ミクロ経済学 (9)競争の効率性 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2014年6月23日 復習/1 価格とは英語で price 数量を英語で quantity 需要を英語で demand 2014/6/23 ミクロ経済学 9 2 復習/2 かき氷の価格 イチローのかき氷 に対する需要曲線 価格から数量を見る 100円 需要曲線の見方 かき氷の数量 6杯 2014/6/23 ミクロ経済学 9 3 復習/3 P 嗜好変化後の 需要曲線 当初の需要曲線 辛党が増えたとする (嗜好の変化) かき氷の需要曲線 の左シフト Q 2014/6/23 ミクロ経済学 9 4 復習/8 この価格ならば買っても良いと考える金額が支払い意欲 消費者余剰は支払い意欲と実際に支払った金額の差 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間 価格の下落によって消費者余剰は増える 元から買っている消費者は価格下落分だけ利益を得る 新たな買い手の消費者余剰は価格下落分よりも小さい 2014/6/23 ミクロ経済学 9 5 復習/5 価格 A 消費者余剰 価格 P C B 需要曲線 数量 数量 Q 2014/6/23 ミクロ経済学 9 6 復習/5 価格とは英語で price 数量を英語で quantity 供給を英語で supply 2014/6/23 ミクロ経済学 9 7 復習/6 かき氷の価格 真央のかき氷 に対する供給曲線 価格から数量を見る 150円 かき氷の数量(杯) 7 2014/6/23 ミクロ経済学 9 8 復習/7 P 冷害以降の お米の供給曲線 冷害の被害に遭う (自然環境の変化) 左シフト 当初のお米の 供給曲線 Q 2014/6/23 ミクロ経済学 9 9 復習/8 価格 価格線と供給曲線の 間の領域が生産者余剰 供給曲線 7000 数量 0 2014/6/23 3 ミクロ経済学 9 10 復習/9 価格 総余剰 供給曲線 P 需要曲線 数量 Q 2014/6/23 ミクロ経済学 9 11 復習/10 消費者余剰は取引による消費者の利益 生産者余剰は取引による生産者の利益 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間 生産者余剰は供給曲線と水平な価格線の間 価格の上昇によって生産者余剰は増える 元から売っている生産者は価格上昇分だけ利益を得る 新たな売り手は価格上昇分よりも小さい生産者余剰が 発生する 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 総余剰は便益から費用を引いた額 2014/6/23 ミクロ経済学 9 12 消費者余剰,生産者余剰,総余剰 消費者余剰=支払い意欲-価格 生産者余剰=価格-費用 ここで支払い意欲を便益に替える.便益の一つの例 消費者余剰=便益-価格 生産者余剰=価格-費用 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 総余剰=消費者余剰+生産者余剰 W=CS+PS 2014/6/23 ミクロ経済学 9 13 消費者余剰,生産者余剰,総余剰 消費者余剰 CS =便益-価格 生産者余剰 PS =価格-費用 総余剰Wは消費者余剰と生産者余剰の和 総余剰=消費者余剰+生産者余剰 W=CS+PS=(便益-価格)+(価格-費用) 価格はプラスとマイナスで消える W=CS+PS=便益-費用 総余剰は消費者の便益から企業の費用を引いた額 2014/6/23 ミクロ経済学 9 14 便益 価格 便益(需要曲線の下側) 供給曲線 P 需要曲線 数量 Q 2014/6/23 ミクロ経済学 9 15 費用 価格 供給曲線 費用(供給曲線の下側) P 需要曲線 数量 Q 2014/6/23 ミクロ経済学 9 16 総余剰は便益から費用を引いた額 価格 総余剰 供給曲線 P 需要曲線 数量 Q 2014/6/23 ミクロ経済学 9 17 効率と公平 総余剰が最大化された状態を効率的という 反対に非効率であれば経済主体の間で取引をするこ とによって余剰を増やす余地がある 言い換えればこれ以上取引をしても利益がもう生ま れない状態が効率的な状態である 様々な価格は所得分配を変える 他に公平性(衡平性)を考える事もある 効率性はパイをどれだけ大きくするか 公平性はそのパイをどのように平等に分けられるか 公平性を評価する方が難しい 2014/6/23 ミクロ経済学 9 18 均衡価格と取引量 費用(円) 10000 需要曲線 イチロー,ダル,マー君が需要 真央,羽生,明子が供給 供給曲線 8000 均衡価格5000円 5000 均衡点 3000 2000 均衡取引量 枚数 1 2014/6/23 2 3 4 5 ミクロ経済学 9 19 イチローCS=5000 ダルCS=3000 マー君CS=0 真央PS=3000 羽生PS=2000 明子PS=0 均衡点の総余剰 費用(円) 10000 8000 5000 3000 2000 総余剰 =5000+3000+3000+2000 =13000 取引量 枚数 1 2014/6/23 2 3 4 5 ミクロ経済学 9 20 均衡取引よりも過小 費用(円) 価格8000円,一枚 イチローCS=2000 真央PS=6000 ダル,マー君は購入 しない.羽生,明子 は供給しないとする 総余剰=8000 競争均衡の総余剰 よりも小さい 10000 8000 5000 3000 2000 取引量 枚数 1 2014/6/23 2 3 4 5 ミクロ経済学 9 21 均衡取引よりも過大 費用(円) マイナス 10000 8000 5000 4000 3000 2000 価格4000円,4枚 イチローCS=6000 ダルCS=4000 マー君CS=1000 北島CS=0 真央PS=2000 羽生PS=1000 明子PS=-1000 大輔PS=-4000 総余剰=9000 枚数 1 2014/6/23 2 3 4 5 ミクロ経済学 9 競争均衡の総余剰 22 よりも小さい 競争均衡の総余剰は最大化される 競争均衡の総余剰=13000 過小な生産の時の総余剰=8000 過大な生産の時の総余剰=9000 他の取引量でも競争均衡の総余剰を上回ること はできない 競争均衡は総余剰を最大化させるという 意味で望ましい性質を持っている 2014/6/23 ミクロ経済学 9 23 総余剰あるいは経済厚生 価格 取引量を減らした時の総余剰 需要曲線 供給曲線 P1 便益が費用を上回る から生産を増やした 方が良い 便益 費用 数量 Q1 2014/6/23 ミクロ経済学 9 24 総余剰あるいは経済厚生 価格 需要曲線 総余剰 マイナス部分 P2 P 供給曲線 便益 費用 Q2 2014/6/23 便益が費用を下 回るから生産 を減らした 方が良い ミクロ経済学 9 数量 25 なぜ均衡点で総余剰は最大か? 需要曲線と供給曲線の交点では便益(支払意欲)と費 用が等しい これは総余剰を最大化させている.なぜか? 1. 均衡取引量よりも過小な生産では,便益が費用を 上回る.増産は総余剰を増やすことを意味 2. 均衡取引量よりも過大な生産では,便益が費用を 下回る.減産は総余剰を増やすことを意味 均衡点では生産量を増やしても減らしても総余剰 は増えない.よって総余剰は最大になっている 2014/6/23 ミクロ経済学 9 26 余剰と経済厚生のまとめ 消費者余剰は取引による消費者の利益 生産者余剰は取引による生産者の利益 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間 生産者余剰は供給曲線と水平な価格線の間 価格の上昇によって生産者余剰は増える 元から売っている生産者は価格上昇分だけ利益を得 る 新たな売り手は価格上昇分よりも小さい生産者余剰 が発生する 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 均衡点では総余剰が最大化される 2014/6/23 ミクロ経済学 9 27
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