none

回転している時の速度 変更あり
点Pが点Aのまわりに円運動をしているとする。
このときの角速度ベクトルをωとする。
回転軸上の点Oから点Pへの動径ベクトルをrとする。
点Pの速度は、
v  ω r
A

で書ける。

P
r
O
問1.上の式の両辺の単位を調べよ。
問2.上の式を証明せよ。
1
角運動量の運動方程式
力のモーメントと角運動量の間に
以下が成立する。
dL
N
dt
問題
変更あり
F
m
L  r  mv
N  rF
(1)
力のモーメントによって、
回転の勢いが変化する。
r
O
L  r  mv
の両辺を時間で微分することにより、
(1)式を証明せよ。途中で運動方程式 ma  F を用いる。
ただし
d
dA
dB
A  B    B  A 
dt
dt
dt
を使うこと。
高校の物理では、(1)は独立に覚える人も多いが、
実際はニュートンの運動方程式から導かれる。
2
角運動量保存則
もし質点にかかっている
力のモーメントが0なら、
dL
0
dt
角運動量
dL
N
dt
N  rF
L  r  mv
F
m
r
O
L は一定になる。
クイズ: スケーターが回転している間に、
広げていた腕をひきつけると、回転速度はどう変わるか?
剛体を考える前に、
多重積分を説明する。
4
多変数の積分を考える前に。
1変数の積分は高校で勉強した通り。
F ( x)   f ( x)dx
dF ( x )
 f ( x)
dx
y  f (x)
傾き
g’(x0)
y=g(x)
x1

x2
x1
x2
x
f ( x)dx
積分は図形的には、
面積を表す。
x0
x
微分は図形的には、
傾きを表す。
5
多変数の積分を考える前に。
1変数の積分は高校で勉強した通り。
F ( x)   f ( x)dx
dF ( x )
 f ( x)
dx
y  f (x)
傾き
g’(x0)
y=g(x)
x1

x2
x1
x2
x
f ( x)dx
積分は図形的には、
面積を表す。
x0
x
微分は図形的には、
傾きを表す。
6
復習
偏微分:2変数以上の関数である1つの変数について微分する。
p ( x, y )
 q ( x, y )
x

x
:xについて微分する。(yを一定とみる)
「偏微分」と呼ぶ。
図形的には、z=p(x,y)の関数を、
y一定の断面で見た時の、傾き
z
y
x
7
次に多変数の積分を定義します。
8
2変数の積分
F ( x, y )   dy dx f ( x, y )
2段階で定義。
g ( x, y )   dx f ( x, y )
F ( x, y )   dyg ( x, y )
g ( x, y )
 f ( x, y )
x
F ( x, y )
 g ( x, y )
y
順番に積分すればよい。
大部分の場合は積分順序によらないので、
積分しやすい方を先にすればよい。
z=f(x,y)
図形的には、曲面z=f(x,y)の下の体積
次のページに詳しい説明。
y
x
9
積分の幾何学的意味
y=f(x)
y
1変数の積分:曲線の下の面積
 f ( x)dx
x
0
図のような微小な幅の帯を考えると、
幅がdx, 高さがf(x)。
これの和が積分なので、面積に対応する。
f(x)
dx
2変数の積分:曲面の下の体積
 dx  dy f ( x, y)
f(x,y)
dx
次のページに例。
dy
10
重積分の例
d
a
c
I   dx  dy f ( x, y )
f ( x, y)  x3 sin y
1
b
の場合

1

I   dx dyx sin y   x dx 2 dy sin y
0
2
0
3
3
0

 x4 
1
1
2
   cos y 0   1 
4
4
4
0
2変数の積分:曲面の下の体積
f(x,y)=xyのグラフ
y
f(x,y)
dx dy
問題
z=xy, xy平面、x=a, y=bで
x
囲まれる立体の体積を求めよ。(a>0, b>0)
特に、a=10, b=10の時、体積はどうなるか?
辺の長さが10,10,100の直方体の何パーセントの体積か? 12
解答
 dx  f ( x, y)dy
10

