労働災害の書類送検事例

ESH DATABANK
労働災害の書類送検事例
2010年1月~2月
ESH DATABANK
墜落防止措置義務違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/1/6
岐阜地検
各務原市の建設会社と男性現場責任者(60)
09年8月17日、郡上市八幡町那比の山の斜面で
測量作業をしていた同社の男性従業員が、のり面
を覆うように設置してあった落石防止ネットとのり面
の間を約30メートル下に落ち、頭などを打って死亡
した。男性従業員は安全帯を身に着けていたが、
固定していなかった。
男性現場責任者は、安全帯を固定して正しく使用す
るよう従業員に指示しなかったという。
ESH DATABANK
安全管理者の未選任
送検日
送検先
2010/1/20
対象
包装資材製造会社(本社・奈良県)と代表取締役(5
9)、栃木工場長(43)ら3人
状況
昨年7月28日、同工場で作業をしていた同社社員
の男性(当時46歳)が、稼働中のロボットアームに
首を挟まれ死亡した。栃木工場の安全管理者を選
任していなかった疑い。労働安全衛生法では、常時
働いている労働者が50人を超える場合、14日以
内に安全管理者を選任しなければならない。同工
場では約3年前から50人以上が働いており、事故
当時は100人弱が従事していたという。
宇都宮地検栃木支部
ESH DATABANK
転落防止措置義務違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/1/20
静岡地検
浜松市の建設会社と現場責任者(46)
昨年4月9日、静岡市の再開発ビル建設現場で、作
業主任者が監視義務などを怠ったために、同社社
員(当時35歳)が作業中、高さ約50メートルの20
階部分から転落死した。
社員は命綱を付けていなかったという。
ESH DATABANK
業務上過失致死傷罪
送検日
送検先
対象
状況
2010/1/25
京都地検
工事責任者ら3人
昨年6月4日、関西電力舞鶴発電所建設現場で、
排気ダクトの組み立て工事で鉄板(高さ9.6メートル、
幅4.8メートル、重さ2.8トン)2枚を垂直に取り付け
る作業時に、ワイヤを張るなどの措置を怠り、両側
から倒れた鉄板の下敷きになって作業員2人が死
亡し、1人が重傷を負った。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/1/29
横浜地検川崎支部
川崎市のバルブ製造会社と社長(76)ら2人
08年2月、大和市にある清掃工場のボイラー定期
修理工事に絡み、石綿を含むパッキンを密閉材に
したバルブを加工し、元請け業者に納入した疑い。
同労働局によると、バルブは5個納入され、うち1個
のパッキンを鑑定した結果、石綿が検出された。社
長らは「在庫を使ってしまった」などと容疑を認めて
いるという。
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事業者の講ずべき措置義務違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/2/1
青森地検八戸支部
十和田市の運送会社と社長(62)
昨年9月5日、高森山総合運動公園で、移動式ク
レーンを使って鉄板搬送作業をする際、危険を防ぐ
ために作業員の配置などを定めなければならない
のに行わず、荷台近くで補助作業をしていた同社の
男性従業員(当時54歳)の上に鉄板(縦1.5メート
ル、横6.1メートル、厚さ2センチ、重さ1.75トン)が
倒れ、下敷きとなって死亡させた疑い。
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無資格
送検日
送検先
対象
状況
2010/2/1
神戸地検
尼崎市の建設会社と安全管理担当の工事部長(51)
昨年9月5日、同市の資材置き場で大型の移動式
クレーンを使って重量約4トンの天井クレーンをつる
し、移設する「玉掛け」作業をした際、玉掛け業務の
資格を持たない男性従業員(当時62歳)を従事さ
せていた、としている。この作業中、天井クレーンを
つるしていたワイヤーロープが切れ、直撃を受けた
作業床が約10メートル落下。床に乗っていた従業
員が死亡した。
同社は「担当者が不在なので詳細は分からない」な
どとしている。
ESH DATABANK
労働基準法・労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/2/5
大分地検小倉支部
豊前市の運送会社と専務(30)
昨年6月、同社のトラックが山口県内の高速道でト
レーラーに追突、トラックの運転手が死亡した。
死亡した運転手(当時48歳)を1日8時間、1週間4
0時間以上働かせ、必要な健康診断(半年以内に1
回)も受けさせなかった疑い。事故と長時間労働の
因果関係は分からなかったという。
同社のトラックは▽04年10月に名古屋市で6人▽
07年4月に大分県玖珠町で5人-を死傷させ、同
社は運送事業免許を昨年返納している。
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/2/19
宇都宮地検
宇都宮市の着色料製造会社と社長(60)
昨年11月、男性従業員(50)が手を機械に巻き込
まれ右手首から先を切断した事故で、「押出機」の材
料投入口内部にあるスクリューに囲いや覆いなど、
法律で義務付けられた巻き込み防止措置を取らず、
作業に当たらせた男性にも、事前に機械の取り扱い
方法や注意点などを説明していなかった疑い。
同社は、02年2月に2回と08年10月にも、機械作
業中に労働者が指や腕を巻き込まれて切断する事
件が計3件発生しており、労基署は行政指導を実施
したが、改善されていなかった。