、 外国の変数については所与(自国が影響 を与えられない)であった。 • ここでは互いに影響を与える二国を想定し、 大国MFモデルを学ぶ。 • ただし、 を念頭に、 変動相場制と完全な資本移動を仮定する。 国際金融論Ⅱ 4 大国マンデル=フレミング・モデル i (自国) i * LM (外国) LM* BP IS 0 IS* Y 0 国際金融論Ⅱ Y * 5 3. 政策効果 • 小国のケースと異なり、自国の政策発動 は世界金利や に影響を 及ぼす。 • 為替の変化も自国と外国両方のIS曲線に 影響する。ただし し、 邦貨減価(増価)は自国のTBを黒字(赤 字)化するとする。 国際金融論Ⅱ 6 3-1. 大国の財政政策 (自国) i i (外国) * LM LM* A B E E* IS’ IS’’ IS 0 BP’’ BP B* IS* Y 0 国際金融論Ⅱ IS*’’ Y * 7 大国の財政政策(続き) • • ↓ • ↓ • • 自国財政拡大、IS右シフト。 TB赤字<KA黒字、BP黒字。 IS左シフト、IS*右シフト、BP上シフト。 Y、 Y *、i、i*が上昇。 国際金融論Ⅱ 8 3-2. 大国の金融政策 (自国) i i (外国) * LM LM* LM’ BP E B IS’ A IS*’ IS 0 BP’’ E* B Y 0 国際金融論Ⅱ IS* Y * 9 大国の金融政策(続き) • • ↓ • ↓ • • 自国貨幣拡大、LM右シフト。 TB赤字、KA赤字、BP赤字。 IS右シフト、IS*左シフト、BP下シフト。 Y上昇、Y*下落、i、i*下落。 国際金融論Ⅱ 10 4. 政策効果のシミュレーション分析 • 政策発動は経済に対して にど のような影響を与え得るのか? • 様々なマクロ経済モデルに基づくシミュ レーション分析が存在する。 • 参考文献p316、p317の図に基づいて解説。 国際金融論Ⅱ 11 財政政策効果のシミュレーション結果 • 自国への影響 – 所得↑、利子率↑、経常収支↓ • 外国への影響 – • 為替への影響 – 自国通貨増価 • 概ねMFモデルの示唆と整合的。 国際金融論Ⅱ 12 金融政策効果のシミュレーション結果 • 自国への影響 – • 外国への影響 – 所得?、利子率↓、経常収支? • 為替への影響 – 自国通貨減価 • 自国所得↑に伴う自国輸入↑と、自国通貨減価に 伴う自国輸出↑輸入↓の影響が相殺し合い、外国 所得および経常収支への影響は不明瞭。 国際金融論Ⅱ 13 5. 国際マクロ経済政策協調 • 国同士が相互依存関係を持つ世界では、 各国が が望 ましくないケースがあり得る。 • こうしたケースでは各国が経済政策面で協 調的な行動をとることが正当化され得る。 国際金融論Ⅱ 14 「失業の輸出」ゲーム 自国が縮小 自国が拡張 外国が縮小 両国で不況;TB=0 外国に有利なTB 外国が拡張 自国に有利なTB 両国でブーム;TB=0 国際金融論Ⅱ 15 非協力均衡の帰結 • ナッシュ均衡では 、 (自国が拡張, 外国が拡張)の方が両国に とって望ましい。 • 国際的な政策協調によって両国にとってよ り良い均衡を実現可能(機関車戦略の例)。 国際金融論Ⅱ 16 6. 例題 • 大国のマンデル=フレミングモデルに基づ いて以下の問いに答えよ。 1. 外国の財政緊縮効果について図を用い て説明せよ。 2. 外国の金融緩和効果について図を用い て説明せよ。 国際金融論Ⅱ 17
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