労働災害の書類送検事例

ESH DATABANK
労働災害の書類送検事例
2013年10月~12月
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2013/10/1
神戸地検
警備会社(西宮市)と同社会長(55)
6月13日、尼崎市額田町のガス工事現場で、熱中
症対策として水などを従業員に与える義務がある
のに、50〜60代の3人の警備員に対して水を準備
せず、うち1人の男性を同日に熱中症で死亡させた
疑い。
労基署によると、この日の尼崎市の最高気温は34.
4度で湿度も高かった。県内では熱中症による労災
請求が1〜8月に112件あった。死亡によって書類
送検したのはこの件だけだという。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
2013/10/4
状況
3月22日、楢葉町の汚染土を保管する仮置き場で、
男性作業員(当時51歳)が重機に右足をひかれて
出血性ショックで死亡。5月21日には、町道に止
まっていた無人のクレーン付きトラックが坂道を後
退し、男性作業員(当時30歳)がひかれて死亡した。
いずれも事業者が危険を防止するための措置や作
業計画策定を実施していなかった。
福島地検いわき支部
元請けの共同企業体(JV)代表の建設会社(東京
都)と下請け2社の計3社、JVの別の建設会社と下
請け2社の現場責任者ら男3人
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業務上過失致死罪
送検日
送検先
対象
状況
2013/10/18
富山地検
現場の統括安全衛生責任者だった会社員(56)ら
男3人
10年12月3日、射水市の建設中の新湊大橋の作
業用ゴンドラ(約14トン)が橋桁から落下。3人は強
風の中、高所での作業にも関わらず、固定装置を
使用するなどの安全指導を怠り、ゴンドラ内で作業
中だった作業員の2人を転落死させた疑い。
3人は「安全対策を取っていなかった事は間違いな
いが、重量のある足場(ゴンドラ)が風で動くとは思
わなかった」と容疑を一部否認しているという。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
2013/10/22
状況
1月25日、横浜市鶴見区のマンション新築工事現
場で、土砂の崩落を防ぐ措置を取らず、雇っていた
男性(21)に掘削した溝の中で配管の設置作業をさ
せた疑い。
男性は溝側面の土砂崩れに巻き込まれて意識不
明となり、4月1日に死亡が確認された。男性経営
者は「固いから大丈夫だと思った」と説明していると
いう。
横浜地検
電気工事業の男性経営者(46)
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2013/10/31
東京地検
補修工事会社と現場責任者
ことし1月、東京・江東区の「新江東清掃工場」で焼
却炉の補修工事に当たっていた41歳の男性が、足
場から3メートル下に転落し死亡した。
足場には転落を防ぐための手すりなどが設けられ
ていなかった。
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業務上過失傷害罪
送検日
送検先
対象
状況
2013/11/1
広島地検
化学会社(大竹市)の元工場長(57)と元生産管理
部長(58)
昨年6月27日、大竹市の同社工場2階に設置され
た反応釜(球形タンク)で合成樹脂を製造する際、
元工場長は作業手順の指導や注意義務を怠り、ま
た元生産管理部長は装置の安全策を講じるなどの
注意義務を怠ったために爆発が生じ、3人の作業
員が22日~約11カ月の重軽傷を負った。同課な
どによると、通常は釜の爆発を防ぐために窒素発生
装置で窒素を送り込み、釜内に空気が入らないよう
にしている。しかし、同社では基準値よりも少なく窒
素を送り込んだため、釜内で静電気による粉じん爆
発が発生したという。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2013/11/6
鹿児島地検
鹿児島市の港湾運送会社と同社社長(43)
昨年6月30日、鹿児島市七ツ島の波止場で作業員
にフォークリフトでの作業をさせた際、周囲に立ち入
り禁止区域を設けるなどの措置を取らなかった疑い。
近くを歩いていた男性作業員(当時58)が後ろから
ひかれて死亡した。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
2013/11/25
状況
1月4日、同社工場で作業をしていた男性従業員(4
9)が、台につまずいて脇腹を打ち、ろっこつ骨折で
休業4日以上となる労災事故があったにもかかわら
ず、同署に報告しなかった疑い。
和歌山地検
コンクリート製品製造会社(橋本市)と同社製造課
長(48)
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業務上過失致死傷罪、労働安全衛生法違反
送検日
送検先
2013/11/26
対象
状況
事故後に自殺した工場長(当時64歳)
長崎地検佐世保支部
5月30日、長崎県佐世保市の水産加工会社で魚
の廃棄物が入った地下タンクの清掃の際、換気な
どの安全管理を怠って硫化水素中毒で従業員3人
を死傷させた疑い。うち1人が死亡、2人が意識不
明の重体となったが、回復した。
また、佐世保労働基準監督署は同日、清掃作業前
に酸素と硫化水素の濃度測定を怠ったとして同社と
工場長を労働安全衛生法違反容疑で書類送検した。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
2013/12/2
対象
状況
鉄鋼・製鉄会社(伊丹市)と同社現場責任者(51)
神戸地検
9月7日、同社工場で、男性社員(当時38)が別の
社員と2人で天井クレーン2基を使い、角形鋼管2
本(1本約3トン)を移動させる作業をしていた際、つ
り上げた荷の下に入ることは禁止されているにもか
かわらず、鋼管の下に男性社員を立ち入らせたとし
ている。つり上げられていた鋼管のうち1本がつり
具から外れて落下し、男性社員が下敷きとなり死亡
した。同社らは、クレーン作業中の危険防止に必要
な措置を取らなかった疑い。
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労働安全衛生法違反、業務上過失致死罪
送検日
送検先
2013/12/3
対象
状況
金属製品製造会社(堺市)と工場長の常務(62)
今年4月9日、銅3トンを溶解炉で溶かした後、亜鉛
1.6トンなど別の金属を入れたところ、亜鉛などが
急激に溶けて爆発。男性社員2人が熱傷で死亡し、
別の男性社員2人も軽傷を負った。
同監督署によると、亜鉛は907度で気化するため、
通常は、銅や亜鉛などを溶解炉に一緒に入れてか
ら加熱していたが、この日は、溶解炉内の銅が既に
1085度以上の高温になってから亜鉛を入れたた
め、爆発した。亜鉛は半径10メートルの範囲に飛
び散ったという。(続く)
大阪地検
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労働安全衛生法違反、業務上過失致死罪(続き)
同社らは、合金を安全に作る作業手順を定めていなかった
上、防護壁を設置せず、作業員に耐火服も着用させないな
ど、危険防止策を取らなかった疑い。
また、この事故で、大阪府警は12月26日、業務上過失致
死の疑いで、同社材料・鋳造部の部長(40)と、死亡した現
場責任者の作業長(当時54)を書類送検した。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
2013/12/9
対象
状況
屋根工事会社(伊万里市)と同社現場責任者(55)
長崎地検
9月17日、長崎県佐世保市の納骨堂建築現場で、
転落防止用の手すりを設けないまま男性従業員(5
6)に屋根瓦を敷かせた疑い。従業員は作業中に転
落死した。