富士山の謎をさぐる 富士火山の地球学と防災学 日本大学文理学部地球システム科学教室 築地書館 総合科学専攻 1年 30416011 後藤星菜 ◆ 本の構成 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 富士は日本一の山 噴火する富士山 富士山の空と水 富士山の火山災害と恵み 富士山の火山災害にかんするなんでもQ&A Ⅰ 富士は日本一の山 ◆富士山が日本でいちばん高いわけ 富士山が高い理由として大量に噴出したマグマのみでは、 マグマだまりが空になるため、逆にへこんでしまう。 ❔ではなぜ、富士山はへこまず高くなったのか そこで富士山の構造について考える。 富士山の構造 図のように富士山は、広く緩やかな裾野と、急傾斜の円錐形火 山体からなる。 ❕結論:下に土台となる楯状火山があったため、へこまず高くなった Ⅱ 噴火する富士山 ◆予想される巨大地震と富士山の噴火 ・関東地震は、繰り返し周期が200年と長い →数十年内に来る可能性 低 ・南海、東南海地震→数十年内に来る確率 50% (地震調査委員会) ○仮に東海地震が南海・東南海地震と連動したら ・震源域…600km以上 ・マグニチュード…8越えは確実(1707年宝永地震に匹敵) ○巨大地震と富士山の噴火が連動したら ・考えられる災害…溶岩、火山灰、大津波 ※噴火と連動するには、富士山も噴火できる状態にあることが条件 Ⅲ 富士山の空と水 ◆富士五湖はどのようにしてできたのか 富士五湖……山中湖・河口湖・本栖湖・西湖・精進湖 ○富士五湖のでき方 西暦864年貞観の大噴火 ↓ (富士五湖のでき方 続き) ↓ 青木ヶ原溶岩が噴出、現在の本栖湖に突入 さらに「せの海」に突入 ↓ 「せの海」が分断→精進湖、西湖 ❕ 富士山のふもとの低所に生じた河川が、噴出された 溶岩などにより河川の出口、入口をふさいで湖が完成した Ⅳ 富士山の火山災害と恵み ◆富士山のハザードマップ ・自然災害を回避するために危険な地区を予想して表した図 ・火山ハザードマップは災害をもたらす可能性がある現象が 及ぼす範囲も示す これまで観光客の不安を煽ることを考慮して消極的であったが、 2000年有珠山の例などにより国主体で作成に至った。 ◆ハザードマップはどのように作られたか ○噴火の規模: 噴出量に基づき大・中・小に三区分 ○想定する噴火現象: 過去3200年の記録より、溶岩流、降灰、 噴石、火砕流、火砕サージ、融雪型火山泥流、 降灰後の降雨による土石流を想定 ○想定火口位置: 3200年前以降の火口の実績図に基づき 推定火口を大規模・中・小に三区分 Ⅴ 富士山の火山災害にかんする なんでもQ&A Q.史料の内容の信憑性はどのように検証するか? A.直接見た人が書いたもの、(小山先生によると)歴史上の報告書 にあたる文書などは地質調査結果に一致し、信憑性は高い。 後世に伝聞され記述されたもの、歴史学者の創作のような史料は 信憑性は低くなる。 Q.富士山が噴火した場合の生き物への影響 A.溶岩流・火砕流は高温のため焼かれ埋め尽くされるが、数年後 には生物相も回復。 火山灰が降り積もった場合は、植物の枯死、動物も餌・生活の場 を失う。また灰は呼吸器を傷め、川に流れ出ると水質を悪化させ 生態系に深刻な悪影響を及ぼす。日射量を遮る気象災害も考え られる。
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