現代の金融入門 第3章 金融政策と中央銀行

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村杉なつみ
公開市場操作(オペレーション)
日本銀行が行う金融政策の最も代表的な手段。
日本銀行が金融機関に資金を供給したり、逆に吸収し
たりするために行う取引のこと。
金融機関同士が資金を融通し合う場である短期金融市
場における資金の需給関係に影響を与え、同市場の
金利(無担保コールレート<オーバーナイト物>)を
誘導する。
名目利子率
貸借契約上の金利
⇒予想インフレ率調整前の市場利子率。
実質利子率
名目利子率-予想インフレ率
⇒予想インフレ率調整後の市場利子率
金利が支払われるときの物価を考慮して
評価した金利のこと。
予想インフレ率が変化することで、名目利子率と実質利子率
の値は異なる。
金融政策を有効にするために
重要となるのは、予想インフレ率を考慮した実質利子率
自然利子率
様々な価格が需給を反映して瞬時に調整されるという
仮の世界で成立している実質の利子率のこと。
この仮想経済では、各商品の需給が一致しているため
効率的な資源配分が実現している。
自然利子率は望ましい資源配分を実現するための
実質利子率の水準。
そこで中央銀行は金利政策として・・・
現実の実質利子率が自然利子率と乖離しないよ
うに金利コントロールを行う!
しかし
中央銀行が直接的にコントロール可能なのは、
実質利子率ではなく名目利子率
金融政策を有効なものにするためには・・・
予想インフレ率を安定化させることが不可欠!!
実質利子率<自然利子率
投資超過によるインフレが発生!?
名目利子率を引き上げる
実質利子率>自然利子率
投資不足によるデフレが発生!?
名目利子率を引き下げる
テイラールール
実際の金融政策の運営と近似できる式
政策金利
=а×インフレ率ギャップ+β×需給ギャップ+定数項
実際のインフレ率が適正水準を上(下)回った
⇒ 政策金利を引き上(下)げる
経済の総需要が供給能力を上(下)回った
⇒ 政策金利を引き上(下)げる
フィリップス曲線
賃金上昇率と失業率は逆相関の関係にあるとする考え方
失業率が高くなる
⇒賃金上昇率は低くなる
失業率が低くなる
⇒賃金上昇率は高くなる
景気よくして失業を減ら
すためには、ある程度の
物価上昇も受け入れなけ
ればならない
景気と物価安定の間のトレードオフ
しかし
労働市場の需給関係が同じでも、将来高いインフレ率が予
想される場合には、高い賃金上昇率が労働者から求めら
れ、企業もそれも受容するはずなので・・・
フィリップス曲線においても、
将来インフレ率を考慮していく必要がある!!
ここまでの中で・・・
経済の動きは将来インフレ率、つまり人々の将来に
関する予想(あるいは期待)によって
強く左右される特性をもつということがいえる。
・・・満期までの残存期間の長さに応じて利子率の
値がどのようになっているのかということ。
決定には期待仮説と呼ばれる考え方が基本となる。
期待仮説
不確実性が存在せず投資家は長短金利に関して正確
な期待を形成する。
⇒ある期間の長期金利は、その期間の短期金利の期待値
の平均に等しくなる。
取引コストはかからず長短期金融市場で資金を自由に移
動することができる。
イールド・カープ(利回り曲線)
横軸に満期までの残存期間、縦軸に利子率をとって、
関係を図示したもの。
順イールド
短期金利が将来、高くなる
と予想されるとき。
逆イールド
短期金利の持続的な下落が
予想されるとき
期待仮説の下では・・・
満期まで保有する長期国債での運用と、同じ期間コール市場で将来の
「予想」される短期金利で運用。
⇒金利裁定によって同等の結果を生む
長期金利は、その残存期間に対応する将来の短期金利の「予想」の
平均値として決定する。