ミクロ経済学 (8)生産者余剰 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2014年6月16日 復習/1 価格とは英語で price 数量を英語で quantity 供給を英語で supply 2014/6/16 ミクロ経済学 8 2 復習/4 かき氷の価格 真央のかき氷 に対する供給曲線 価格から数量を見る 150円 かき氷の数量(杯) 7 2014/6/16 ミクロ経済学 8 3 復習/3 P 冷害以降の お米の供給曲線 冷害の被害に遭う (自然環境の変化) 左シフト 当初のお米の 供給曲線 Q 2014/6/16 ミクロ経済学 8 4 復習 この価格ならば買っても良いと考える金額が支払い意欲 消費者余剰は支払い意欲と実際に支払った金額の差 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間 価格の下落によって消費者余剰は増える 元から買っている消費者は価格下落分だけ利益を得る 新たな買い手の消費者余剰は価格下落分よりも小さい 2014/6/16 ミクロ経済学 8 5 企業の儲けと生産 アルバイトをするとアルバイト代が貰えて嬉しい. しかし,疲れたり他の活動ができなくなる 企業は財を販売することによって収入を得る しかし,財を生産するには費用がかかる ここで考えている費用は既に学んだ機会費用の概念 で捉えたもの. 生産のために諦めたものの価値が機会費用 収入が費用を上回れば生産を行う 真央のアイスショーの費用が2000円とする. 収入が4000円出演する.1000円だと出演しない 2014/6/16 ミクロ経済学 8 6 生産者余剰 収入から費用を差し引いた残りが企業の利益 この残り即ち余剰が生産者余剰 真央はアイスショーを一回出演するか考えている アイスショーの価格が収入になる アイスショーの価格が7000円ならば真央の余剰は 7000-2000=5000 (円) この5000円が真央の生産者余剰だ 真央の他に羽生,鈴木明子,高橋大輔,村上佳菜子 各々の費用は違うときに販売の決定や余剰は? 2014/6/16 ミクロ経済学 8 7 アイスショーの売り手と費用 売り手 2014/6/16 費用(円) 真央 2000 羽生 3000 鈴木明子 5000 高橋大輔 7000 村上佳菜子 10000 ミクロ経済学 8 8 アイスショーの費用のグラフ 費用(円) 10000 8000 明子の大輔の費用 羽生の 費用 織田の費用 費用 真央の 費用 費用を 低い順に並べる 5000 3000 2000 枚数 1 2014/6/16 2 3 4 5 ミクロ経済学 8 9 アイスショーのチケットは何枚売れる 各人の費用を小さい額から並べた 価格>費用→ 販売を増やす 価格<費用 → 販売を控える 価格が高ければ沢山販売できる 実際に売れる枚数(数量) → 価格=費用 価格が7000円だったら何枚売れる? 売り手の費用から供給表を作る 2014/6/16 ミクロ経済学 8 10 価格帯 9000から7000 費用 売り手の数 売り手 7000 4 真央,羽生,明子,大輔 7000からら5000 5000 3 真央,羽生,明子 5000から3000 3000 2 真央,羽生 3000から2000 2000 1 真央 0 いない 2000未満 2014/6/16 ミクロ経済学 8 11 価格と販売量 費用(円) 10000 価格から販売量が分かる 供給曲線と同じ機能 3枚は売る 8000 7000 5000 価格は7000円 4枚は売らない 3000 2000 枚数 1 2014/6/16 2 3 4 5 ミクロ経済学 8 12 費用と供給量 費用(円) 10000 8000 7000 5000 真央,羽生,明子が供給 明子の 費用曲線の枠線が供給曲線 羽生の 費用 費用 真央の 費用 価格は7000円 3000 2000 供給量 枚数 1 2014/6/16 2 3 4 5 ミクロ経済学 8 13 供給曲線(価格から数量へ) 価格 P 供給曲線 数量 Q 2014/6/16 ミクロ経済学 8 14 供給曲線=費用曲線 最後の一個の費用が収入(価格)よりも下回る或いは 等しいときに販売する 価格と費用が一致している費用を持っている売り手 は限界的売り手.その販売個数が市場での供給 価格=費用→販売量 これは供給曲線と同じ 価格に対して販売しようとする数量 この費用曲線は各数量から1単位増えたときに増加 する費用.