労働災害の書類送検事例

ESH DATABANK
労働災害の書類送検事例
2010年9月~10月
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
2010/9/6
対象
奥村組、現場作業所長(62)、内装工事下請け(3
6)
状況
昨年12月、建設中の高知市の分譲マンションが焼
け、作業員1人が死亡した火災で、奥村組と作業所
長は、断熱発泡ウレタンが吹き付けられたマンショ
ン1階の建設現場で、火気は原則使用禁止で、火
気を使用する場合も、不燃シートなどで覆うといった
作業手順の連絡を行わず、溶接作業を行わせた疑
い。
内装の男性は従業員に溶接作業を行わせた疑い。
高知地検
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
2010/9/8
対象
製材会社(本社・群馬県)、同社常務(59)、熊本工
場の責任者(51)
状況
7月9日午前8時半ごろ、熊本工場の男性従業員
(25)に対し、おがくず製造機の回転のこぎりが完
全に停止していないのに、掃除をさせた。従業員は
回転のこぎりに右手を巻き込まれ、親指と小指を切
断する重傷。当時、製造機の運転停止スイッチは
押されていたが、歯は惰性で回転していた状態だっ
たという。 (続く)
鹿児島地検名瀬支部
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
(続き)
労基署によると、同社は作業マニュアルなどを作っていな
かったという。また同工場では、従業員が材木の切断中
に機械と板にはさまれて指を骨折するなど、昨年1年間
に5件の労災が起きており、労基署は「生産ばかりに重点
を置き、安全管理をおろそかにしている」と判断した。
ESH DATABANK
労災隠し
送検日
送検先
対象
状況
2010/9/13
徳島地検
日和佐森林組合(美波町)と同組合作業班長(33)
09年3月、同町赤松の山林で、チェーンソーを使っ
て間伐作業をしていた男性作業員が右足を打撲し
て9日間、仕事を休んだのに、労基署に報告書を提
出しなかった。
労働安全衛生法では労働災害などにより4日以上
の休業があった場合、ただちに報告書を提出する
よう定めている。
ESH DATABANK
作業指揮者の選任義務違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/9/14
宇都宮地検
運送会社(本社・仙台市)と男性社長(59)
7月27日午前9時半ごろ、高根沢町宝積寺の自動
車部品会社敷地内で、従業員がトラック荷台で機械
装置の荷降ろし作業中、作業の指揮者や作業手順
を決めず、危険防止策も講じなかった疑い。
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/9/14
さいたま地検熊谷支部
秩父市の建築工事会社と同社社長(46)
2月15日、同市内の倉庫解体工事現場で屋根の
撤去作業中だった従業員の男性(当時52歳)が屋
根板を踏み抜き、約4メートル下のコンクリート床に
転落して死亡した。
同社は安全帯の使用や安全ネットを張るなど危険
防止策を取らなかった疑い。
ESH DATABANK
転落危険防止違反
送検日
送検先
2010/9/24
対象
コンクリートブロック製造会社(愛知県豊田市)と同
社京都工場の男性課長(55)
状況
5月14日正午ごろ、砂利の貯蔵槽(縦2メートル、
横2.4メートル、高さ4メートル)につながるベルトコ
ンベヤーを点検作業する際、転落防止の安全帯を
使用させるなどの事故防止措置をとらなかった疑い。
作業中の男性従業員(47)が槽に転落し、砂利に
埋もれ窒息死した。
京都地検
ESH DATABANK
業務上過失致死傷容疑
送検日
送検先
2010/10/19
対象
元請会社の作業所長(44)、同社工事担当者(34)、
下請会社社員(35)、孫請会社のクレーンオペレー
タ(39)
状況
09年4月14日午前、千代田区の工事現場でク
レーンが道路側に横転、歩行者(当時62歳)を死亡
させ、通行人4人に重軽傷を負わせた。地面に埋め
た鉄製資材「ケーシング」を引き抜く作業中で、オペ
レーターも背中を打ち軽傷を負った。 (続く)
東京地検
ESH DATABANK
業務上過失致死傷容疑
(続き)
ケーシングは重量が約10.5トンで、クレーンが横転しない
ために約10メートルの作業範囲で運転する必要があった
が、ケーシングから約14メートル離れた場所からつり上げ
ようとしていたことが分かった。
さらに、作業所長ら元請けの2人は事故当日の朝礼で、下
請け社員らに作業範囲を守る指導をしていなかった。下請
けの社員は作業範囲を確認せず、オペレーターも把握して
いなかった。
ESH DATABANK
業務上過失致死容疑、労働安全衛生法違反
送検日
送検先
2010/10/18
対象
青森地検八戸支部
ニッケル合金製錬会社と当時の現場責任者だった
製造部長代理(61)、製造2課長(43)、同課溶錬グ
ループ副長(62)
状況
炉の冷却管不具合により、冷却水が炉内に流れ込
む危険性を知りながら修理せず放置し、07年11月
5日、水蒸気爆発が発生して溶けた原料が噴出し、
3人を死亡させた疑い。
また、社員のやけどを防ぐため耐熱服などを使用さ
せる対策を怠った疑い。
ESH DATABANK
業務上過失致死容疑、労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/10/19
山口地検下関支部
船舶修繕会社と現場責任者(37)
昨年6月10日、タンク内の溶接作業をする際、タン
ク内に残った化学薬品の残渣(ざんさ)を取り除き、
残渣から発生した可燃性ガスを換気するなど適切な
措置を怠ったため、溶接の火花がガスに引火し爆発、
作業員4人に重軽度のやけどを負わせた。
換気などの処置は、同社のマニュアルに規定されて
いたという。この事故で、現場責任者も軽いやけどを
負った。
ESH DATABANK
労災隠し
送検日
送検先
対象
状況
2010/10/20
徳島地検
元請けの建設会社と同社社長(44)、下請会社と同
社社長(38)
10年3月、徳島市内の倉庫で、工事現場事務所で
使用していた机などを搬入する際、大翔総業の男性
作業員(47)が高さ約1.9メートルの足場から転落し、
ろっ骨骨折などで約4カ月の重傷を負って仕事を休
んだのに、労基署に報告書を提出しなかった疑い。