0
のf(x,y)に、xyを代入する。
10
10
10
0
0
0
dx xydy   xdx
10
10
x   y 
ydy     
 2 0  2 0
2
2
を計算すればよい。
13
ここから物理にもどる。
剛体とは。
慣性モーメント
14
剛体とは
教科書
p.65
大きさを持った物体。
しかし、変形、膨張圧縮はしない。
形や体積は一定。
(形や体積が変わる場合は、
弾性体力学や流体力学で考える。)
質点の集まりと考えればよい。
15
剛体の場合の角運動量
質点の角運動量は、
L  r  mv
質点系の場合、質点miの位置、速度をri, viとして、
L   ri  mi vi
i
質量が連続的に分布している場合は積分で置き換える。
 ( x, y, z)
L   (r  v)  ( x, y, z )dxdyd z
密度:単位体積中の
質量。
dz dy
dx
r
o
16
v
 ( x, y, z)
の意味
場所(x,y,z)によって値が違う。
1変数だとf(x)など。
例:人間は場所によって密度が違う。
頭は密度が高い。
手は密度が低い。
17
角運動量に戻ると、
角速度ωで回転している、物体の角運動量は、 (質点の場合)
L  r  mv
密度をρとして、
v  ω r
L   (r  (ω  r ))dxdydz
(以前やった)
問題 r=(x,y,z), ω=(ωx,ωy,ωz)を使って、
角運動量は以下のように書けることを示せ。
L  Iˆω
 I xx

ˆ
但し、
I   I yx
 I zx
2
2
I xx   ( y  z ) dxdydz
I xy    xy dxdydz
I xy
I yy
I zy
I xz 

I yz 
I zz 
^:ハットと読む。
18
解答
L   (r  (ω  r ))dxdydz
に成分を代入する。
ω  r  y z  z y, z x  x z, x y  y x
 y  x y   y x   z ( z x   x z ) 


r  ω  r    z (y z   z y )  x( x y   y x) 


 x( z x   x z )  y (y z   z y ) 
 ( y 2  z 2 )  xy  zx   x 

 
   xy ( z 2  x 2 )  yz   y 

 
2
2
  zx  yz ( x  y )  

 z 
各成分に
dxdydz
をかけて積分する。
19
教科書p.71
角運動量の続き
 I xx

Iˆ   I yx
 I zx
前問より、
L  Iˆω
I xx   ( y  z ) dxdydz
2
2
I xy
I yy
I zy
I xz 

I yz 
I zz 
I xy    xydxdydz
対角成分を慣性モーメントと呼ぶ。(非対角成分は、慣性乗積)。
慣性モーメント
慣性モーメントを書き換えると、
I   r dm
2
rは軸までの距離。
例えばIxなら、x軸までの距離は、
r2=y2+z2
dmは質量の微小部分
21
慣性モーメントが大きいと、
・回し始めは回りにくい。
・いったんある速度で回ると、止まりにくい。
微小部分とは
数学的には、
x
dx
(デルタx) xの差(有限)
difference of x
x  x2  x1
(ディーx)
微小の(無限に小さい)x
differential of x
図に描くときは、dxは有限の大きさで書く。
(無限に小さいと見えないため。)
dx
x   dx
x
微小部分をたくさん加えると、
全体の長さになる。
いろいろな微小部分
dx
長さの微小部分
x   dx
微小部分dxの和は、全体の長さ
曲線の場合も同様
ds
s   ds
微小長さの和は、曲線全体の長さ
面積の微小部分
S   dS
surface
曲面の面積は、
微小面積dSの和。
体積の微小部分
V   dV
微小体積をたくさん加えると
全体の体積になる。
volume
質量の微小部分
微小質量をたくさん加えると、
全体の質量になる。
m   dm
1次元
dx
dm  dx 
線密度(単位長さ当たりの質量)
2次元表面なら、
dm  dxdy

面積密度(単位面積当たりの質量)
3次元の立体なら、
dm  dxdydz

密度(単位体積当たりの質量)
剛体の運動
重心の運動以外に、「回転」を考える必要がある。
力のモーメント
dL
dt
N
N  rF
角運動量Lは、剛体の場合は、
前回の計算より、
L  Iˆω
行列
Iˆ
F
m
r
ω 回転ベクトル
の対角成分が慣性モーメント。
慣性モーメント
I   r 2 dm
dmは質量の微小部分
rはdmから軸までの距離。
軸が大事。
25
同じ剛体でも、軸が違えば、慣性モーメントが違う。
慣性モーメントを求めてみよう。
26
慣性モーメント
I   r 2dm
rは軸までの距離。
dmは質量の微小部分
ある軸の周りの回転しにくさを表す量
問題 質量M、長さ2ℓの細い一様な棒の、
図の軸(中心を通る)の周りの慣性モーメントを求めよ。
2ℓ
教科書p.71
27