ベトナム - ワールド・ビジョン・ジャパン

VNM-190848
ベトナム
正式名称は「ベトナム社会主義共和国」です。
インドシナ半島東岸に位置する南北に長い国で
す。北から西へ中華人民共和国、ラオス、カン
ボジアと国境を接し、東は南シナ海に面してい
ます。
国土が南北に長いため、北部と南部では気候
が大きく異なり、中央部は台風の被害を受けや
すいです。
出典:外務省
最大都市は南部のホーチミン、次いで首都の
ハノイ、港湾都市として有名なハイフォン、ダナンと続き、いずれも人口は 60 万人を超
えます。
<日本からは…>** 現地へのアクセス方法の一例です。詳しくは、旅行会社などにお問い合わせください
日本の主要空港(成田・名古屋・大阪・福岡)から首都ハノイまで、直行便があります。
出発空港により、飛行時間は約 1~2 時間の差があります。
成田-ハノイ 約 5 時間 40 分
大阪-ハノイ 約 4 時間 55 分
一口メモ
・北部は温帯性気候で、4~10 月が雨期
・南部は熱帯性気候
・7 月~11 月まで、台風の影響を受ける
<民 族 など>
キン族(越人)が約 86%を占め、ほかは 53 もの少数民族からなります。宗教は仏教(主
に大乗仏教)が主流で、キリスト教のカトリック、道教などです。公用語はベトナム語で、
フランス領インドシナ時代の影響で、少数のエリート層ではフランス語も話されています。
プログラム地域では、キン族、タイ族、ザオ族等、少数民族も暮らしています。
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チャンエン地域開発プログラム
首都のハノイから北西へ 195 キロ、車で約 5 時間の山岳地帯、イエンバイ省チャンエ
ン郡で、チャンエン地域開発プログラムを実施しています。
ハノイ
支援期間:2008 年~2022 年**
チャンエン
地域開発プログラム
支援地域:
イエンバイ省 チャンエン郡
**支援期間はプログラム準備期間を含みま
す。支援終了予定日や活動の目標は、予期し
ていない突発事項やプログラムの進捗状況に
より、変更される場合があります。
<地域の課題>
① 子どもの健康不良
乳幼児の栄養改善や健康管理、子どもの育児、妊産婦のケアに関する知識が、家庭で
不足しています。コミューン・村の保健員による母親への適切な助言、定期的な検診など
の体制が不十分です。
小学校では衛生的なトイレの設置、安全な水を供給できる設備が不足し、手洗いなどの
衛生習慣や病気予防習慣が徹底されていません。
② 限られた生計手段
伝統的な農法に頼っていて効率の良い栽培・収穫・貯蔵が十分されているとは言えませ
ん。灌がい設備も不足しています。
市場から遠いため、収穫物の運搬が困難であり、市場の情報も入りにくく、外部からやっ
てきた卸売業者に不当な扱いを受けることもあります。
③ 生徒の学力
農村部では 3-4 歳の就学前教育の重要性についてあまり知られていません。政府によ
る幼稚園教師の育成や建物・備品の整備も進んでいません。
教師のトレーニングや必要な教材・備品が不足しています。
④ コミュニティの開発能力
地元の行政担当や村・住民組織のリーダーは、自分たちで地域のニーズを調査し、地域
活動の計画から運営管理まで行う機会はありませんでした。特に、子どもの健やかな成
長を支えるための地域づくりについて、検討したり行動を起こすことはありませんでした。
地域には大小の河川が多く、雨期になると鉄砲水や土砂崩れの被害が多く発生します。
しかし地域の住民たちは、防災や災害時の対策を講じることはありませんでした。
地域開発プログラムを通し、こうした課題を少しずつ改善し、子どもたちが心身ともに
健やかに成長できる環境づくりを目指していきます。
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<データでみるベトナム>
比べてみると…
新生児死亡率 ※①
5 歳未満児死亡率 ※②
安全な水へのアクセス率
衛生施設利用率 ※③
成人の総識字率
出生時の平均余命
GNI(1 人当たりの国民総所得):米ドル
ベトナム
12
23
96%
75%
93%
76 歳
1,400
日本
1
3
100%
100%
83 歳
47,870
※① 出生時から生後 28 日以内に死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※② 出生時から満 5 歳に達する日までに死亡する確率。出生 1,000 人あたりの死亡数で表す
※③ 他世帯と共有せず、トイレを利用する人の割合
出典:ユニセフ世界子供白書 2014 より
・新生児死亡率が
日本の 12 倍であること
・5 歳未満死亡率が
日本の約 8 倍であること
・GNI(1 人当たりの国民総所得)が
日本の約 1/34 であること
・トイレの利用率が低いこと
データから読み取れるだけでも、
多くの課題が見えてきます。
ワールド・ビジョンでは、子どもたちを
取り巻くこうした課題に、“地域開発”
という観点から取り組んでいます
雨水を吸いぬかるんだ道を、素足で歩く子ども
たち
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チャンエン郡に住む人々は、農林・畜産業
で生計を立てています。主な作物はコメ、
とうもろこし、キャッサバ、ピーナッツ、たけ
のこなどで、伝統的な原始農法で育ててい
ます
現地では農業に鋤・鍬はかかせません
山岳地域の生活
農業に欠かせない牛たちと譲りあって通行し
ます
ベトナムでは社会主義体制の特徴として、
行政機関は中央政府を頂点にして、省、
郡、コミューン、村が配置され、上の機関が
しっかりと下の機関を管理しています。一般
に郡から上の機関には各分野(農業、教
育、保健など)で知識、経験ともに豊富な役
人がおり管理体制も整っています。しかしコ
ミューン、村レベルの自治体は、地域の貧
困、低い教育水準に比例し、行政機能も高く
ありません。道路状況が悪い山岳地域で
は、教育・保健衛生面での施設整備、情報
普及も遅れており、栄養や健康面で問題を
抱える子どもたちも多いのです。
プログラムでは、各村から選任された村落
開発普及員が、様々な活動の情報伝達や
計画策定に参加し、既存の村・コミューンの
住民組織(女性連合や青年連合)との連絡・
協力調整を行っています。活動に加わること
で、住民自身が地域の問題・課題への関心
を深め、その解決法について学んでいきま
す。こうした活動1つ1つの積み重ねにより、
子どもたちが安心して学び、健やかに成長
できる環境が作られていきます。
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