労働災害の書類送検事例

ESH DATABANK
労働災害の書類送検事例
2010年3月~4月
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/3/2
青森地検八戸支部
八戸市の水産加工会社と男性製造部長(56)
昨年12月8日、同社の男性作業員(当時46歳)が
天井に設置された冷却ファンの点検作業をする際、
保護帽を着用させなかった疑い。
その結果、作業員は点検のために上った高さ約2.
9メートルの積み荷から落ち、頭を打って死亡した。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/3/2
鳥取地検
琴浦町の建設会社と現場責任者(41)
琴浦町の治山工事で男性作業員(56)がショベル
カーによる掘削作業中、地山が崩壊してショベル
カーごと生き埋めになり死亡した。同社と現場責任
者が安全を確保する義務を怠たり、土止めを設け
たり、防護網を張るなどしなかった疑い。
また死亡した作業員は別の建設会社から派遣され
ており、建設業務への労働者派遣を禁じた労働者
派遣法に抵触するという。
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業務上過失致死罪
送検日
送検先
2010/3/5
対象
三菱化学鹿島事業所で作業の安全管理を直接担
当する社員2人(ほか6人は不起訴処分)
状況
事故が起きたのは、ナフサからエチレンやベンゼン
などを精製する第2プラント10階。可燃性のオイル
を送る配管の仕切り板を交換していたところ、オイ
ルを遮断していた弁のスイッチに作業用のチェーン
があたって稼働。オイルが霧状になって噴き出して
発火した。(続く)
水戸区検
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業務上過失致死罪(続き)
区検は同社が▽スイッチにカバーをかける▽弁を動かす「元
弁」を閉じる--などの安全策を講じていれば火災は防げたと
指摘。担当のグループマネジャーだった男性(41)に作業の「安
全管理者」としての責任、平社員の男性(35)に現場の安全を
確認してから下請け作業員に作業を行わせる責任があると判
断した。
事業所長の不起訴理由として区検は「信頼の原則がある」と説
明する。部下や同僚がミスをしても、常識的な信頼関係や役割
分担を前提に自らの責務を果たした場合は刑事責任が及ばな
いとする考え方だ。区検は「(事故の原因は)こまごまとした作業
で、幹部が知っていたかどうかだ」と述べ、幹部が把握すべき義
務とまでは言えない領域との認識を示した。
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業務上過失傷害罪・労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/3/16
静岡地裁掛川支部
掛川市のゴム製品製造会社の生産技術課長(53)
08年6月、圧力容器が試運転で爆発し、自分を含
めて作業員12人が重軽傷を負った事故で、裁判官
は懲役10月、執行猶予3年(求刑・懲役1年)を言
い渡した。
裁判官は「爆発の危険を業者から警告されていた
のに、試運転を行った責任は重い」と指摘した。そ
の一方、減軽した理由について「会社を通じて被害
者に弁償し深く反省している」と述べた。
違法だと知っていたのに静岡労働局の検査を受け
ないまま、昨年5~6月、第1種圧力容器を使用。
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/3/17
岐阜地検
環境測定業(大阪府寝屋川市)と男性取締役(60)
1月7日、美濃加茂市の製缶業「ユニバーサル製缶
岐阜工場」で、排ガス測定をした際、使用が禁止さ
れているアスベストを含んだ布テープを使用した疑
い。
工場内の排気ダクトにパイプ状の測定機器を差し
込む際、測定機器とダクトのすき間を埋めるため、
アスベストを含む布を機器に巻き付けたという。
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業務上過失致死容疑/労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/3/19
横浜地検
東芝(横浜市)の男性社員(36)
東芝三菱電機産業システムと現場責任者(56)
昨年8月25日午後4時ごろ、工作機械部品(重さ約
4.8トン、長さ約4.5メートル)をクレーンで運ぶ際に
誤って落下させ、部品の下敷きになり胸を打った東
芝三菱電機産業システム社員(当時20歳)を死亡
させた疑い。
また、クレーン運転者に合図を出す者を決めずに作
業していたとして、東芝三菱電機産業システムと同
社の現場責任者の男性(56)を労働安全衛生法違
反容疑で書類送検した。
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危険防止措置義務違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/3/19
金沢地検
尼崎市の建設会社と安全管理担当の工事部長(51)
昨年2月23日、男性社員(当時42歳)が布生地の
加工作業中、生地を巻く回転軸の端にある爪に服
が巻き込まれて上半身が絞まり、窒息死した。
会社側が、爪を覆う安全カバーや囲いなど、法令で
定められた危険防止措置をとらなかった疑い。
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業務上過失致死容疑
送検日
送検先
2010/3/24
対象
姫路市の食品会社理事長(55)、副工場長(56)、
工場主任(29)の3人
理事長と副工場長は03年ごろから、エレベーター
のかごが到着する前に扉が開くことを知りながら、
点検、修理などをせず、主任は2日前に同様の事
故があったのに報告せず、危険状態を放置したと
疑い。
事故は2月25日、同組合の工場で、パート従業員
の女性(当時57歳)が、1階と2階の途中で停止し
た荷物専用エレベーターのかごと壁のすき間に挟
まり、出血死で死亡した。
状況
神戸地検
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労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/4/8
静岡地検
建設業の男性(69)
09年12月16日、静岡市葵区の木造2階建て住宅
の建築現場で、作業主任者を置かず安全確認を
怠ったため、男性作業員(当時56歳)が2階の足場
(高さ約5メートル)から転落、死亡させた疑い。
死亡した作業員は当時、安全ベルトを腰に巻いてい
たことは確認されているが、適切に使っていたかどう
か、分からないという。静岡労基署は「ベルト着用も
含めて安全の確認義務を怠った」と指摘した。
ESH DATABANK
労働安全衛生法違反
送検日
送検先
対象
状況
2010/4/27
東京地検
板橋区の製本会社と社長、経理部長
昨年1月14日、この社員がフォークリフトで積んだ計
約1.2トンの紙の束が崩れ落ち、男性社員(当時39
歳)が頭を打って死亡した。
運転資格がない男性社員(39)にフォークリフトを運
転させた疑い。