スライド 1

今日のポイント
8章
食と健康
1.食べるとは
何のために食べるのか?
食べたものはどうなるのか?
2.消化と吸収
3.代謝の基本経路
4.代謝と健康
エネルギーのバランス
メタボリックシンドローム
5.まとめ
8章 食と健康、今日のまとめ
1.食べるとは
何のために食べるのか?:生体エネルギーと身体の素材を獲得する
ATPはエネルギー通貨:ATPは高いエネルギーを保存できる高エネ
ルギー結合を持っているので、高分子の合成、神経などの電気的仕事、
運動などの力学的仕事のいずれにもよく使われる。このことから、エ
ネルギー通貨と呼ばれる。
食べたものはどうなるのか?:
唾液腺、胃、十二指腸で消化
→ 微絨毛を持つ小腸の上皮細胞から吸収
→ 門脈を通って肝臓へ
→ 解毒
→ 肝臓から循環器系を使って全身に輸送される
2.消化と吸収
糖質:唾液腺、膵臓からアミラーゼ;デンプンをオリゴ糖(マルトースなど)へ
小腸でさらにグルコースまで分解
タンパク質:胃(酸性)からペプシン
膵液(弱アルカリ性、胃酸を中和)からトリプシン、キモトリプシン
脂質:膵液からリパーゼ;中性脂肪(グリセリン+脂肪酸)を部分的に分解
→ 吸収後再合成+タンパク質=キロミクロン
* 胆汁は界面活性剤を含み、脂質を乳化、分散させて消化を助ける
3.代謝の基本経路(教科書、図8−5)
複合的な物質(食物)
細胞外、反応系は各高分子ごとに独立
構成単位
細胞質
基本代謝物質(各反応系間で互換性あり)
4.代謝と健康
エネルギーのバランス
摂取エネルギー=燃焼エネルギー+蓄積(剰余)エネルギー
血糖値のホメオスタシス:インスリン、グルカゴンなど(図8−6)
中性脂肪は効率の良い剰余エネルギー蓄積物質!
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満(皮下脂肪型ではない)+高血糖、高血圧、高脂血症の
うち2つを合併した状態
剰余エネルギーの過多はエネルギーバランスを崩しメタボリックシンドローム
を引き起こす
肥満細胞が生産するレプチン、アディポネクチン、TNF-αなどのアディポサイトカ
インの役割が注目されている(図8−9)
5.おまけ
消化管の共生微生物:微生物はヒトにとって有害なだけとは限らない
ピロリ菌や歯周病菌などは有害
乳酸菌(ビフィズス菌、ラクトバチルス)は環境を酸性にして、有害菌
の繁殖を押さえる
プロバイオティクス:有用な乳酸菌などを含んだ食品
プレバイオティクス:有用菌の生育を助けるオリゴ糖などを含む食品
BSE:牛海綿状脳症
羊のスクレイピー、ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病と同類
感染性のタンパク質、プリオンが原因
プリオン遺伝子は哺乳類細胞中にあった
異常なプリオンタンパク質が正常プリオンタンパク質に接すると立体
構造を変え、中枢神経系を障害する
肉骨粉(脳、脊髄を含むくず肉の乾燥粉末)が感染経路
現在の検査法では、3歳以下の牛が感染していても検出できないが、
日本では全頭検査を続けている