開発と制度 開発途上国と援助 開発経済学の新しい流れ 紛争と経済発展 開発途上国の実態(再) 2007年データ GNI per Capita GNI per Capita PPP 平均余命 低所得国 $578 $1,494 57 中所得国 $2,872 $5,952 69 中所得国下 $1,887 $4,543 69 中所得国上 $6,987 $11,868 71 $2,337 $4,911 66 $37,566 $36,100 79 $7,958 $9,852 68 低中所得国平均 高所得国 世界平均 資料出所:World Bank, World Development Report 2009 開発援助の問題点(再) 生理的欲求や安全要求の欠如 開発途上国の現状 何が問題か 先進国の援助疲れ 経済援助の必要性 開発問題の再検討(再) 発展を妨げるもの 地域紛争 難民問題 人口問題 その他 幅広い視点の必要性 テイク・オフしない経済 開発経済学の現状(再) • 国際経済学と南北問題 – 開発途上国問題 • 先進国と開発途上国の経済格差 – 開発経済学の誕生 • 開発経済学の新しい発展 – 経済的側面に限定した議論の限界 – 制度の強調 経済成長の枠組み(再) Income(所得) Factors of Production(生産要素) Trade(貿易システム) Geography(地理的条件) Productivity(生産性) Institution(制度) 制度の問題(再) • 制度(Institution)とは何か – 経済発展を支えるもの • 経済発展する社会、しない社会 – 資源配分の仕組み – 所得分配の制度 – 労働哲学と倫理 • 制度と文化 経済発展の文化的背景(再) • 経済発展を支える精神 – 労働を善とする労働哲学 – よりよい生活を求める向上心 – 自助の精神 • さまざまな文化の存在 – 労働を神の罰と見る思想 – 輪廻の思想と生きる姿勢 – イスラム教と布施 開発途上国における制度問題 • 社会的、制度的問題への回帰 – 経済学の社会科学としての発展 • 文化や社会の問題の無視 – 文化という変数 • 科学として取り扱える変数へ – 「社会資本」、「制度」という概念 – 社会心理学者、社会学者、文化人類学者との協力 • 制度は重要である – 「文化」にかかわる諸問題の検討の再開 社会資本と開発 • 社会資本の2つの類型 – 政府社会資本 • 法の支配の徹底、所有権の確立と保護、契約履行強制の仕 組み、意志決定のアカウンタビリティ – 市民社会資本 • 家計や企業の価値観、行動規範 – 信頼。相互扶助、協力 • 社会資本の蓄積 – 信頼の重要性 • 高い「評価」の積み重ねの必要 確立した行動様式としての制度 • 制度の具体的内容 – 公式の制度(政府社会資本) • 行政・司法・経済のルール – 確立された所有権、契約履行強制の仕組みなど – 非公式の制度(市民社会資本) • 慣習、規範、基準 – 集団内の信頼、相互扶助、協力等 • よい制度のもたらすもの – 経済のインセンティブ構造 組織と制度 • 組織と制度の関係 – ゲームのプレイヤーとしての組織 • 企業、家計、政治団体、中央銀行等 – ゲームのルールとしての制度 • 行動に対する制約とインセンティブ • 成長促進的な制度 – 生産的な活動へのインセンティブの賦与 • 公的部門のガバナンスへの要求 ガバナンスの重視 • 良い制度 – 国家の活動における高い基準と能力 • 組織のガバナンスの改善 – 官僚政治の質 • 高度な専門知識、政治的圧力からの自由、公正な 人材採用 – 法の支配 • 安定した政治制度、強力な司法機関、混乱のない 政治権力の継承 慣習と秩序の成立 • 無政府状態は対立の世界か – 万人の万人に対する戦争(トマス・ホッブズ) – 契約による自然な秩序の発生(ジョン・ロック) • リアリズムとリベラリズムの対立 – 決定的な対立か否か • 現状分析と目標としての理念 • 慣習と秩序の経済学 – 進化ゲームの経済学的応用 – 学習による協力関係の成立 交差点ゲーム 譲る 譲らない 譲る (-10、-10) (-5、0) 譲らない (0、-5) (-25、-25) 交差点ゲームの行動結果 Bが譲る場合 -5 -10 Bが譲らない場合 -25 0 Aの譲る確率 1 交差点ゲームの行動分析 Aの期待値 Bの譲る確率=pとすると Aが譲る場合 -10p-5(1-p) Aが譲らない場合 -25(1-p) Bの譲る確率2/3の場合、 Aが譲る場合 -10×2/3-5×1/3=25/3 Aが譲らない場合 -25×1/3=25/3 ゲームの継続と行動変化 譲る戦略を採る人が0.8(>2/3)の場合 Aの譲る確率をpとすると 期待値=p(-10×0.8-5×0.2)+(1-p)(-25×0.2) =-4p-5 譲らない戦略が有利になる 譲る戦略を採る人が0.5(<2/3)の場合 Aの譲る確率をpとすると 期待値=p(-10×0.5-5×0.5)+(1-p)(-25×0.5) =5p-12.5 譲る戦略が有利になる 交差点ゲームでの行動 1 安定均衡点 2/3 鞍点 B の 譲 る 確 率 安定均衡点 0 2/3 Aの譲る確率 1 本線と支線の交差点ゲーム • 対称ゲーム – いつも譲る人といつも譲らない人の発生 – 確率分布の安定性 • 非対称的な場合 – 交差点での識別が可能な場合 • 本線が優先というルールの成立 – ウィン・ウィンの可能性 • ルール違反は自分の損失 自主的なルールの成立 • ルールの成立のさまざまな例 – 交差点ではどちらが優先か – 右側通行か左側通行か • 慣習の意味 – 継続的な結果の検証 – 他の人の行動予測が可能 – 慣習からはずれた時のマイナス 外交におけるゲーム ハト タカ ハト (10、10) (0、20) タカ (20、0) (-30、-30) 外交ゲームの意味 • どちらもハト戦略を採った時の利得 – プレイヤーの相互の位置確認必要なし – 交差点ゲームよりも協調容易 • 外交におけるチキン・ゲーム – 相手の譲歩を想定した行動は可能か • 必ず報復があればタカ戦略は不可 – 国際的な協力関係の維持可能性
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