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購買力平価
マクロ金融論2010
1
購買力平価とは

購買力平価とは、異なる通貨の価値(購買
力)を均等化させる為替相場

為替相場(円/ドル)=通貨間の交換比率
=通貨間の価値の比率
=通貨間の購買力の比率
=当該国間の一般物価水
準の逆数の比率
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商品裁定

商品裁定(安い所で買って高い所で売ることに
よって利鞘を得る)

Coke(東京):120円⇔Coke(NY):1ドル
円ドル相場:90円/ドル
↓
Coke(東京):120円⇔Coke(NY):90円
↓
CokeをNYから東京へ輸入



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3
商品裁定による各市場での取引




NYでCokeを買う⇒NYで価格上昇
東京でCokeを売る⇒東京で価格低下
外国為替取引(円売りドル買い)⇒円安ド
ル高
↓
東京とNYで価格が均等化
マクロ金融論2010
4
商品裁定による一物一価の法則

前提条件:①同一の商品
②貿易可能
③完全競争
④取引費用=0

一物一価の法則
あらゆる所で同一の商品の価格は等しい。
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5
一物一価の法則



日本の市場の価格:P円
*
USの市場の価格: P ドル
円/ドル相場:S円/ドル
P  SP
*
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6
絶対的購買力平価

絶対的購買力平価
1
*
P
P
S *
1
P
P
⇒絶対的購買力平価は、外国物価に対する自国物
価の相対的比率として表される。
⇒あるいは、自国物価の逆数(自国通貨の価値)に
対する外国物価の逆数(外国物価の価値)の相
対的比率となる。
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相対的購買力平価



(一定の)取引費用を考慮に入れる。
絶対的購買力平価を変化率で表現すると、
一定の取引費用を除去できる。
相対的購買力平価
*
S  PP
⇒購買力平価の変化率は、自国のインフレ
率と外国のインフレ率の差である。
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8
マクロ金融論2010
2005M4
2004M7
2003M1
2003M1
350
2002M4
2001M7
2000M1
2000M1
1999M4
1998M7
1997M1
1997M1
1996M4
1995M7
1994M1
1994M1
1993M4
1992M7
1991M1
1991M1
1990M4
1989M7
1988M1
1988M1
1987M4
1986M7
1985M1
1985M1
1984M4
1983M7
1982M1
1982M1
1981M4
1980M7
1979M1
1979M1
1978M4
1977M7
1976M1
1976M1
1975M4
1974M7
1973M1
1973M1
図:購買力平価(円/ドル)
円/ドル
400
Market Rate
PPP(PPI/WPI)
PPP(CPI)
300
250
200
150
100
50
0
P P P (P P I/W P I)とP P P (C P I)はそれぞれ1973年1月を基準として米国P P Iと日本W P I及び両国のC P Iから計算。
D ata:IFS (IM F)
9
購買力平価(年次データ)
円/ドル
350.00
300.00
250.00
200.00
PPP(PPI/WPI)
PPP(CPI)
市場レート
150.00
100.00
50.00
マクロ金融論2010
20
07
20
05
20
03
20
01
19
99
19
97
19
95
19
93
19
91
19
89
19
87
19
85
19
83
19
81
19
79
19
77
19
75
19
73
0.00
10
購買力平価の限界




非貿易財の存在(商品裁定、BalassaSamuelson効果)
競争状態(pricing to market)
在庫調整などによる価格の反応の遅さ
↓
実際の為替相場が購買力平価から乖離
する。
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11
Balassa-Samuelson効果

非貿易財を含んだ一般物価水準に基づ
いて購買力平価を推計すると、実際の為
替相場がその購買力平価から乖離する
可能性がある。特に、貿易財部門におけ
る生産性上昇率の高い国で起こりやすい。
(Balassa-Samuelson効果)
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貿易財部門と非貿易財部門
(想定)
(1) 小国開放経済(貿易財部門Tと非貿易財部門
N)
(2) 国内労働市場の移動⇒貿易財部門と非貿易
財部門とで賃金Wが均等化
(3) 貿易財価格 PT と非貿易財価格 PN は、賃金を
労働生産性 (T , N ) で除したものとなる。
(4) 貿易財については、一物一価の法則が成立。
外国の貿易財価格を P* とする。( PT  SP* )
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自 国
非貿易財部門
PN 
外 国
貿易財部門
賃金
W
T 
貿易財部門
価格
PT  S P*
P  T PT  N PN 
S
PPP

T  
  T   N
S
N 

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貿易財・非貿易財価格と一般物
価水準

貿易財価格
PT 

T
P 
*
T
W*
非貿易財価格
PN 

W
W
N
P 
*
N
T*
W*
 N*
一物一価の法則
PT  SPT*\
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15
為替相場決定式

為替相場決定式(水準)
W T*
S *
W T

為替相場決定式(変化率)
S  W  W *   T*  T 
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一般物価水準とPPP

一般物価水準
P  PT T PN N
*T*
T
P P
*

**N
N
P
対数変換
log P  T log PT  N log PN
log P*  T log PT  N log PN
*
*
*
マクロ金融論2010
*
17
貿易財部門の生産性上昇によ
る購買力平価の過小評価

購買力平価
log S
PPP
 P
 log  *   log S  N  log T  log  N   N*  log T*  log  N* 
P 
S PPP  S   N T   N    N*  *T   N* 

貿易財部門の生産性が非貿易財部門に比較して上昇
すると、貿易財における一物一価の法則を成立させる
為替相場に比較して購買力平価が過小評価される。
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China
Tradable
Share of
Goods
Growth
rate of
Productivi
ty
Rate of
change in
nominal
wage rate
United States
Tradable Nontradable
74.61%
25.39%
59.57%
Nontradable
40.43%
8.08%
4.17%
2.39%
6.74%
8.55%
1.48%
Productivity effect
Productivity + wage effects
Balassa-Samuelson effect
Japan
Tradable
Korea
Tradable
19.96%
Nontradable
80.04%
1.50%
5.08%
3.39%
0.29%
8.90%
10.44%
7.77%
Nontradable
92.23%
2.39%
2.36%
5.89%
-0.24%
Effects on Chinese yuan
vis-à-vis Japanese
vis-à-vis US dollar
yen
5.7% p.a. of
5.7% p.a. of
appreciation
appreciation
1.3% p.a. of
0.4% p.a. of
depreciation
appreciation
0.8% p.a. of
1.6% p.a. of
undervaluation
undervaluation
vis-à-vis Korean won
3.0% p.a. of
appreciation
5.3% p.a. of
depreciation
0.2% p.a. of
undervaluation
Ogawa and Sakane (RIETI Discussion Paper, 2006)
マクロ金融論2010
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