これは限界費用と同じ 2014/6/16 ミクロ経済学 8 15 生産者余剰 生産者余剰は売り手の収入から生産のための費用を 差し引いた額である 生産者余剰=収入ー費用 生産者余剰を英語で Producer Surplus と言う 生産者余剰を記号 PS で省略して表す 真央の生産者余剰を正確には個別生産者余剰という 市場全体の生産者余剰を総生産者余剰と呼ぶ 生産者余剰は個別生産者余剰と総生産者余剰の両方 の意味でしばしば使われる どちらなのか自分で判断 2014/6/16 ミクロ経済学 8 16 費用と生産者余剰 費用(円) 総生産者余剰 10000 8000 7000 5000 真央のPS=7000-2000=5000 羽生のPS=7000-3000=4000 明子のPS=7000-5000=2000 真央 羽生 明子 のPS のPS のPS 価格7000円 供給曲線 3000 2000 供給量 枚数 1 2014/6/16 2 3 4 5 ミクロ経済学 8 17 生産者余剰の計算 価格が7000円の時のPSの計算 真央の個別生産者余剰=7000-2000=5000 羽生の個別生産者余剰=7000-3000=4000 明子の個別生産者余剰=7000-5000=2000 総生産者余剰=5000+4000+2000=11000 個別を全て足し合わせると総生産者余剰になる グラフにおいて生産者余剰は供給曲線と価格線及 び縦軸の間の領域で表現できる 2014/6/16 ミクロ経済学 8 18 供給曲線と収入/2 価格 供給曲線 7000 四角の面積=収入 数量 0 2014/6/16 3 ミクロ経済学 8 19 供給曲線と費用 価格 供給曲線 7000 台形の面積=費用 数量 0 2014/6/16 3 ミクロ経済学 8 20 生産者余剰=収入ー費用 収入 = 2014/6/16 - 費用 生産者余剰 ミクロ経済学 8 21 供給曲線と生産者余剰 価格 供給曲線 生産者余剰 7000 数量 0 2014/6/16 3 ミクロ経済学 8 22 ボーカロイドを作っている会社 AH-Software (株式会社AHS) 尾形友秀社長 ボーカロイドとは 東北ずん子 ヤマハ株式会社 とポンペウ・ファブラ大学(ス ペイン)の共同研究から出発 初音ミクの特許出願について 楽しいソフトにも様々な技術や人々が係わる 会社概要 2014/6/16 ミクロ経済学 8 23 価格の上昇の効果 時給が上がると嬉しい.生産者余剰でどう表現? アイスショーの価格が9000円に上昇した 真央のPS=9000-2000=7000 真央の生産者余剰は5000円から2000円分増加した 羽生のPS=9000-3000=6000 .PSは2000円分増加 明子のPS=9000-5000=4000.PSは2000円分増加 既存の売り手は価格上昇分だけ余剰が増加 新たに高橋大輔が販売する 高橋大輔のPS=9000-8000=1000 2014/6/16 ミクロ経済学 8 24 価格上昇と生産者余剰 費用(円) 真央の生産者余剰の増加 羽生の生産者余剰の増加 明子の生産者余剰の増加 大輔の生産者余剰 新しい価格9000円 10000 9000 8000 7000 5000 元の価格7000円 供給曲線 3000 2000 新しい供給量 枚数 1 2014/6/16 2 3 4 5 ミクロ経済学 8 25 価格上昇後の生産者余剰 費用(円) 真央のPS 羽生のPS 明子のPS 大輔のPS 10000 9000 8000 新しい価格9000円 5000 供給曲線 3000 2000 新しい供給量 枚数 1 2014/6/16 2 3 4 5 ミクロ経済学 8 26 価格の上昇は既存と新規の生産者 への効果をもたらす 既に売っている人には均等に価格上昇分だけの 利益が増える 価格上昇によって新たな生産者が現れる 新たに発生した生産者余剰は価格上昇分よりは 小さい 2014/6/16 ミクロ経済学 8 27 価格上昇,供給曲線,生産者余剰 価格 新価格 P’ 既存の売り手の生 新たな売り手の生産者 産者余剰の増加 余剰の増加 D 元価格P C A 供給曲線 E B 元の生産者余剰 数量 0 2014/6/16 Q ミクロ経済学 8 Q’ 28 消費者余剰と生産者余剰 価格 供給曲線 消費者余剰 P 生産者余剰 需要曲線 数量 Q 2014/6/16 ミクロ経済学 8 29 経済厚生 経済学では自由な競争は効率をもたらすと考える 価格制限は余剰や不足をもたらした.そのような事 態がないだけでなくある種の優れた点を持つ 経済厚生あるいは総余剰とは取引をしている全ての 主体の望ましさを表す 買い手と売り手がいた 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 政府がある場合はそれに政府税収をさらに加える 需要曲線と供給曲線の交わる点である完全競 争市場の均衡では総余剰が最大化される 2014/6/16 ミクロ経済学 8 30 余剰と経済厚生のまとめ 消費者余剰は取引による消費者の利益 生産者余剰は取引による生産者の利益 消費者余剰は需要曲線と水平な価格線の間 生産者余剰は供給曲線と水平な価格線の間 価格の上昇によって生産者余剰は増える 元から売っている生産者は価格上昇分だけ利益を得 る 新たな売り手は価格上昇分よりも小さい生産者余剰 が発生する 総余剰は消費者余剰と生産者余剰の和 均衡点では総余剰が最大化される 2014/6/16 ミクロ経済学 8 31
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