硬直価格マネタリー・アプローチ

硬直価格マネタリー・アプローチ
マクロ金融論2010
1
硬直価格マネタリー・モデルの特徴


財市場の調整に時間が要する。短期的に
は価格が硬直的。
購買力平価が長期的には成立するが、短
期的には成立しない。
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硬直価格マネタリー・モデル





長期的購買力平価
貨幣需給均衡式
金利平価式
予想為替相場
財市場の動学
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3
長期的購買力平価

購買力平価が長期的には成立するが、短
期的には成立しない。
s  p p
s  p p
*
(1)
*
(2)
但し、バーの付いた変数:長期均衡水準
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4
貨幣需給均衡式

貨幣需給均衡式
m  p   y  i
m  p   y  i
*
*
*
(3)
*
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(4)
5
金利平価式+予想為替相場変化率

金利平価式
i  i  s
*

e
t 1
(5)
予想為替相場変化率(回帰的予想)
s
e
t 1
  (s  st )
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(6)
6
回帰的予想
s
s
s
st
time
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財市場

物価変化率
pt 1  (dt  y)

(7)
総需要=消費+投資+政府支出+純輸出
消費←所得
投資←利子率
純輸出←自国財に対する外国財の相対
価格(= SP* P )
dt  0  1 (st  p  pt )  2 y  3it
*
t
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(8)
8
貨幣市場均衡と金利平価( MM線)

貨幣市場均衡と金利平価式
m  pt   y

m  p   y

 i   ( s  st )
(9)
i  0
(9 ')
*
*
(9)  (9 ')
pt  p
  ( st  s )

(10)
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財市場均衡と貨幣市場均衡( P=0線)
財市場均衡と貨幣市場均衡
m  pt   y
*
 0  1 ( st  p  pt )   2 y   3
 y (11)

m  p   y
*
 0  1 ( s  p  p )   2 y   3
 y (11')

(11)  (11')

3 

 1   ( pt  p )  1 ( st  s )
 

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(12)
10
硬直価格マネタリー・モデル
p
p s p
MM
*
p  0
p0
s0
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s
11
貨幣供給量増大の長期効果
p
p s p
MM
p1
*
p  0
p0
s0
s1
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s
12
貨幣供給量増大の短期効果
p
p s p
MM
p1
*
p  0
p0
s0
s1
s2
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s
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伸縮価格の下での為替相場、物
価、金利の動向
m
p
s
i
time
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硬直価格の下での為替相場、物
価、金利の動向
m
p
s
i
time
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硬直価格の下での為替相場決定



自国貨幣供給が増加すると、価格が硬直的で
あるために、即時的には為替相場がジャンプし
て、自国通貨減価のオーバーシューティングが
発生する。
物価が上昇するにつれて、実質貨幣供給量が
減少し、そのために利子率が上昇し続けること
によって、自国通貨増価に向けて為替相場が
徐々に変化する。
物価が完全に反応する長期において、自国貨
幣供給成長率と等しいだけの自国通貨の減価
となる。
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