中国における科学技術状況と 国際協力に対する政府の対応 中国駐日本国大使館科学技術処 朴明哲 2006年11月18日 内 容 • 中国科学技術現状 • 国家中長期科学技術発展計画綱要 • 国際科学技術協力 中国科学技術現状 世界におけるポジション • • • • • 中国のR&D経費支出 R&D人力 論文 特許授権量 ハイテク産業 中国のR&D経費支出 R&D(億人民元) R&D/GDP(%) 3000 1.6 2450 2500 1.34 1.23 1.4 1.2 1.13 2000 1.07 0.9 1500 0.8 0.7 0.7 0.95 0.76 0.7 1966.3 1539.6 1287.6 0.6 1042.5 0.6 895.7 1000 678.9 150.8 209.8 256.2 309.8 0.8 0.69 0.6 500 1 349.1 404.8 481.9 551.1 0 0.6 0.4 0.2 0 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 R&D支出国際比較 R&D(億ドル) 3000 GERD/GDP(%) 3.5 2846 3.15 3 2500 2.6 2.64 2.55 2000 2.5 2.19 1500 2 1.91 1.89 1353 1.5 1.29 1.23 1000 1.16 500 1 0.97 613 385 0.7 340 186 0.5 166 160 130 55 49 30 0 0 米国 日本 ドイツ フランス イギリス 中国 カナダ 韓国 イタリア ロシア ブラジル インド R&D経費支出 • 政府財政科学技術関係予算引き続き迅速に増 加。 2004年は1095億元、前年度に対し16%増、 国の財政予算の3.8%を占める。 • 2000年からR&D投入強化、年平均増加率> 15%、増加率世界第一位、1993年14位~2004 年6位。2004年R&D経費1966.3億元。 • R&D/GDP 90年代0.7% ~2004年1.23%。 比率は発展途上国第一位高、先進国とは程遠 い差がある • 企業のR&D投入主体と成りつつある。 2004年 全体の1966.3億元の内1314億元(66.8%)を企 業が支出。 R&D研究者数 R&D persennel R&D 研究者数(10000) R&D研究者数per 10,000 労働者 160 140 120 120 133.5 101 100 91 80 100 92.6 65 80 68 71 66 67.5 60 60 55 47.8 40 40 26.9 19.3 20 15.8 12 15.1 0 20 0 米国 中国 日本 ロシア ドイツ フランス イギリス 韓国 2004年世界主要国の SCI,ISTP& E I に収録された科学技術論文状況 イン ド 世界 合計 65256 40369 34348 1760620 3.85 3.71 2.29 1.95 100 7 8 11 14 ドイ ツ フラ イタ カナ 中国 ンス リア ダ 総数 520297 138995 134685 123369 111356 82981 67790 割合 % 29.55 7.89 7.65 7.01 6.32 4.71 ラン キン グ 1 2 3 4 5 6 国家 SCI & ISTP & EI ロ シ ア イギ 米国 日本 リス 中国の科学技術論文数は急速に伸びている。2005年は15万を超え、数量 としてはドイツを抜いて世界4位に躍進。ただし被引用件数は13位。論文発表数 の学科順は化学、物理、IT、材料、BT。 主要国家特許授権量(2002) 180000 160000 本国人 140000 外国人 120000 100000 80000 60000 40000 20000 0 米国 日本 ドイツ フランス イギリス 韓国 イタリア オランダ スペイン 中国 • 十年間申請数5倍増。2004年中国国内申請数は65786 件。日本、米国、韓国について世界五位。去年34.6%増 • 国内申請は総数の半分だけ。日本韓国は殆ど国内。 • 日本、米国が世界有効特許シエアの29%、22%。 • 特許の質の高めが重要課題。特許、標準、人材三大戦略。 ハイテク産業 • ハイテク製品輸出入額増加: 2004年3270億ドルに達し初の黒字転換41.1億ドル ( 2005年4160億ドル黒字205億ドル) • 輸出商品高付加価値化: 2004年ハイテク製品が全体商品の27.9%( 2005 は28. 