ロバストネス分析のオブジェクトのタイプロバストネス分析：ユースケースのシナリオの文章から、それを実現するために必要なオブジェクトを抽出する。境界オブジェクト（ MVCのView）システムとアクターとの相互作用をモデル化。外部環境とのコミュニケーション、受付、窓口。コントロールオブジェクト（ MVCの Control）システム内部の作業の流れをモデル化。複数のクラスとの調整や順序付け。実体オブジェクト（ MVCのModel）実世界の物や事をモデル化。製品、人、物、金に関する情報。 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 1 ロバストネス分析のオブジェクトのタイプ境界オブジェクトシステムとアクターとの相互作用をモデル化。外部とのコミュニケーション、画面、インタフェース  アクターからの要求の受付け、アクターへの成果物の引渡しを行う。  １つのアクターに対して、最低１つの境界オブジェクトを設定する。  顧客接点（境界オブジェクト）は少ないほど単純でわかりやすい。  １つの境界オブジェクトを複数のユースケースにまたがって設定できる。 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 2 ロバストネス分析のオブジェクトのタイプコントロールオブジェクトシステム内部の作業の流れをモデル化。複数のクラスとの調整や順序付け  １つのユースケースに数個ずつ設定し、ユースケースを実現する一連の作業の実行手順をコントロールする。  コントロールオブジェクトは作業の調整を行うだけであり、具体的な作業の実行は、境界オブジェクトと実体オブジェクトに委譲する。  コントロールオブジェクトの寿命は、ユースケースの寿命と一致する。 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 3 ロバストネス分析のオブジェクトのタイプ実体オブジェクト実世界の物や事をモデル化。製品、人、物、金に関する情報  ビジネスで取り扱われる製品、書類、ファイルといった具体的なモノを表わす。  各ユースケースは、実体オブジェクトを介して他のユースケースと交信する。  実体オブジェクトのライフサイクルは、ビジネスが続く限り永続する。  実体オブジェクトは、ビジネス領域ごとにドメインモデルとして用意しておくことが可能である。 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 4 コラボレーション図ユースケースを実現するためのオブジェクト群と、それらの間のメッセージの流れを示す。１：入力するアクター２：指示する画面４：登録する作業の実行制御３：参照するオブジェクト間のメッセージの流れを示す情報情報情報 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 5 オンラインショッピングのユースケース図商品を選ぶ <<extend>> 期間限定の商品を注文する商品を注文する <<include>> 配送業者 <<include>> ユーザ認証を行なう商品の状況を確認する顧客決済するネット銀行オンライン決済する汎化クレジット決済するクレジット会社オンラインショッピングシステム All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 6 「商品注文」ユースケースのシナリオ ■ユースケース名：顧客からの注文を受け付ける ■要約：顧客から注文を受け、商品を調達して、顧客の元に配送する。 ■基本パス： 1. 顧客から注文を受ける。 2. 商品の在庫を調べ予約する。 3. 顧客に商品の納期と価格を回答する。 4. 配送業者に商品の発送を依頼する。 ■拡張パス： 2a. 商品の在庫がない： 2a1. メーカに商品を発注し、納期を確認する。 3a. 顧客が注文をキャンセルする： 3a1. 注文のキャンセルを記録し、商品の予約を解除する。 ■トリガー：顧客が注文を提示する。 ■事前条件：商品の注文受付準備ができている。 ■事後条件：注文された商品を配送業者に依頼済み。 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 7 コラボレーション図の例（基本パスのみ）１：注文を入力顧客２：注文処理を指示注文受付画面４：注文を登録注文受付６：価格と納期を表示５：価格と納期を通知注文３：商品を確認７：配送処理を指示商品４：在庫を確認、予約１０：配送依頼を表示配送業者９：配送依頼を通知配送依頼画面在庫８：配送依頼を登録配送依頼配送 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 8 ロバストネス分析のルールできることできないこと All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 9 ロバストネス分析の演習問題＜問題１＞次の文をよんで問いに答えよ。 顧客は、ATMにより自分の口座から預金を払い出す。 顧客は、ATMにキャッシュカードを挿入し、個人認証を行う。 顧客は、払い出したい金額を指定する。 ATMは、指定された金額とキャッシュカードに記載された個人情報に基づいて、払出要求メッセージを生成し、払出ハンドラーに渡す。 払出ハンドラーは、顧客の口座を検索し、そこから要求された金額を払い出す。 取引ハンドラーは、払出終了メッセージを生成し、ATMに渡す。 ATMは、払出した金額分のキャッシュを顧客に提示する。（１）境界、コントロール、実体の３つのオブジェクトを抽出せよ。（２）コラボレーション図を作成せよ。 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 10 シーケンス図オブジェクト間で交わされるメッセージと、それに伴って実行する操作の時間的変化を示す。コラボレーション図のオブジェクトを記述する。ユースケースのステップを記述する。１．作業の実行制御画面処理の指示メッセージ２．情報情報情報の参照／更新情報の参照／更新処理結果の通知メソッド（操作）の実行 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 11 シーケンス図の例（基本パスのみ）注文受付画面配送依頼画面注文受付顧客から注文を受ける。配送依頼注文商品在庫配送商品確認注文登録商品の在庫を調べ予約する。在庫確認予約顧客に商品の納期と価格を回答する。納期と価格の解答配送依頼配送業者に商品の発送を依頼する。配送依頼登録配送依頼 All Rights Reserved Copyright © 2004, Takashi Kobayashi 12