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ニュースの理論
マクロ金融論2010
1
為替相場はニュースに反応


為替相場は、ニュース(新しい情報)に対
して反応する。市場参加者がこれまでに
知らなかった情報が流れると、為替相場
は変化する。
逆に、新しくない情報には、為替相場は反
応しない(「市場の織込済み」etc.)。市場
参加者がすでに知っている情報が流れて
も、為替相場は変化しない。
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ニュース=新しい情報
ニュース=t時点以降に利用可能となる新しい情報
St+n
E(St+n|It)
t
t+n
新しい情報=ニュース
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効率的市場(efficient market)


効率的市場=すべての関係する情報に
即座に完全に価格が反応する。
合理的な市場参加者であれば、過去に価
格に反映したが、取り入れられなかった情
報は、次回からは取り入れて行動する。
(⇒合理的予想)
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予想値としての先物相場


危険中立的な市場参加者を想定。
先物投機⇒先物相場=予想直物相場
ft ,t 1  E  st 1 It 
(1)
但し、 E  St 1 It  :t時点の情報を利用して、t
+1時点の直物相場を予想した値。(条件
付期待値)
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合理的予想(rational
expectation)
将来の直物相場を合理的に予想する。
 「合理的」の意味:予想の誤りを修正する。
⇒①予想の誤差には、バイアスがない。
②予想の誤差には、過去との相関がない。

ut 1  st 1  E  st 1 It 
E  ut 1 It   0
(2)
(3a)
cov  ut ut 1 It   0
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(3b)
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予想誤差にバイアスがない。

証明

E  ut 1 It   E st 1  E  st 1 It  It


 E  st 1 It   E E  st 1 It  It
 E  st 1 It   E  st 1 It 

0
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直物相場と先物相場の関係

(1)・(2)式より、
ft ,t 1  st 1  ut 1
st 1  ft ,t 1  ut 1
st 1  st  ft ,t 1  st  ut 1


(4a)
(4b)
直物相場=先物相場+予想誤差
直物変化率=先物プレミアム+予想誤差
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予想誤差=ニュース+攪乱項

予想誤差をニュースと攪乱項に分解。
ut 1  newst ,t 1  wt 1
(5)
但し、 newst ,t 1:t時点からt+1時点までに獲
得した新しい情報
wt 1 :t+1時点における攪乱項。攪乱
項の期待値=0( E  wt 1 It   0 )
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直物相場とニュースとの関係

(4)・(5)式より、
st 1  ft ,t 1  newst ,t 1  wt 1
(6a)
st 1  E  st 1 It   newst ,t 1  wt 1

(6b)
t+1時点の為替相場は、①先物相場ある
いは予想直物相場、②ニュース、③攪乱
項によって説明できる。
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伸縮価格マネタリー・モデル下
におけるニュース



合理的予想を仮定。
為替相場が伸縮価格マネタリー・モデルによっ
て決定されることを市場参加者は知っていると
仮定。
伸縮価格マネタリー・モデル下における為替相
場決定要因(貨幣供給量、所得、金利など)の
将来動向に関する情報が獲得されると、市場参
加者はその将来動向に基づいて、将来為替相
場を「合理的に」予想する。
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伸縮価格マネタリー・モデル

伸縮価格マネタリー・モデル
st  mt  m  ( yt  y )  (it  i )  wt (7)
*
t
*
t
*
t
但し、 wt 1:攪乱項(貨幣需要、貨幣供給、
購買力平価の攪乱項)
E  wt 1 It   0
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伸縮価格マネタリー・モデル下にお
ける先物相場と予想直物相場

(7)式に従って、将来為替相場を予想。
ft ,t 1  s
e
t ,t 1
m
e
t ,t 1
m
*e
t ,t 1
( y
e
t ,t 1
y
*e
t ,t 1
 (i
e
t ,t 1
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)
i
*e
t ,t 1
) (8)
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伸縮価格マネタリー・モデル下にお
ける直物相場

(4)・(8)式より、
st 1  ft ,t 1  (mt 1  m

e
t ,t 1
)  (m  m
*
t 1
  ( yt 1  y
e
t ,t 1

  (it 1  i
*e
t ,t 1
)
) (y  y
e
t ,t 1

)  w
*
t 1
*e
t ,t 1
)  (i  i
*e
t ,t 1
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*
t 1
)
t 1
(9)
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伸縮価格マネタリー・モデル下にお
けるニュース

(6a)式と(9)式を比較すると、
newst ,t 1  (mt 1  m
e
t ,t 1

)  (m  m
*
t 1
*e
t ,t 1
e
t ,t 1
) (y  y
  ( yt 1  y

  (it 1  i
e
t ,t 1
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)

)
*
t 1
*e
t ,t 1
)  (i  i
*e
t ,t 1
*
t 1
)
(10)
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貨幣供給量のニュース⇒為替相場



ニュースとは、為替相場決定要因に関す
る新しい情報を意味する。
為替相場は為替相場決定要因のニュー
スに反応する。
例えば、伸縮価格マネタリー・モデルの下
では、貨幣供給量のニュースに為替相場
は反応する。逆に、「織込済みの」貨幣供
給量の変化には、為替相場は反応しない。
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