6) 輸出:コンピュたー50.7%・通信類13.8% 輸入:集積回路37.4% • 三資企業の輸出入が主導、共に1000億ドル超 輸出の87.3%、輸入の77.6% • 私営企業の輸出入増加が目立つ:67.6%増 • 最大貿易相手: 国家中長期科学技術発展計画綱要 (2006-2020年) • • • • 五つの戦略重点 16の重大特定プロジェクト 11の重点領域 8つのフロンテイア技術・基礎研究 幾つかの課題(1) • 科学技術貢献率不足。「科学的発展観」、持続可 能な経済発展方式に転換。資源・エネルキー節 約、環境保護重視。 • 体制の制約が現存。イノベーション・システム構 築。研究開発促進の社会環境作り。産学研協力。 • 科学技術関係予算不足。R&D/GDPを2020年 までに2.5%にアップ。 • 世界一流人材少ない。 「人材戦略」。 「質」の高 めとトップクラス人材養成が課題。海外人材活用。 幾つかの課題(2) • 独自保有の核心技術少ない、国内特許授権量 少ない。科学技術研究成果の質が高くない。 「イノベーション戦略」。 • 地域格差の拡大:北京、上海集中;大学と研究機 関に集中。中西部地域と農村の科学技術活用。 • 研究成果の技術移転が主な課題。制度、政策の 設計と知的財産の管理。企業の活躍が重要な課 題。 5つの戦略重点 1.エネルギー、水・鉱産物資源、環境技術を最優先 課題にする(持続可能な発展と循環型方式へ転 換)。 2.装備製造業、情報産業のコア・テクノロジーとな る独自技術の開発(自主技術・知財の獲得によ り産業競争力の強化) 3.バイオテクノロジー技術(未来産業技術育成、 キャッチアップ、社会の為の科学技術発展) 4.航空宇宙及び海洋技術(生活安全保障・軍民両 用技術) 5.基礎・フロンテイア技術研究の強化(学際研究 16の重大特定プロジェクト キャチアップ 1.独自のコア技術確立 2.高度な汎用チップとソフトウエア の開発 3.超大規模集積回路の製造技術 の取得 4.次世代ブロードバンドとモバイル 技術の開発 5.高レベルのNC工作機械と基礎 的な製造技術 6.大規模な油田と炭層ガス開発 7.大型先進加圧水型炉と高温ガ ス冷却炉による原子力発電所の 建設 8.水質汚染の抑制と管理体制の 確立 9.遺伝子組換え技術によ る生物製品・新品種の育 成 10.新薬の開発 11.エイズやウイルス性肝 炎などの伝染病の予防と 治療 12.大型航空機の開発 13.高度地球観測システム 14.有人宇宙飛行と月面探 査計画の実施 15. 11の重点領域 国民経済と社会発展の重点領域(68優先主題) 1.エネルギー 2.水資源と鉱物資源の 有効利用 3.環境問題の解決 4.農業発展と三農問題 の解決 5.競争力のある製造業 の育成 6.交通運輸業 7.IT産業の発展とサー ビス業の近代化 8.人口と健康問題解決 9.都市化及び都市発 展 10.公共の安全 11.国防 8つのフロンテイア技術 未来対応、自主創新(27項技術) 1.バイオテクノロジー(B T) 2.情報産業(IT) 3.新材料技術 4.先端製造技術 5.先進エネルギー技術 6.海洋技術 7.レーザー技術 8.宇宙技術 基礎研究 1.学問分野の発展(2テー マ) • 基礎学科 • 学際学科と新興学科 2.科学の先端的な課題 (8) • 脳科学及び認知科学 • 新物質の創造におけるプ ロセス 3.国家の重大な戦略ニー ズに対応した研究(10) • 材料設計・調製の新原理 及び新方法 • 人類の健康及び疾病の 生物学的基礎 4.重大科学研究計画(4) 蛋白質の研究 量子コントロール研究 ナノテクノロジーの研究 発育と生殖の研究 国際科学技術協力重点分野 1.エネルギー源、水資源、環境保護技術(国 民経済ボトルネック問題解決) 2.食品の安全保障、農産品の改良、国民の 保健衛生水準の向上(BT協力強化) 3.産業構造の高度化、IT情報産業、新素材 技術と先端製造技術、重大設備と物作り 技術 4.基礎研究とフロンテイア技術国際協力 国際科学技術協力の主なパタ―ン • 技術貿易:技術コンサルティング、技術サービス プラント輸入に伴う技術導入 • 国際学術会議:国家自然科学基金会、中国科学院、 中国科学技術協会、大学 • 国際共同研究開発: • 科学人材の相互訪問と交流 • 国際協力拠点の構築
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