国家試験ニュース 9月号

国家試験ニュース 12月号
状況設定問題へのアプローチ
国家試験ニュース9月号において、看護師国家試験に関する必修問題をとりあげました。そこで12
月号は、状況設定問題について紹介します。この状況設定問題は、看護師国家試験のみならず、保
健師国家試験においても出題されます。状況設問題とは、1題につき3問で構成さ
れる文章問題で、患者の年齢や性別、症状、検査値、言動などが設定され、状況を読み取って疾患
を判断したり、対応を問われる形式の問題です。この状況設定問題は、看護師国家試験のみならず、
保健師国家試験においても出題されます。今月号では、保健師国家試験の状況設定問題を紹介し
ます。正解部分を赤いシートで隠してから問題にチャレンジして下さい。
<国家試験対策係からのお知らせ>
国家試験対策係では,国家試験(看護師国家試験と保健師国家試験)全般に関する質問や相談
を学生の皆さんから随時受け付けています。遠慮することなくドシドシ下記メールアドレスか東北福
祉大学保健看護学科のホームページにアクセスし、質問や相談をお寄せください。お待ちしておりま
す。
・国家試験に関する質問や相談の問い合わせ先 [email protected]
・東北福祉大学ホームページ→学部案内から健康科学部をクリック→保健看護学科(青い文字の部分)をクリッ
ク→学科専用サイトをクリック→お問い合わせ先のアドレス(青い文字)をクリック
2001年(87回) 保健師国家試験で出題された状況設定問題 -災害保健活動-
次の文を読み【問題1】,【問題2】,【問題3】に答えよ。
A町は人口1万人。海岸沿いに集落が細長く点在している。診療所は3つあり,町保健センターには保健
師が4人いる。午後3時頃,地震と直後に発生した津波の被害でA町のB地区1000世帯,2000人が家屋を
失った模様であるとの情報が保健センターに入った。保健師3人に避難所への出勤の指示が出された。救急
薬品・材料などは調達でき次第届けられるとのことであった。
【問題1】 道路も寸断されているため,A町のK保健師は徒歩で事務職員と一緒に指示された避難所に向っ
た。途中,倒壊した家屋の横に意識を失って倒れている青年と,そばに立っている老人を見つけた。青年の
右大腿の傷口から暗赤色の血液が大量に流れ出しており,骨折も疑われた。K保健師は直接圧迫止血法を
行ったが止血しなかった。次にK保健師が行った一連の処置で誤っているのはどれか。
1.青年のベルトを止血帯として利用した。
2.止血帯を大腿に巻いた。
3.止血帯を巻いた時刻を油性サインペンで青年の額に書いた。
4.2時間経過したら血が少し出るまで止血帯を緩めるように老人に説明した。
【問題2】 被災2日後, K保健師が担当する避難所に近隣市町村から医療関係者のほか,3人の保健師が
到着した。 K保健師の活動で優先されるのはどれか。
1.避難所住民への健康相談
2.被災地区の障害者(児)宅への訪問
3.被災地区の環境安全の点検
4.避難所住民への消毒・清潔指導
【問題3】 約3週間の避難所生活の後,住民が仮設住宅に移り10ヶ月が経過した。 K保健師が担当する
350世帯の仮設住宅でも半数の住民が退去した。 K保健師の活動として適切なのはどれか。
1.定住先の確保
2.インターネットによる住宅情報の提供
3.夜間の防犯組織の構築
4.セルフケアグループの育成
2001年(87回)保健師国家試験状況設定問題の正解
問題1-4 問題2-2 問題3-4